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概要
この記事では、YouTubeチャンネルを新たに開設した際に、SNSや知り合いへの宣伝が逆効果になる理由を説明しています。特に、視聴者の質やアルゴリズムの影響が重要であり、無理に宣伝することがチャンネルの成長を妨げる可能性が高いことを指摘しています。
要約 (箇条書き)
- 宣伝の逆効果: 開設初期にSNSでの大々的な宣伝は、視聴者の質を低下させることがある。
- アルゴリズムの重要性: YouTubeのおすすめシステムは、視聴者の反応をもとに動画を拡散する仕組みである。
- 視聴者の質: 興味のない視聴者が多いと、視聴時間が短くなり、動画の評価が下がる。
- 初期段階の注意: 初期の視聴者が与える影響が大きいため、慎重な宣伝を心がけるべき。
- 視聴モードの違い: SNSとYouTubeでは視聴習慣が異なるため、プラットフォームごとに適切なアプローチが必要。
- 質の維持: 宣伝時には「視聴する姿勢」を作り、クリックされるだけではなく視聴を促進すべき。
- 倍速再生の危険: 依頼する際は、倍速での視聴を避けるように注意が必要。
- 自然な推薦を狙う: YouTubeのアルゴリズムに好かれるための質重視の戦略が重要である。初期の再生数が少なくても焦らずに質を高めることが大切。
※法人のYouTubeチャンネルを担当する中で、「この説明毎回してるな」と思ったことをせっかくなのででシェアしています。YouTubeに挑戦している全ての人へ。クライアントへ説明が難しい方も、このをシェアしてくださいね。
▼ | ちなみに私はこんな人です。
自分が「人生賭けて応援したい!」と本気で思った少数の企業のYouTubeチャンネルの裏方として戦略からデザイン、編集まで1人で担当させていただいています。
以下から本文です。
●概要
新しくYouTubeチャンネルを始めたとき、「もっと見てもらいたい!」「早く再生回数を増やしたい!」「数字が低いのは恥ずかしい」と思ってInstagramなど他のSNSで動画を宣伝したり、家族や友人に動画を見せたりしたくなるかもしれません。しかし実は、YouTubeのおすすめシステム(アルゴリズム)の面から見ると、こうした方法はチャンネルの成長に逆効果になる恐れが高いです。特に、開設して初期段階においては慎重になる必要があります。また、視聴者に動画を倍速再生しないようお願いした方が良い理由も、同じくアルゴリズムの仕組みに関係しています。
●結論 | やってはいけないこと
① SNSで「YouTube開設しました!見てください!」
「チャンネル登録もよろしくお願いします!」と宣伝しないでください②「絶対この人はウチのチャンネルの動画を全て観てくれるだろう」と
信頼できる数人にのみ共有してください③ スマホにサムネイルが映ったら、
「最後まで」「等倍速で」視聴してください④ SNSでYouTubeの宣伝をする時は、本気で宣伝してください
毎回クライアントに依頼すること
●理由
YouTubeのおすすめシステムは、視聴者一人ひとりに「その人が興味を持ちそうな動画」を届けるよう、賢く作られています。
例えば、料理の動画なら「料理を探している人」に、ゲームの動画なら「ゲーム好きな人」に届くように、YouTube側が少しずつ動画を試しに見せて反応を確認しています。具体的には、新しい動画を公開すると、最初はごく少数の視聴者(たとえば10人程度)にその動画をおすすめし、サムネイルをクリックされたか、どれくらい長く見てもらえたかなど反応をテストします。反応が良ければ、「この動画は好評みたいだ」と判断して今度は100人、さらに反応が良ければ1,000人…というように、段階的におすすめ対象を広げていきます。このようにして、動画がたくさん視聴される(いわゆる「バズる」)流れが生まれます。
バズるまでの基本的な流れ
ところが、SNSでの過度な宣伝や知り合いへの共有はこの仕組みと相性がよくありません。その理由をひとつづつ説明します。
【1】興味の薄い視聴者が増えてしまう
InstagramやXのフォロワー、あるいは家族や友人は、本当にあなたの動画のテーマに興味がありますか?あなたの会社の従業員は、家に帰ってから本当にその動画を観ますか?
