日曜日, 5月 25, 2025
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【THE SUBSTANCE 感想】笑いどころだろうと、笑えないでしょうよ【#汁なし大盛り担々麺12杯目】汁なし大盛り担々麺

🧠 あらすじと概要:

映画『THE SUBSTANCE』のあらすじ

『THE SUBSTANCE』は、自己の美しさと年齢に苦悩する女性エリザベスの物語。彼女は若さを保つため、恐ろしい手段を選ぶことになり、次第に自己否定と苦悩に苛まれていく。物語は彼女がクローンのスーを作り出し、その関係を通じて自己認識や年齢、そして美しさとは何かを問いかける内容となっている。

記事の要約

この記事では、『THE SUBSTANCE』を観た筆者の感想が語られる。筆者は映画のテーマを真剣に受け止め、特に女性の年齢や美しさに関する問題に焦点を当てている。観客によって笑いどころの受け止め方が異なることに苦痛を感じたと述べ、特に隣のカップルの笑い声が気になった。

また、視覚的なグロ表現ではなく、精神的なグロさに強い影響を受けたと述べ、エリザベスの自己嫌悪や孤独感がリアルに描かれていることに苦しさを感じる。映画が示す美しさに対する執着が、自己破壊的な行動を生むというテーマを受け入れつつ、筆者自身の感情を交え、鑑賞後の複雑な心情を表現している。最終的には、自分自身を許すことの大切さを伝えつつ、映画のメッセージが持つ力を考察していた。

【THE SUBSTANCE 感想】笑いどころだろうと、笑えないでしょうよ【#汁なし大盛り担々麺12杯目】汁なし大盛り担々麺

どうも、最近豆乳担々麺なるものをみつけて食べたいものの、どうやら店として夜しかやってなくてキレかけている汁なし担々麵(大盛り)です。

いや~、5月ももう終わりますね。
ちなみにたべっ子どうぶつの映画よかったですよ。

……という記事を書こうと思ってたのですが、今回はサブスタンスの感想書きます。
理由は、たべっ子どうぶつの感想はマッカロン教授とゴッチャンのクソデカ感情関係とゾウくんとライオンくんの弱みを打ち明けられ傍にいてくれる関係性が良すぎたっていう萌え語りになりかねないからです。
まじであの、わたくし純愛過激派で関係性のオタクなので、この、マッカロン教授がわたあめをつかった料理がすっげえ上手だっていうことに愛を感じちゃってもうほんとうに……みたいな。こんなん映画の感想とそれかねないのでね。

それよりも、映画『サブスタンス(原題: THE SUBSTANCE)』ですよ。

ルッキズムやエイジズムなどを表している…みたいな頭のいい記事は世に溢れているので本当に感想だけにします。つまり、「自分はこの映画を見てどう感じたか」なので、個人の感想にすぎません。『へぇ、そういう考えのひともおるんやな~」という温かい目で見てください。

これは文句でもあるのですが、な~~~んで日本版はスーをイメージしたようなショッキングピンクば~っかりなのですか!?
ブルーにしてよ!エリザベスのイメージカラーのようなブルーに!!

笑うしかないような、ひどいことって、ある。

■ちょっとした愚痴

隣のカップルがさ。笑ってたんすよ。エリザベスが取り乱して部屋の窓に新聞紙貼り付けたりしてたシーンでクスッて。
わたくしね、あそこ、すごくしんどくて。
なんで笑えるんだろう……?って思ったんすけど、スーと大体年齢が同じぐらいだったなって思い出して。っていうかそのカップルの彼氏結構映画中クスクス笑ってたし、ポップコーンボリボリ食っててうるせえなってなったんすよね。

またエリザベスが年老いて、魔女のようにフランス料理をつくるシーンとかもクスクス笑ってて……いや笑うのはいいんですけど、こういうがっつりコメディ映画ってわけでもない映画のシニカルな笑い?冷笑系?のやつだとマジでしんどいな……ってなりました。笑いのツボが違う人とお笑いみるときの気まずさみたいなもんですね。
マジでわたくし、劇場で見るときの運がなさすぎて泣きました。

■全体的な感想:血を使わないグロ描写がしんどい

Xのポストとか見てると、『笑った』とか『しんどくなった』という感想が多いらしいです。
ちなみに、わたくしは『しんどくなった』人間です。
いや、あの、肉体的なグロ耐性全然あるんですよ。R15で、まぁ、内臓ボト!とか血ブシャ!とか、まぁまぁあったので、苦手な人や慣れていない人にはキツイと思います。
ただ私が『しんどいな』って思ったのが、視覚的に『痛そ~……』って思うような身体的なグロじゃなくて、精神的なグロの部分なんですよ。

