水曜日, 5月 21, 2025
ホーム投資【IR分析 #389】 クリーク・アンド・リバー社(4763) ーいまの株価は割安か? 「いい銘柄を、安いときに買う」ためのIR情報分析 【2025.2期】"ちょこっとIR" ーいい銘柄を安いときに買うためのIR情報分析

【IR分析 #389】 クリーク・アンド・リバー社(4763) ーいまの株価は割安か? 「いい銘柄を、安いときに買う」ためのIR情報分析 【2025.2期】"ちょこっとIR" ーいい銘柄を安いときに買うためのIR情報分析

🧠 概要:

概要

この記事は、クリーク・アンド・リバー社(4763)の株価分析に焦点を当てたIRレポートです。会社の業績、成長分野、売上、利益予想、市場評価の分析を通じて、現在の株価が割安かどうかを検討しています。特に、IR情報を基にした分析を行い、投資家が企業の評価を理解できるようにしています。

要約ポイント

  • 企業概要: クリーク・アンド・リバー社は、多様なプロフェッショナル人材を支援する総合人材企業で、クリエイティブ業界などでの人材派遣やコンテンツ制作を行っている。
  • 業界状況: ゲーム業界や医療分野などでの需要変動に対応し、M&Aを通じてポートフォリオの強化を図っている。
  • 業績: 2025年2月期は売上高が過去最高を更新したが、営業利益・純利益は前年同期を下回った。2026年は増収増益を見込む。
  • 利益予想の信ぴょう性: 売上予想は過去の実績を上回るが、純利益予想は楽観的であり信ぴょう性の面で課題が残る。
  • 市場評価: 利益成長に対して市場は慎重な姿勢を見せており、PERは過去と比較して低い水準で割安感がある。
  • 投資判断: 投資家がこの企業に投資するかどうかの判断をしやすくするための情報提供がされている。

【IR分析 #389】 クリーク・アンド・リバー社(4763) ーいまの株価は割安か? 「いい銘柄を、安いときに買う」ためのIR情報分析 【2025.2期】"ちょこっとIR" ーいい銘柄を安いときに買うためのIR情報分析

いい銘柄を、安いときに買うために、増益傾向で市場評価も安定している「いい銘柄」を選んで、いまの株価が「安いとき」かどうかを見極めます。

企業が投資家向けに開示しているIR情報※から、「どんな会社で何がいいのか」を整理したうえで、例年の市場評価を基に割安水準を分析します。

IR情報は事実情報として有益ですが、難解で量も多いので、個人投資家が本来知るべき情報をストーリーでわかりやすく簡潔にまとめました。

個人的な予想や見解、銘柄推奨ではありません。

(※)有価証券報告書 決算短信 決算説明資料

Q1 どんな会社?

多様な分野で専門人材を支援
プロフェッショナル人材とコンテンツ制作に強みを持つ総合人材企業。クリーク・アンド・リバー社は、クリエイティブ、医療、法曹、会計など多様な分野のプロフェッショナルを対象に、エージェンシー(人材派遣・紹介)やプロデュース(受託・請負)、ライツマネジメント(知的財産の企画・流通)を展開している。

映像・TV・ゲーム・Webなどの分野における人材派遣や番組制作実績に加え、自社でオリジナルコンテンツを開発・販売するなど、業界内でも稀有なビジネスモデルを構築している。設立は1990年、東京都港区に本社を置き、2000年に東証マザーズへ上場(現在はプライム市場上場)。売上構成ではクリエイティブ分野が過半を占め、特に日本国内が中心。

Q2 どんな状況?

業界構造の変化を捉えた分野横断型の展開とM&A戦略
多様な専門領域における需要変動への対応と事業ポートフォリオの強化。業界全体では、ゲーム業界の再編やテレビ局の制作需要に変動が見られる中、同社は医療やAI/DX(人工知能・デジタル変革)など比較的安定成長分野へ軸足を広げている。

韓国ではTV派遣減の影響を受けたが、Webtoon(ウェブ漫画)の需要が伸長。医療分野では営業体制の見直しを通じて、構造改革を推進してきた。中期的には「プロフェッショナルの生涯価値向上」を掲げ、M&A(企業買収)や事業承継を積極展開。2025年3月には手帳大手・高橋書店を含む5社をグループ化し、インキュベーション(新事業創出)事業の拡大も図っている。各分野に対する人材供給機能と制作機能の融合を強みに、持続的成長を志向している。

Q3 業績は?