多くの場合は、興味ありません。
私が従業員の立場なら、まず観ません。ネトフリ観ます。
たとえば従業員に、動画リンクを送ったとします。従業員は「義理で」クリックしてくれるかもしれませんが、内容がおもしろく感じられなければ途中で観るのをやめてしまいます。「とりあえず再生はしたけど、すぐ見るのをやめた」という視聴が増えると、動画の評価が下がります。YouTubeのシステムは「この動画は最後まで見られていない。途中で離脱する人が多い = あまり面白くないのかも」と判断してしまうからです。
「義理クリック」「義理チャンネル登録」「義理視聴」をするくらいなら観てもらわない、登録してもらわない方がYouTube評価は高くなります。
義理の人の「再生回数1」はいらない
【2】視聴時間の低下
興味を持たない人が相手だと、どうしても視聴時間が短くなります。YouTubeにとって「どれだけ長く動画を見続けてもらえたか」という視聴時間はとても重要な指標です。短い時間で視聴が終わってしまう動画は、YouTubeから見ると「あまり人を惹きつけていない動画」だと評価されがちです。せっかくSNSで再生回数が1つ増えても、その人がすぐに離脱してしまえば逆効果になることもあります。そう、再生回数には「質」という概念があるのです。
【3】開設初期は、視聴者の影響が強すぎる
開設初期での宣伝が危険な理由を説明します。
例えば、「キャンプ飯」動画をK-POP好きの妹に送ったとしましょう。── ① 妹は観てくれる。いいねもコメントもしてくれた。── ② AIは「このキャンプ飯動画、K-POP視聴者に刺さるぞ!」と誤解── ③ AIが妹のようなペルソナ(K-POP好き)に広げるも、興味がなく即離脱
── ④ 動画の評判が下がりキャンプ好きに届く前に露出が終了
視聴を協力してもらうと、結果的に伸びなくなる。
という悪循環が起こります。
チャンネル開設初期はフォロワー数少ないが故に、「フォロワー数に対しての1人当たりの与える影響」がかなり高く出てしまいます。なので、開設初期に色んな視聴者を入れることは基本的にNGです。
【4】視聴モードの違い
人はSNSごとに異なる「モード」でコンテンツを楽しんでいます。例えばInstagramやTwitterを見ている人はパッと見て楽しめる短い投稿や画像を見る「流し見モード」。一方、YouTubeを開く人は「動画をじっくり見よう」という気持ちでいることが多いです。Instagram上で宣伝リンクを見たフォロワーは、必ずしも腰を落ち着けて動画を見る状態ではない可能性があります。無理に連れてきても「今は長い動画を見る気分じゃないな」と感じて途中で離脱してしまうかもしれません。このようにプラットフォームごとの視聴態度の違いも、SNS拡散が逆効果になりうる理由の一つです。
一方、「インスタで告知されて初めて知った」というケースもありますよね。なので、SNSで宣伝するなら手を抜かず本気で宣伝するべきです。次に続きます。
【5】宣伝するなら視聴姿勢まで作ろう
宣伝するなら、「誰に・どんな問題意識を持たせて・どんなワクワクで視聴させるか」までセットで考えたいところ。
例えばストーリーなら、「動画アップしました!暇な人みてね^^」とURLを貼るだけでは、URLを絶対タップしてくれません。
URLをタップしないなら、まだ良いです。動画の視聴維持率は落ちないので。
最悪なのは、「気軽な気持ちでURLをタップされた場合」。動画が始まって、2秒で離脱されます。
もし10分の動画が、2秒で離脱されれば視聴維持率0.33%。地獄のような数値です。
なので、宣伝する場合はせめてYouTubeのサムネイル + URLを貼る。
「見よう!」という姿勢を作りましょう。
さらに良いのは、こんな感じです。1枚目:問いかけ / 問題提起 / ベネフィット訴求
2枚目:サムネイル + URL
ストーリー共有も本気で。
【6】「倍速でいいからみて」はNG
YouTubeのアルゴリズム上、視聴者が倍速再生した場合、その分視聴時間が短くカウントされてしまいます。例えばあなたの動画が10分間だとしましょう。通常速度で最後まで見てもらえれば、その人の視聴時間はまるまる10分になります。一方、2倍速で最後まで見られた場合、その人が実際に視聴に費やした時間は5分、半分になります。
YouTubeのシステムは視聴時間をとても重視しているため、等倍速での視聴をお願いしましょう。
※ただし、ストーリーなどの宣伝で「等倍速でみてね!」はややウザがられるので書かなくてOK。オフラインで会う人とか、近しい人にはお願いしたいところ。
【7】もし自分のチャンネルのサムネイルがオススメにでたら、全て見ること
「サムネイルのクリック率」というのも、動画が伸びる大きな要素です。
これは、以下のように計算されています。
サムネイルの50% 以上の部分が 1 秒以上画面に表示されたとき「表示1」とカウントされ、その後クリックされたかどうかをAIは見ている
なので、登録した自社のチャンネルのサムネイルが50%以上でた場合、
動画を最後まで等倍速で視聴してください。
最後まで見ないと、「この動画は興味を引けない」とスコアを落とされます。
ちょっとだけ視聴することも「この動画は面白くない」とスコアを落とされます。
「チャンネル登録をする」ということは、これをするという覚悟を持ってください。
ちなみに、同じ人が何回同じ動画を見たとしてもカウントは「1回」ですので、何度見たところで評価は変わりません。
●最後に
SNS運用における、期待値調整を改めてさせてください。
YouTubeの新規チャンネルは、最初から伸びることはめったにありません。初投稿の1日目の再生回数が0回でも普通。10回つけば大成功というレベルです。1週間たっても再生回数ゼロということも全然ありえます。しかし多くの人は「このままでは誰にも見てもらえない」と焦り、友人にリンクをばらまいたり広告で無理にブーストをかけたりします。ところが、こうした人海戦術やハック術は、アルゴリズムが集めたい本来の視聴データをかき混ぜてしまい、かえって伸びるまでの時間を長引かせる原因になりやすいです。
YouTubeを最短で伸ばす近道は、プラットフォーム自身に「この動画をおすすめしよう」と判断してもらうこと。自然な推薦を狙うことに尽きます。初期は再生数がゼロでも当たり前。しかし安心してください。YouTubeには「後伸び」という他のSNSにはない現象が存在します。焦らず、質の良いものを積み上げていくことに集中しましょう。
「気づいたらめっちゃ伸びてた!」くらいの期待値がベストです。
「遠きに行くには必ず邇きよりす」なにかを成すには
一歩一歩順を追って進まねばならない
ハイキュー!!398話:武田一鉄
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