月曜日, 7月 7, 2025
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ホーム投資【IR分析 #387】 帝人(3401) ーいまの株価は割安か? 「いい銘柄を、安いときに買う」ためのIR情報分析 【2025.3期】"ちょこっとIR" ーいい銘柄を安いときに買うためのIR情報分析

【IR分析 #387】 帝人(3401) ーいまの株価は割安か? 「いい銘柄を、安いときに買う」ためのIR情報分析 【2025.3期】"ちょこっとIR" ーいい銘柄を安いときに買うためのIR情報分析

🧠 概要:

概要

この記事は、帝人株式会社(3401)のIR(投資家向け情報)を分析し、現在の株価が割安かどうかを評価する目的で書かれています。信頼できる銘柄を安値のタイミングで購入するため、企業の情報を整理し、業績、外部環境、そして市場評価などを考慮して分析されています。

要約

  • 帝人の事業内容:

    • 機能素材と医療を主軸とした化学系複合企業。
    • 売上構成比はマテリアル46%、繊維・製品35%、ヘルスケア14%。
  • 市場環境:

    • 主力のマテリアル分野は需要が回復するも、景気減速や価格競争で収益性に課題。
    • 経営資源を収益性の高い分野にシフト中。
  • 業績:

    • 2025年は減収だが事業利益は増益。特別利益により当期利益が黒字化。
    • 2026年は減収減益の予想。
  • 利益予想の信ぴょう性:

    • 売上・純利益予想は保守的で、過去5期の達成度は高め。
  • 市場評価:

    • EPSの上昇にもかかわらずPERが低下しており、市場は利益成長を一時的と見ている。
  • 現在の株価評価:

    • 現在のPERは過去の高値と比べ非常に低く、割安感が強い。
  • 今後の投資判断:

    • 投資をする際の期待とリスクを整理し、株価が割安かどうかを判断する助けとなる情報を提供。
  • 注意点:
    • 記載された情報は過去のデータに基づき、将来の価格や投資成果を保証するものではない。最終的な投資判断は自己責任で行うことが重要。

【IR分析 #387】 帝人(3401) ーいまの株価は割安か? 「いい銘柄を、安いときに買う」ためのIR情報分析 【2025.3期】"ちょこっとIR" ーいい銘柄を安いときに買うためのIR情報分析

いい銘柄を、安いときに買うために、増益傾向で市場評価も安定している「いい銘柄」を選んで、いまの株価が「安いとき」かどうかを見極めます。

企業が投資家向けに開示しているIR情報※から、「どんな会社で何がいいのか」を整理したうえで、例年の市場評価を基に割安水準を分析します。

IR情報は事実情報として有益ですが、難解で量も多いので、個人投資家が本来知るべき情報をストーリーでわかりやすく簡潔にまとめました。

個人的な予想や見解、銘柄推奨ではありません。

(※)有価証券報告書 決算短信 決算説明資料

Q1 どんな会社?

機能素材と医療を柱とする複合型メーカー
帝人株式会社は、マテリアル・ヘルスケアの2事業を中核とする化学系複合企業である。樹脂やアラミド繊維(高強度・耐熱繊維)、炭素繊維などの機能素材から、在宅医療機器や医薬品に至るまで広範な製品を展開しており、自動車・航空機・医療分野において強固な事業基盤を築いている。

2024年3月期の売上構成比は、マテリアル46%、繊維・製品35%、ヘルスケア14%、その他6%。アラミドや炭素繊維は航空機用途や高機能産業資材として世界的に展開しており、在宅医療領域ではCPAP(睡眠時無呼吸症候群治療機器)のレンタルが国内トップクラス。1918年創業、1949年東証上場。本社は東京都千代田区。帝人化成や東邦レーヨンとの統合を経て現在に至る。

Q2 どんな状況?

外部環境変動への対応と構造改革の加速
主力のマテリアル分野では、炭素繊維やアラミドの需要が航空機・自動車業界を中心に回復する一方、欧州・中国の景気減速、価格競争の激化、供給過剰により収益性に課題を抱える。特に北米では複合成形材料の事業から撤退するなど、選択と集中を加速。在宅医療や高機能素材など収益性の高い分野に経営資源をシフトしている。

中期的には川下展開(最終製品領域への展開)やM&Aを通じた周辺領域の取込みを重視し、グループ横断的な機能最適化も進めている。2024年度にはインフォコム、帝人ナカシマメディカル、機能性食品など非中核・非収益事業の売却を断行。ROICやキャッシュ・コンバージョン・サイクル等の指標を重視した経営改革を推進している。

Q3 業績は?