2025年2月期実績:増収減益
売上高は過去最高を更新したが、営業利益・当期純利益ともに前年同期を下回った。日本のクリエイティブ分野では大手案件縮小や人材紹介の成約長期化、医療分野では構造改革に伴う影響が収益を圧迫。一方で、第2四半期以降は改善傾向が見られ、Webtoonや自社コンテンツなど成長領域への取り組みが進展。海外拠点では韓国の赤字幅が縮小し、今後の黒字転換への足がかりとなっている。

2026年2月期予想:増収増益
売上高・営業利益ともに前年比で2桁成長を見込む。特にゲーム関連ではバンダイナムコとの合弁会社URS Gamesが11ヶ月間の決算寄与を予定しており、売上・利益の拡大に寄与する。医療では紹介事業の回復、AI/DX分野では業務提携の拡大と新サービス展開による収益貢献が期待されている。前年に成長余地を示したインキュベーション領域では、高橋書店のM&A効果を下期に本格的に反映。全8カテゴリで増収、営業利益の二桁成長を掲げており、戦略の進捗が注視される局面である。

次に、株価を決める 「利益(EPS)× 市場評価(PER)」 の要素を詳しく見ていきます。

Q4 予想の信ぴょう性は?

利益の要素については、会社の利益予想の「積極性、信ぴょう性、上ブレ傾向」を確認します。

売上予想は積極的、純利益予想は楽観的だが信ぴょう性はやや高い
売上予想の前年実績比+19%は、異例値を除く過去5期の予想範囲(+5%~+13%)を上回り、積極的な水準といえる。過去5期の達成度は平均97.6%で、信ぴょう性はやや高いと評価できる。上振れと下振れの両面があるが、傾向としてはやや控えめと見なせる。

純利益予想の前年実績比+42%は、異例値を除く過去5期の範囲(+3%~+18%)を大きく超え、非常に楽観的な水準といえる。達成度の平均は101.6%で、信ぴょう性はやや高いと評価できる。振れ幅は大きいが、全体としては上振れ傾向が見られるため、会社予想はやや楽観的な傾向があると考えられる。

Q5 株式市場の評価は?

市場評価の要素ついては、「利益成長との相関、過小評価の傾向、成長期待の高まり」を確認します。

利益拡大に対して慎重姿勢が続く評価構造
EPSが上昇した2022年や2023年にPERが横ばい〜低下しており、利益成長と市場評価の間に逆相関の傾向が見られることから、市場は成長を一過性と捉え慎重に評価していると考えられる。また、5期前と比較してEPSは約2倍に増加しているがPERはむしろ低下しており、市場が利益成長を過小評価している可能性が高い。

このように、PERの動きから市場の評価は利益成長に連動せず、慎重姿勢を維持していることがうかがえる。直近期末のPERは15.82倍であり、20倍基準から見ても割安感がある水準といえる。また、過去5期の安値〜高値PERの範囲内にあり、市場の成長期待が高まっている兆しは見られない。

Q6 何が読み取れるか?

買ってもいいのか? →Q7
これまでの分析をもとに、投資にあたっての期待とリスクを「経営環境・利益の要素・市場評価の要素」の観点で整理します。これにより、この企業に投資するかどうかの判断がしやすくなります。

買うならどのくらいか? →Q8
過去の市場評価(PER)をもとに、この企業固有の評価レンジ(過去5期の安値PERの平均~高値PERの平均)を特定します。これにより、現在の株価が割安かどうかの判断がしやすくなります。

この続きは有料ですが、すべての分析記事が読み放題のメンバーシップ(590円/月)は初月無料ですので、ご登録の上、ぜひ最後までご覧ください。

本記事は開示情報等を基にした客観的な分析を提供するもので特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また期中の業績修正等は反映しておらずリアルタイムの情報ではありません。記載の数値や分析結果は参考情報であり将来の価格や投資成果を保証するものではありません。内容には十分注意を払っていますが誤りが含まれる可能性があります。また情報は予告なく変更・修正される場合があります。有料部分の「買うならどのくらい?」は、過去の業績データや市場評価の傾向を基に理論株価や目安を提示したもので、これらは一般的な投資手法に基づく参考値であり特定の価格や投資行動を推奨するものではありません。また市場環境や業績修正のなどの影響により変動する可能性があります。最終的な投資判断はご自身の責任で慎重に行ってください。投資はリスクを伴いますのでこれらをご理解の上でご利用ください。

Q7 買ってもいいのか?

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◾️どんな記事?有価証券報告書など、有益ながら難解で量も多いIR情報のポイントだけを、同じ形式で、…

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"ちょこっとIR" ーいい銘柄を安いときに買うためのIR情報分析

金融業界で30年以上。資産運用、事業承継、資本政策、IR戦略などに深く携わった経験をもとに、上場企業のIR情報をストーリーでわかりやすく整理・分析。『いい銘柄を、安いときに買う』ために、個人投資家が“本来知るべき情報”を発信します。



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