🧠 あらすじと概要:
映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』のあらすじ
物語は、主人公・小西と彼の片思いの相手・さっちゃんの複雑な関係を描く青春ドラマです。さっちゃんは明るく愛らしいキャラクターで、小西に対して特別な感情を抱いています。しかし、小西はその想いに気づかず、二人の距離は微妙にずれています。周囲の人々の影響を受けながらも、さっちゃんの無邪気な姿と彼女の内に秘めた感情が交錯していく様子が描かれます。さっちゃんの告白とその後の出来事が、物語のキーになります。
記事の要約
本記事では、映画を観た感想を情熱的に綴っています。観影後、著者はさっちゃんのことを思い出し、彼女の運命に心を痛めています。小西への不満が前面に出る一方で、さっちゃんの可愛らしさや一途さに愛情を感じる様子も描写されています。特に告白シーンや、さっちゃんの思いが届かない悲しさに感情が寄り添い、感動的なラストへとつながる様子が強調されています。小西がさっちゃんとの関係に向き合う過程と、その結果に対する複雑な思いが述べられ、さっちゃんがどれほど可哀想であったかを強調しています。この作品が「成功している証拠」として感情を揺さぶられる様子が描かれています。
映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』のエンドロールが終わり、場内が明るくなってから私の第一声は「さっちゃんがかわいそうすぎる……!」だった。号泣していたため全文字に濁点を振ってもらうのがより正確かもしれない。
映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』を観に行って上映後「◯◯ちゃんが可哀想すぎる!!」と号泣、友だちと周りのお客さんを困らせるの巻
— 汐見りら (@sio3rira) May 15, 2025
映画館を出て素敵なカフェに行っても、家に帰ってからも、そして一週間後の今もまだ、さっちゃんのことを中心に色々な気持ちが収まらない。そこでセラピーを兼ねて感想を書き残そうと思った。勢いに任せて、荒っぽく、いくぞ!
・以下、ネタバレと主観を大いに含みます。・口調が荒いです。
・私と感想を言い合ってくれる気持ちがあるリアルの知り合いの方(いるの?)は読まずに映画館に行ってほしいです。
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・私は原作小説も既読だったが、伊東蒼さん演じる映画版さっちゃんの可愛さたるや!銭湯の番台からひょっこり頭を出しているシーン、主人公・小西(さっちゃんの片思い相手)の一挙一動にコロコロ変わる表情、踊るような湯船のお掃除。周りの人間も私たち観客も、たちまち心を掴まれるキュートな女の子。でも小西の心だけは掴むことができない。うう、しんどいね。さっちゃんは「仲良くなりすぎ」や「言わなさすぎ」を敗因として認識しているようだったけど、ほんとにそうかな?小西の見る目と観察力とデリカシーの無さのせいじゃないのかなー?
・元々は小西徹の悪口だけでを書こうとしていたくらい、私は彼に腹が立っている。いわゆる“負けヒロイン”を見るといつもその架空の親友ポジションに立って、選ばなかった主人公へのヘイトを募らせるという悪癖が私にはあるのだけれど、今回は親友よりもっと接近してさっちゃんの姉のような気持ちで怒ってしまう。描かれなかった三姉妹・幻の長女として、「あんた、うちの咲に何してくれとんねん!」と拳を握るシーンが何箇所もあった。
・バイトの埋め合わせとして今度ご飯をご馳走してよ、するよ、という話をする小西とさっちゃん。小西は「外で会うのとか、ちょっと照れるな」と何の気なしに言う。←何の気なしに言うか!?!?言うな!!!こんなこと!!!!!! 当然さっちゃんは浮かれ、それを内心に留めることもせずに気前よくうきうきの舞を見せてくれる。スクリーン越しでも胸がきゅっとなるようなさっちゃんの反応を間近で見ながら、「さっぱり気づきませんでした」が通ると思うか?小西は自分のことを繊細で敏感だと認識している素振りを繰り返しているけれど、どうしてこんなに近くにいる人間のかなりわかりやすく広げられた感情に気づけないんだ〜!?