2025年3月期実績:減収増益
複合成形材料の北米撤退などにより売上は減収となったが、マテリアルや繊維・製品の収益性改善、コスト構造改革の進展が寄与し、事業利益は増益を確保。ヘルスケアは減損影響で減益となったものの、在宅医療機器の拡販やその他事業の利益拡大が全体を下支え。さらに、インフォコム株式の売却益を特別利益として計上したことで当期利益は大幅に回復し、前期の赤字から黒字に転換。ROEは6.7%まで改善した。

2026年3月期予想:減収減益
複合成形材料の北米事業撤退の影響が通期で残るため売上は減収を見込む。一方で、マテリアルとヘルスケアでのコスト削減や償却費減少が進展することで、事業利益は前期比で増加する見通し。だが、薬価改定や販売価格下落により当期利益は大幅減益を予想。利益重視の方針を維持しつつも、構造改革の成果を持続させることが課題。

次に、株価を決める 「利益(EPS)× 市場評価(PER)」 の要素を詳しく見ていきます。

Q4 予想の信ぴょう性は?

利益の要素については、会社の利益予想の「積極性、信ぴょう性、上ブレ傾向」を確認します。

売上・純利益ともに保守的だが信ぴょう性はやや高い
売上予想の前年実績比▲14%は、異例値(2021年3月期)を除く過去5期の予想範囲(+2%~+8%)を下回り、保守的な水準といえる。過去5期の達成度は平均98.0%で、信ぴょう性はやや高いと評価できる。やや未達傾向が見られるが、予想水準自体は控えめであり、慎重な姿勢がうかがえる。

純利益予想の前年実績比▲58%は、異例値(2021年3月期)を除く過去5期の予想範囲(▲6%~+21%)を大きく下回り、極めて保守的な水準といえる。達成度の平均は129%で、信ぴょう性はやや高いと判断できる。過去には上振れ傾向が続いており、会社予想は一貫して控えめな傾向があると考えられる。

Q5 株式市場の評価は?

市場評価の要素ついては、「利益成長との相関、過小評価の傾向、成長期待の高まり」を確認します。

利益成長を一時的と見る慎重な市場姿勢が続く
EPSの変動とPERの関係を見ると、2024年3月期にEPSが黒字転換し上昇したにもかかわらず、翌2025年3月期にはPERが大幅に低下しており、逆相関の傾向が見られる。このことから、市場は利益成長を一時的と捉え、慎重な評価を行っていると考えられる。また、5期前と比べてEPSはマイナスから大幅な黒字に転換した一方でPERは低下しており、市場は利益の回復を過小評価している可能性がある。

直近期末のPERは20倍を大きく下回っており、割安感が強い水準にある。過去5期の高値PERと比較しても現在のPERは極端に低く、市場の成長期待が高まっている様子はうかがえない。

Q6 何が読み取れるか?

買ってもいいのか? →Q7
これまでの分析をもとに、投資にあたっての期待とリスクを「経営環境・利益の要素・市場評価の要素」の観点で整理します。これにより、この企業に投資するかどうかの判断がしやすくなります。

買うならどのくらいか? →Q8
過去の市場評価(PER)をもとに、この企業固有の評価レンジ(過去5期の安値PERの平均~高値PERの平均)を特定します。これにより、現在の株価が割安かどうかの判断がしやすくなります。

この続きは有料ですが、すべての分析記事が読み放題のメンバーシップ(590円/月)は初月無料ですので、ご登録の上、ぜひ最後までご覧ください。

本記事は開示情報等を基にした客観的な分析を提供するもので特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また期中の業績修正等は反映しておらずリアルタイムの情報ではありません。記載の数値や分析結果は参考情報であり将来の価格や投資成果を保証するものではありません。内容には十分注意を払っていますが誤りが含まれる可能性があります。また情報は予告なく変更・修正される場合があります。有料部分の「買うならどのくらい?」は、過去の業績データや市場評価の傾向を基に理論株価や目安を提示したもので、これらは一般的な投資手法に基づく参考値であり特定の価格や投資行動を推奨するものではありません。また市場環境や業績修正のなどの影響により変動する可能性があります。最終的な投資判断はご自身の責任で慎重に行ってください。投資はリスクを伴いますのでこれらをご理解の上でご利用ください。

Q7 買ってもいいのか?

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"ちょこっとIR" ーいい銘柄を安いときに買うためのIR情報分析

金融業界で30年以上。資産運用、事業承継、資本政策、IR戦略などに深く携わった経験をもとに、上場企業のIR情報をストーリーでわかりやすく整理・分析。『いい銘柄を、安いときに買う』ために、個人投資家が“本来知るべき情報”を発信します。



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