グロいです、この映画。
若さゆえの浅慮さや奔放さ、年を重ね孤独を感じる独身女性の苦悩が、遠慮なしに丁寧に描かれています。生きていくうちに感じる焦燥感が、苦悩が、いや~な感触が、背中からつうと伝う汗のように、じっとりと纏わりついてきます。
ネタバレがっつりしていきますね。

ちょっと早いですが閑話休題

教皇選挙もこの前ようやく観に行けたんですよ。
あの映画もアート映画や社会派的な映画として非常に興味深かったですが、なんだろう…あれは男性社会の、極めて狭い世界での常識が覆された、というか……その、古くから根差した考えが大きく揺さぶられ、これから少しずついい方向に変わっていくのかもしれないね……みたいな、まぁ、その、わかりやすいメリハリはなく、ず~っと同じテンションで進んでいた印象です。

この教皇選挙では、ローレンスの苦悩を表現するために、息苦しさ(鼻息や部屋の暗さ等)を強調していたように思います。
映画中の、誰を教皇として担ぎ上げるか・票をどうやって集めるか等、やってることは政治家がやってそうだなと。宗教の世界の荘厳な舞台だろうが、世俗だろうがやってることは変わらない、結局は皆同じ人間なのだ、というような印象になりましたね。

オチも結局男性社会の中からインターセックスである、男でもあるが女でもあるし、男でもなければ女でもない、みたいな、定義があいまいな人が教皇になることで、なんかこう…メッセージ性があるのだろうなぁと思ったのですが、いかんせん自分はキリスト教に造詣が深いわけではないので、最後のシスターたち3人が外に出てくるカットの意味も分からなくて「???」だったのですが。知識者が書いたやXでの感想ポストを見る限りだと、男性本位の社会(男性しか教皇になれない)でこういうオチをつかうとは!という衝撃的な内容だった、ということらしいですね。つまり、最後にシスター(女性)たちを映すことで、未来が少し変わってくかもね…みたいな余白を残す終わり方だった、みたいなことを伝えたいんじゃないかなぁ的なサムシングだとか。
サブスタンスでは、エリザベスの苦悩を、ローレンスのように背中からただよう疲弊、哀愁だったり、苦しそうな息遣いだけでなく、もう真正面から張り手をかまされるごとく描写してきたので本当にもうサブスタンス怖すぎますね。わかりやすさが怖い。

■グロいと思ったポイント:女性の持つ苦悩を誤魔化しなしに映し出し攻撃性をもって訴えること

最後のオチ、モンストリオ・エリザスーからエリザベスの顔が分離して、例のタイルの上で死ぬシーン。
あれ、めちゃくちゃギャグっぽい絵面ですけど、『美醜とか老いとか気にして引き籠ってたけど、そんなもん気にしなくていいんだよ!』みたいな、死の間際で解放感を得て救われる、みたいな結末ってことですよね?

なんかこう……こういう「年をとっても私は最高!」とか、「私が美しいと思ったら美しい!」みたいな、○○ポジティブ系の励まし方じゃなくて、こう……全方位にかみつくような攻撃性を感じてしまって……。

うるせ~~~~!!!!!!!!
そういう考え方クソくらえボケナス!!!!!!!!!!!

みたいな。
なんというか、励ましなんていらないし、とにかく怒りの発露を表現していて、だからこそ痛ましいほどの自己破壊(スーからエリザベスへの攻撃)を描写しているのかなって思うんですよね。エリザベスは老いによって自分の存在価値がなくなっていくことで、ほぼ『死んでいる』と思っていたはずなんですよ。美しさが自分の価値だと思っていて、それが失われていって不要とされたことへの絶望を描いている。
それはおそらくエリザベスがいた世界、『美しさ』を求められていた世界だからこそだと思うんです。だから、スーに命を絞り取られようが、やめられなくなってしまった。もう死んでるも同然だからね。
完全な他人からの搾取であればやめられたんだろうな……。

■グロいと思ったポイント:若い時の自分と今の自分って性格ちがうよね?

