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概要
この記事では、企業や個人のブランディングにおける「かっこよく見せる」ことと「らしさを届ける」ことの違いについて論じています。デザインが重要である一方、見せ方に偏りすぎると本来のメッセージや価値が消えてしまうことが指摘されており、発信の本質を理解することが求められています。
要約(箇条書き)
- 近年の企業発信は洗練されているが、信用できないと感じることがある。
- 「かっこよく見せる」と「らしさを届ける」は本質的に異なる。
- 過度なデザイン重視が「らしさ」や「価値観」を上書きする危険性がある。
- ある中小企業はデザインをリニューアルしたが、問い合わせが増えなかった原因は「中身の不在」にあった。
- 見せ方は重要だが、発信する意図が明確であることが大前提。
- 発信の本質は「かっこよさ」よりも「共鳴」である。
- 自分の言葉で語る勇気とそれを支える設計が必要。
見せ方が強すぎると、“自分らしさ”がかすむ
デザインは、もちろん大切です。ですが、それはあくまで“補助線”のようなもの。見せ方を重視しすぎると、本来伝えたい「らしさ」や「価値観」まで“上書き”されてしまうことがあります。実際、僕自身も以前は「かっこいい方が信頼される」と信じていた時期がありました。派手なビジュアル、最新のトレンドデザイン、強いキャッチコピー。
でもそれらは、どこか“借りてきた言葉”のようで、自分の声じゃありませんでした。
デザインを変えても、成果が出なかった理由
ある企業の話をします。社員数30名ほどの中小企業で、ブランド力を上げるためにロゴとサイトをリニューアルしました。見た目は一新され、外から見ても「今風でおしゃれ」に見えるようになりました。しかし、実際の問い合わせ数は増えなかったのです。その理由は、ページを見た人が「どんな人が、どんな想いで、何を提供しているのか」が全く伝わってこなかったから。
つまり、“整いすぎた見せ方”が“中身の不在”を強調してしまったのです。
「かっこいい発信」を意識するのは悪いことなのか?
もちろん、見せ方が悪いわけではありません。デザインやトーンを整えることは、言葉に“輪郭”を与える行為です。ただし、それは“届けたい中身”が明確であることが前提。言い換えれば、「見せ方」は“拡声器”であり、「らしさ」は“声そのもの”です。どれだけ拡声器が高性能でも、声が不明瞭であれば何も伝わりません。
“らしさを届ける”ための視点:意図を思い出す
らしさを届けるために、まず確認してほしいのは「なぜそれを発信するのか?」という意図です。- なぜこの商品を届けたいのか?- 誰のどんな悩みに共感しているのか?- 何を信じて、そのビジネスをしているのか?このような問いに答えることで、発信に“あなたの声”が宿ります。
それが整えば、多少デザインが崩れていても“人間味”が伝わり、共感を生みます。
かっこよさよりも“共鳴”を
結局、発信で最も大事なのは、「かっこいいかどうか」ではなく、「誰かの心に残るかどうか」です。そのためには、表面的なトレンドを追うより、自分の言葉で語る“勇気”と、それを支える“設計”が必要です。▼ ブランディングを“見せ方”から“あり方”へ。株式会社逆光では、企業や個人の「らしさ」や背景を価値に変えるブランディング支援を行なっています。
この記事は、筆者自身の音声と語りをもとに、音声配信・思考整文サービス「Udatsu(ウダツ)」を通じて構成された記事です。話すことで考えを整理し、発信へつなげたい方は、こちらをご覧ください。
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