・とはいえ、そういう(ある一面でおそろしく鈍感で相手の好意に気づかない/気づいたとしても、応えられない)ことは残念ながら往々にしてあるものだ。悔しいけど……。でもさっちゃん渾身の告白に対して、小西徹、きみの態度は何なんだ。「もしその子に告白して失恋したら、私が拾ったるから」と言うさっちゃんに対して、小西は冷えた声で「変な冗談止めて」と言い放つ。ネタっぽく言うわけでもなく、ガチの拒絶、という声色。これまでへらへらして「初恋クレイジー?聞く聞く笑」「ご飯2回行こう笑」みたいな感じ(こんな台詞はありません)だったくせに、自分に感情が向けられているのを知った瞬間からガチになるのはずるい。それならもっと早くさっちゃん(をはじめ、山根や、銭湯の佐々木さんや夏歩さんなど、周りにいる人)とガチで向き合え!そしてひとが真剣に告白してる間に街灯の蛾を見るな。気まずいのも混乱しているのも分かるけど、今きみが焼き付けるべきは蛾の羽ばたき方ではない!心の三島由紀夫(おまえら、聞け。静かにせい。話を聞け。男一匹が命をかけて諸君に訴えてるんだぞ)が小西に襲い掛かりそうなのを必死に抑えながら私はスクリーンを睨んだ。これは私がさっちゃんを待ち受ける運命を知っているから言っているわけではない。真摯な告白を受ける人間として、とるべき真摯な態度についての話だ。
・悪口記事はやめようと思っていたのに、結局小西への悪態が止まらない。さっちゃんは多分こんなこと望んでいないのに──私が作り上げた幻想のさっちゃんは「なんやねんあの男!」と口汚く罵るわたしを「まあまあ、そんなに言わんといたげて。私のぶんまで怒ってくれるのはありがとうやけど」といなしてくれる。ただこの作品の主人公はあくまで小西で、彼が自分の未熟さや気持ち悪さと向き合い、受け入れるまでの過程が物語の一つの核だから、私がこうやって怒ることは作品が成功している証拠だといえる。小西を演じた萩原利久さんや大九明子監督にはスタンディングオベーションを。
・でもやっぱり、小西よりもさっちゃんに光を当てて話したい。健気なさっちゃん、かわいいさっちゃん。告白の終盤には「次会うときほんまに普通にするから安心して!」と笑い、おそらく眠れずにベランダのハンモックで夜を明かして、「明るくなったー! 空も私も! お父さんありがとう!」とまた笑える女の子。そんな子にああいう結末が待っていることは悲しくてしかたがない。告白の翌朝、正確には夜勤だからたった数時間後に、小西が別の女の子(……)とごきげんでカフェに行っていることを知らないままで済んだことは、彼女にとってある意味幸さちせだったのだろうか? 『初恋クレイジー』を再生する数分間を惜しんでいた男がわざわざ埃の溜まったネットを取り外して持ってきていた、なんて知らずに、空の美しさだけを焼きつけて最期を迎えられたのは?
・「ただ、私がいないところで、私のこと思い出して、聴いて欲しかっただけ」。さっちゃんのその願いは、死を以て叶えられる。さっちゃんの家でようやく『初恋クレイジー』を聴く小西。「最高の前奏」とともに生前の彼女の姿が思い起こされ、表情がより鮮明に映し出された映像からは小西があの告白にはじめてちゃんと向き合おうとする様子が読み取れる。そこまでは良い。全然良くないけど、悲しいけど、最悪だけど。私が本当に耐えられなかったのが、『初恋クレイジー』の半ばで始まる小西の告白だ。さっちゃんの回想から桜田花の目元にピントが移ったとき、うわーーー!マジでやめてくれー!と思った。言うな言うな言うな!「目の下のシワ、指でなぞってもいい?」あ~言った!小西がさっちゃんの回顧をそこそこに桜田花への告白をはじめるぞというモードに入っていくのを見るのはとてもきつかった。「ただ、私がいないところで、私のこと思い出して、聴いて欲しかっただけ」さっちゃんは謙虚だからそう言っていたけど、「ただ、私がいないところで、私のこと『だけ』思い出して、聴いて欲しかっただけ」
本音はこうだったんじゃないか。 夜勤明けの帰路や、ベッドの中、大学に向かう途中。場所はどこであったとしても、歌詞やメロディーを噛み締めながら自分のことだけを考えてほしかった。そんなさっちゃんのささやかな願いを、この一日だけ、いやせめて一曲の間だけでも叶えてあげることはできなかったのか。さっちゃんとの思い出をすごいはやさで追い越していく桜田花の目の下のシワの手触り、なめらかで、圧倒的な現実。衝動、性愛、リビドー? 私はこの辺りの感情に疎いので、遺影の前で突然ラブモードに入れる小西の気持ちがやっぱりよくわからない。でもとにかく、死んでも勝てないんじゃ、本当にどうしようもないですよ。死さえ恋愛進展イベントにされちゃったら、もうねー。さっちゃんは告白の中で、自分の告白を教材にしてほしい、と言っていた。『初恋クレイジー』聴いてくれなかったくせに、ご飯の予定も立ててくれなかったくせに、そこだけはあっさり実行しちゃうんですね小西って男は。ラストシーン、ゆっくりとカメラが庭のほうに引いていって、あ、これはさっちゃんの視点なんだと気づいた。そこからは涙が止まらなかった。こんな結末はあんまりだ。あまりにも、さっちゃんが可哀想すぎる。
・映画だけにあるシーンの一つが「さっちゃんが浴槽に倒れ込む(フリをする)」場面で、私はそこがすごく好きだった。小説でさっちゃんは「私も盛大に転けたろかな」とつぶやくだけで行動には移さない。まだお湯の残った湯舟に思いきり倒れるさっちゃんに、さっきまで背を向けていた小西が焦って駆けてくるシーンは見ものだった。さっちゃん、あなたはもっとそういうことをやってよかったんだよ、と思う。わがままに相手を振り回して、自分も相手の服もびしょびしょにして、でもピースなんてくれてやる必要はなく、中指を立てて喚いてやればよかった。だけどそれができないさっちゃんのことを、私はたまらなく愛してしまう。
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