わたくし、若いころの自分、つまり「自分の世界が全てで他の在り様について全く興味がなかった」ころと、今の自分、「ある程度世間的な一般常識を知った」ころとでは考え方も全く違います。思考の幅が少なくとも広がっているはずですから。
だから、こう、スーの自分勝手で自分の楽しいことしか興味がなくて、他人がどう被害を被るかなんて眼中にないんですよね……そういう若い時の愚かさというのもなんか描かれてて「こんな血みどろに頼らないグロさを表現できるのすごいな」って思いました。

わたくし、この映画、シュールなブラックユーモアのある映画とは思えなかったんですよ。
いや、わかるんですよ。モンストリオ・エリザスーがライトアップされるときのBGMとかも、急にDIYの腕を発揮するスーとかも、「ここ笑うところです」みたいな唐突のギャグを入れてくるのは。笑いどころであることもわかります。でも、前後のつながりってあるわけじゃないですか。それまでの過程とかで、色々思うところがあって、「いや……笑えないよ……」みたいな感情で終始、ずっとしんどい顔をしながら見てました。わたくし。

たとえ話になりますが、話す本人にとっては笑い話にしないつらい体験談ってありませんか?聞いてる他人からしてみれば「何でそんな笑ってんの……笑うところじゃなくない…?」みたいな壮絶なお話。それをなんだかこの映画では疑似体験できると思うんですよ。
もしかしたら、この映画を見て笑えるひとは、本人にとってつらい体験談も一緒に笑ってくれるような素敵なひとか、あるいは本当に共感性が低いかのどちらかだろうな……って思いました。

これ、ミッドサマーと同じ路線だと思います。
女性と男性とで感想が違うタイプに加え、サブスタンスでは「若い女性」「妙齢の女性」とで感想が分かれるはず。そして、美しさに価値を置いている人ほど恐ろしく感じグロテスクに感じると思います。

■グロいと思ったポイント:多分記憶は共有していないがスーの性格形成はエリザベスの若いころをベースにしている可能性が高い

パンフレット買ったんですが、まだ見れてないので情報はわからないですが、記憶を共有しているのかどうかって、自己同一性を担保する上でも大事だと思うんですよねえ。ちなみに私はいろいろ考えて、ACTIVATORを注入してスーが生まれる直前まで記憶がある、という説にいきました。

スーがイケメンと一夜を過ごした後、バイクのヘルメットを外に投げ出した後に取りに来たイケメンに「どけよ!」って言われたシーンがあると思うんですが、多分ヘルメットを見て気づいたんじゃないのかなと思いました。

・スーの記憶はエリザベスに引き継がれる説
⇒これはないと思います。だってそしたらテレビのトークショーでのあの醜悪な魔女のようなエリザベスの行動は起きないはずです。「すごくファンだったの。だから受かって嬉しい」ぐらいの一言とか、エリザベスを持ち上げると思うため。

・エリザベスの記憶はスーに引き継がれる説
⇒これもないと思います。というか、母体から生まれる前の記憶はあるのかもしれませんが(ACTIVATORの存在とか薬の存在は知っていたため)、二人になってからは共有されていないなと。だって母体から栄養を吸収して老いて絶望しても知らんぷりって……ありえなくないですか?
まぁ所詮、老いた人間を搾取するだけの自己中心的なものなのかもしれませんが……。

つまり、エリザベスの若いころの性格のコピーがスーであり、若いころのエリザベスはベテラン女優とか妙齢の女性たちをよく思ってなかった可能性があるなぁ、と。それまでの自分の生き方がそのまま自分に返ってきた可能性があって、よりこのサブスタンスが怖くなってきました。

■余談その1:日本広報マジでセンスどうなってんの?

あの~……これ、トワイライトウォリアーズもそうなんですけど。
古き良き香港映画っぽいクソダサタイトルだという噂は聞いていました。とはいえなんでこんなクッソダサいフォントなの????って…悲しくなってしまいまして~。

※上記でメチャクチャだせぇだせぇと文句を言ってました。

一部、ファンメイドのポスターも混ざっているかもしれませんが、とりあえず海外のサブスタンスのポスター見てくださいよ。

画像リンク:Pintarest

メッチャお洒落だし、映画の雰囲気をにおわせるようなポスターで、すっごく素敵じゃないですか?
まぁ日本版のポスターは下記のものに合わせてるんでしょうけど……


「かわいいが暴走して、阿鼻叫喚」って何???

