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【Next Tokyo 25 レポート】Expo で最新技術を体験してきた


はじめに

こんにちは、クラウドエースの岸本です。
先日開催された Google Cloud Next Tokyo ’25 に参加してきました。多くのセッションや展示があり、刺激的な 2 日間でした。

この記事では、特に印象に残った Expo ブースの中から、「Google Distributed Cloud」「Virtual Try-On」「Shopper Concierge」の 3 つについて、実際に見て回った感想をレポートします。

Google Distributed Cloud (GDC) – クラウドが物理的にやってくる衝撃

まず向かったのは、物理的なサーバーラックが目を引く Google Distributed Cloud (以下、GDC) のブースです。
GDC は、Google Cloud のインフラをエッジやデータセンターに拡張する、ハードウェアとソフトウェアのソリューション群です。
これにより、顔認識のような、低遅延で高い処理能力が求められるアプリケーションをデータが発生する場所の近くで実行できます。

普段私たちが利用している Google Cloud は、物理的なサーバーを意識することなく使えるのが魅力ですが、その実態が目の前に物理的な「ラック」として展示されているのは、なかなかのインパクトがありました。

ブース担当者の方に伺ったところ、特に以下の 4 つのユースケースで GDC は真価を発揮するとのことでした。

  • 機密性の高い産業(データ主権と規制要件): 政府機関や金融、医療など、厳しいデータ主権や規制要件からパブリッククラウドの利用が難しかった領域でも、GDC を使えば Google Cloud の強力な AI やデータ分析基盤などの活用が可能です。
    ブースでは、完全にネットワークから隔離された環境で動作する GDC Air-Gapped のユースケースが紹介されていました。

  • 低レイテンシとスピード(リアルタイム処理): 工場のベルトコンベアで不良品をリアルタイムで検出しなければならない場合など、クラウドとの通信ラグが許されない処理に最適です。
    AI モデルの推論などを現場(エッジ)で行うことで、即時性が求められるユースケースに対応します。

  • ローカルデータ処理(帯域幅の制約): 通信帯域に制限がある環境で、大量のデータをクラウドに送ることなく現場で処理できます。
    例えば、高解像度の画像から顔部分だけを抽出して送信するなど、データ量を削減して効率的な通信を実現します。

  • 継続性(コネクティビティ): ネットワーク接続が不安定な場所や、完全にオフラインの環境でも、処理を継続しなければならないミッションクリティカルなシステムで活躍します。

GDC のユースケース例

これまで抽象的なイメージだった「クラウド」が、物理的なインフラとして目の前にあり不思議な感覚でした。

Virtual Try-On – 未来の試着体験

次に訪れたのは、リテール(小売)業界向けのソリューションが展示されているエリアです。
その中でも特に多くの人で賑わっていたのが「Virtual Try-On」(バーチャル試着)のデモでした。

これは、AI を活用して、ユーザーがアップロードした自身の写真に、様々な洋服をバーチャルで試着できるというものです。
デモでは、ブースのカメラで撮影した私の姿をその場でアプリケーションにアップロード。
画面上で試したい服を選ぶと、写真の中の私に、選択した服がリアルタイムで自然に合成されていきました。
まるで本当にその服を着ているかのようでした。

バーチャル試着のイメージ

EC サイトでの「サイズが合わなかった」「イメージと違った」という理由での返品は大きな課題ですが、この技術が普及すれば、購入前にオンラインでリアルな試着体験ができるため、返品率を削減できる可能性を感じました。
顧客満足度の向上と、ビジネスの効率化を両立できる、非常に実用的な AI 活用事例だと感じました。

Shopper Concierge – あなただけの買い物アシスタント

Virtual Try-On の裏側で、もう一つ興味深いデモがありました。
それが「Shopper Concierge」(ショッパー・コンシェルジュ)です。

これは、Agent Development Kits と Vector Search を組み合わせた対話型の買い物アシスタントです。
ユーザーが「頭皮の血行をよくするアイテム」、「頭皮の健康を維持できるアイテム」といった曖昧な要望を伝えると、AI が最適な商品を提案してくれるというものです。

Shopper Concierge のイメージ

デモでは、単に商品をリストアップするだけでなく、
「どのようなアイテムをお探しですか?例えば、マッサージ器、ブラシ、または育毛剤など、具体的なものがあれば教えてください。」
といった具合に、まるで優秀な店員さんと会話しているかのような自然なやり取りが実現されていました。

Shopper Concierge のイメージ

このデモの商品は、メルカリの約 1,000 万点もの商品データが活用されており、その膨大な商品群の中からユーザーの要望に応じて最適な結果を返す仕組みが実現されていました。

こうした AI コンシェルジュ が普及すれば、オンラインショッピングはこれまで以上に楽しく、効率的になるのではないかと思いました。
顧客一人ひとりに寄り添った接客を、24 時間 365 日提供できる可能性を秘めた技術です。

まとめ

Next Tokyo ’25 の Expo を歩いてみて、Google Cloud が AI 活用に大きな力を入れていることを強く感じました。
さまざまな業界の課題に寄り添うソリューションが紹介されていて、とても印象的でした。

また、各ブースでは担当者の方が丁寧にご対応くださり、技術的な背景や導入の可能性について直接お話を伺えたのも大きな収穫でした。
AI の活用を具体的なソリューションに落とし込み、それを体験できたのは貴重な経験です。

インフラと AI が両輪となって企業変革を支える未来を垣間見ることができた、非常に有意義な時間でした。
来年の Next Tokyo も今から楽しみです。



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