いや…見た後はわかりますよ。「可愛い」=「スー」であろうことは。
でもあの映画を全部見た後につけるキャッチコピーかな?って思っちゃいました。スーは結局、中止の液体をほぼ9割入れられてしまったから崩壊は免れられなくて、身体が崩壊して自身の存在意義である「美」=「死」から目を背けられずに、母体になりえないクローンである存在なのにACTIVATORを使ってしまった。そこで生まれたモンストリオ・エリザスーが化け物だと罵られ、血を噴き出して大暴れするシーンは確かにそうとも言えますが、あそこのシーンをこんな風に抜き出す決断したの何でなん……?って。

じゃあ自分だったらどうなの?ってなるんですが……。
わたくしが担当だったら……そうですね……シンプルに「忘れるな。あなたは1つなのだ。」ですかね?
それか「”彼女”などいない。あなた自身だ。」とかかな。そのセリフがエリザベスを蝕んでいて、スーを消せなくなってしまった呪いの言葉でもあるはずなので。

ちなみにわたくしが好きなやつはこれです

あのボディスーツのスーはエロいけど……っていう

このポスター、グロいっちゃグロいですけど、スーが食べ物を消化できない、クローン用の液体しか接種できないみたいな『非人間』的な要素も示せてますし、なによりこのサブスタンスでよく出てくる背中の空いたお洋服であること、複眼などもバッチリおさえてて、精神的に気持ち悪くなりそうだな……ということを表現できていると思います。
わたくし、ワクチン接種券とかいうシールよりも、このポスターのデザインのポストカードが欲しかったなあ……。

まじでこのPRとかセンスなさすぎてビビりましたけど。

別に男性起用することが悪いとかじゃないんですが、悪意ありません?
デミ・ムーア演じるエリザベスだって美しいだろうが!なんでエリザベスの枠で、そんな露悪的な表情する必要があるんでしょう?
指示したのは企業側だと思うので、致命的に広報戦略としてミスってるなぁと思いました。

■映画を見た直後の書き散らしたまとめメモ

※少し読みやすくしたり画像で補足してます

・エリザベス
他人から見たら美人、なんですよね。努力してキレイを維持して。でも本人からしてみたら老化によって今まで浴びてた脚光が薄れていってる。『愛されてる』時を知ってしまったから、今は『老いて誰も愛さなくなった』と感じてしまっている。
だからあの適当な紙に連絡先書いて泥水に落ちてもそのまま渡してきたあのカス男に電話してしまったのよね……。結局、若くて美しいスーと今の自分を比べてしまって『私は美しくない、だから誰からも愛されない』って思って何度もメイクを直してやめてしまった。つらい。でもこれさ、他の人から見たらどんなによくても自分自身が納得いかないと意味がないんだよね。わかる。

このシーン本当につらくて泣きそうになった

このポスターのコメントに「女性の自己嫌悪を描いた、とてつもなく、止められない、狂気じみたおとぎ話」ってあったんですけど、まさしくですよね。よりよい自分が欲しくて薬に手をだしたけど、自分のように感じられなくて、嫉妬して……自己破壊をしてしまう。
もしかしたらVチューバ―とかの感覚と近いんじゃないんですか?
Vのガワがスー、魂が母体のエリザベス、みたいな感じで。

Vは人気だけど中身の自分は価値がない、って思う方もいらっしゃるかもしれない。もしかしたら、Vをやってる人だったら男性女性関係なく似た苦悩を持つのかもしれない。

・スー
若い女の子のワタシ最強!!感がでててよかった。はじめはね。
だけど、ルール守らないギャルっているよな。ワタシ可愛いから!つって例外を平気で破っちゃうタイプの子。それで許されるのは緩い規則の中だけなんだよな。学校とか、個人関係とかの、そういう中だけなのに。
でもそんなこと知らないから、どんどん増長してしまう。
最後にその自分の愚かさで自分を殺すことになってしまうのも……。
医療従事者からしてみたら、注射の針を何度もおなじところに刺すな!っていう悲鳴があがっているという風の噂ですが、そんなこと一般人のスーにはわかりませんからね……あと言うこと聞かないし面倒だから別にいいじゃんってなりそう。

・医者の助手(クローン)と老人(母体)のシーン
もしかして、彼も医者の彼に蝕まれているのでは?と思いました。
いや、でも、どうなんだろう。
負担かかったエリザベスは半身ずつ老いていったから違うのかな。もともと助手として働けるぐらいの頭脳があるから知性もあったり理性的だったりするのかな?医者の助手でも緊急対応とか必要だろうし、多分母体に無理をさせてることもあったんじゃないかなと思うんですが。
もしかしたら、彼の動機は「モテたい」とかじゃなくて、「仕事がしたい」とかだったのかも?年老いて自由が利かなくなったからこそ、もう一度自由な体を得て働きたい。って考えたから応募したとか?
でも実際に働くのは自分じゃなくてクローンだから、徐々に生活も……『蝕まれていく』感じになっていったんじゃないかなと思ったり。
エリザベスと似たような動機だったら、もっとエリザベスに同族嫌悪みたいな感情を与えられたはずなので(男であれば若くてイケメンになってモテモテになりたいという願望をあの男性が持っていたならば、エリザベスは自分自身と似たあの老人の姿を見て正当なる自己評価と、やめなければ、という気付きを得られたかもしれない)おそらく違うんじゃないかなあと思ったり思わなかったり。

・ハーヴェイ
ジジイてめえこの野郎……!!!!!!

「男性はいいですね。年齢制限もなくて。生涯現役!てか?さっさとくたばれ」っていうような、そんな心の声が聞こえてきました。
ハエがたかるハーヴェイの腐りきった、ほぼ死にかけの老人のくせに「お前はもう終わってる」みたいなきたねえ食事シーンとか、肉体を維持するのが難しいスーを囲んだジジイども。若い女若い女ってよ……てめえは金しか取り柄がねえだろうが?
でもそいつからしてみたら、老いたエリザベスなんて「何の取り柄もない女」と見てるんでしょうね。自分たちは若さはないが金はある!みたいな。

わたくし、SAWシリーズやグリーン・インフェルノ平気で見れる人間なのですが……グロはそうでもなかったんですが、精神的な描写がキツくて…。
すごいな、と。こんな精神的にグロい描写できるんだ。

■余談その2:へルタースケルターはマイルドだったな

思い返せば、わたくしへルタースケルターも結構見てて、こっちはグロというよりエロっぽい感じの描写が強くてウゲ…ってなってたんですけど、こちらのほうがマイルドでしたね。

沢尻エリカの毒女役は本当に可愛かったなぁ。

全身整形の美女が主人公(りりこ)に皆が虜なんですけど、ナチュラルボーン美人のこずえが現れて彼女の牙城が崩れてくんです。
まぁ案の定といったらあれですけど、「作り物の美しさなんて(笑)」みたいな、いわゆる整形嫌悪みたいな流れになり、最終局面ではりりこは全てを捨てて表舞台から消え、最後は彼女は彼女なりに生きていく……、みたいな終わり方をします。
それで良いんか?ていう気持ちになる人と、生きてればいい…のか?みたいな気持ちになる人がいるかもしれませんね。

昨今、「整形しても私は私」だし「自分が満足ならばそれでいいじゃん」みたいな考えが主流なので時代を感じてしまうかもしれませんが、ちょっとサブスタンスに近いものは感じるなあと思いました。
いや、サブスタンスのほうがルッキズムやエイジズムへの批判という点ではよくできてますしエグいんですけどね。

エリザベスのあの薬も、『やめりゃいいじゃん』ですめば、指が変形した時点でとっくにやめられてたんすよ。でもエリザベスは『あなたはひとつ』という言葉に縋って、どんなに自分が老化しようが、醜くなろうが続けてしまった。
『終了』の注射も最後の最後でミリ残してしまったのは、『スーが愛されるのは私のおかげ』という歪んだ自己肯定をしてしまったから。でもスーはそんなことは思わない。先にも述べましたが、若い時の自分と老いた自分の思考の同一性は担保できないからです。だからスーは感情のままにエリザベスを殴り、蹴り、殺してしまったわけです。
つらいよ~~~~~……。

サブスタンスは「美しさに取り憑かれた、自己嫌悪の果てに狂って死んだ哀れな女の話」でまとめたくないよ。
自分は価値のない人間なのでは?と自己嫌悪している人たちを優しく励ますような映画が手放しで素晴らしいとはいえないけど、この映画を見てより苦しむ人が出ないことを祈ります。
別にこのはただのわたくしのお気持ちを書き連ねてるだけなので、めちゃくちゃ価値があるわけではないのですが……あなたがあなた自身を許せないと、あなたは真に救われないから、少しだけ許してあげてもいいんだよっていうメッセージを残して終わります。

美味しい食べ物たべて暮らそうな……!



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