土曜日, 5月 17, 2025
ホーム投資【IR分析】 東日本旅客鉄道(9020) ーいまの株価は割安か? 「いい銘柄を、安いときに買う」ためのIR情報分析【2025.3期】"ちょこっとIR" ーいい銘柄を安いときに買うためのIR情報分析

【IR分析】 東日本旅客鉄道(9020) ーいまの株価は割安か? 「いい銘柄を、安いときに買う」ためのIR情報分析【2025.3期】"ちょこっとIR" ーいい銘柄を安いときに買うためのIR情報分析

🧠 概要:

概要

この記事は東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)の2025年3月期のIR情報分析を通じて、株価が現在割安かどうかを検討する内容です。会社のビジネス状況や業績、投資家への情報開示などを元に分析されており、個人投資家が「いい銘柄を安いときに買う」ための参考情報が提供されています。

要約(箇条書き)

  • 会社概要:

    • JR東日本は鉄道を中心に、流通、不動産、ITなど多岐にわたる事業を展開。
    • 首都圏を中心とした鉄道網と生活サービスの提供が特徴。
  • 事業状況:

    • コロナからの回復傾向が見られるが、人口減少や働き方の変化に伴い定期利用は減少。
    • モビリティと生活ソリューションの二軸で事業を再構築中。
  • 業績:

    • 2025年3月期は増収増益(全セグメントで前年を上回る)。
    • 2026年3月期も増収が見込まれるが、コスト上昇が心配される。
  • 利益の信ぴょう性:

    • 売上予想は保守的な水準で信ぴょう性が高いと評価。
    • 過去の達成率は高く、実際の利益成長が期待される。
  • 市場評価:

    • 市場は利益改善を慎重に評価しており、PERが過去の平均に比べて低い状態。
    • 割安感が強いものの、成長期待は薄いと指摘。
  • 投資の判断:
    • 投資する際には経営環境や市場評価を考慮に入れる必要がある。
    • 現在の株価が本当に割安かどうかの判断が求められる。

【IR分析】 東日本旅客鉄道(9020) ーいまの株価は割安か? 「いい銘柄を、安いときに買う」ためのIR情報分析【2025.3期】"ちょこっとIR" ーいい銘柄を安いときに買うためのIR情報分析

いい銘柄を、安いときに買うために、増益傾向で市場評価も安定している「いい銘柄」を選んで、いまの株価が「安いとき」かどうかを見極めます。

企業が投資家向けに開示しているIR情報※から、「どんな会社で何がいいのか」を整理したうえで、例年の市場評価を基に割安水準を分析します。

IR情報は事実情報として有益ですが、難解で量も多いので、個人投資家が本来知るべき情報をストーリーでわかりやすく簡潔にまとめました。

個人的な予想や見解、銘柄推奨ではありません。

(※)有価証券報告書 決算短信 決算説明資料

Q1 どんな会社?

鉄道・生活インフラの大手グループ企業
東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)は、鉄道事業を中心に流通、不動産、ITなど幅広い分野を展開する大手企業である。首都圏を中心とした鉄道網と駅ナカ・沿線資産を活用し、モビリティと生活ソリューションの両面から地域と経済を支えている。

鉄道利用を起点にSuica(ICカード)やエキナカ店舗などの生活サービスへ展開し、駅を都市機能の核とする戦略が特徴である。1987年に日本国有鉄道から分割・民営化され設立、上場は1993年。本社は東京都渋谷区に所在。鉄道輸送の収益が全体の約7割を占めるが、不動産や流通など非運輸事業の伸長も顕著。こうした多角化とインフラ基盤を活かし、都市型の生活圏を一体的に構築する企業モデルが強みである。

Q2 どんな状況?

需要回復と構造改革を見据えた事業展開
鉄道業界ではコロナ禍からの回復が進む一方で、人口減少や働き方の多様化に伴う定期利用の減少といった構造的な課題も顕在化している。インバウンド需要は回復基調にあり、地方路線への誘客強化が課題である。

こうした状況下、同社は「モビリティ」と「生活ソリューション」の二軸で事業を再構築している。モビリティ分野では、ホームドア設置や新幹線のドライバレス化推進、羽田アクセス線整備など、安全・快適性と利便性の向上に注力。不動産分野では、高輪ゲートウェイなど重点開発エリアの推進と資産回転型ビジネス強化、Suicaの生活デバイス化による新事業創出に取り組む。これらの施策により、持続可能かつ成長性の高い経営体質の確立を図っている。

Q3 業績は?

2025年3月期実績:増収増益
鉄道利用の回復とエキナカ店舗の好調により、営業収益・当期純利益ともに前年を上回った。全セグメントで増収増益となり、特に運輸事業は定期・定期外ともに利用が伸長。不動産・ホテルではSCや宿泊需要の回復が寄与し、流通・サービスはエキナカや広告収入が伸びた。経費増を収入増が上回り、増益を確保。

2026年3月期予想:増収増益
全セグメントでの増収が見込まれ、とりわけ中央線快速グリーン車導入などによる運輸収入増が牽引役となる。不動産では高輪ゲートウェイ関連の費用増がある一方、販売収入増が貢献。流通・サービスでは広告や訪日客需要による収入拡大を想定。インフレや人件費増といったコスト上昇はあるが、増収による吸収を見込む。

次に、株価を決める 「利益(EPS)× 市場評価(PER)」 の要素を詳しく見ていきます。

Q4 予想の信ぴょう性は?

利益の要素については、会社の利益予想の「積極性、信ぴょう性、上ブレ傾向」を確認します。

純利益予想は控えめだが、全体的に信ぴょう性は高い
売上予想の前年実績比+5%は、異例値(2021年)を除く過去5期の予想範囲(+4%~+32%)内の下位に位置し、やや保守的な水準である。過去5期の達成度は平均97.2%で、信ぴょう性はやや高いと評価できる。近年は2期連続で達成率が100%を超えており、会社予想は現実的な傾向にあるといえる。

純利益予想の前年実績比+1%は、異例値(2021年)を除く過去4期の予想範囲(+7%~+38%)を下回っており、極めて保守的な水準である。過去4期の達成度平均は129.5%で、信ぴょう性は高いと評価できる。毎期の達成度はすべて100%超であり、会社予想は控えめな傾向が強いといえる。

Q5 株式市場の評価は?

市場評価の要素ついては、「利益成長との相関、過小評価の傾向、成長期待の高まり」を確認します。

利益の回復に対して市場評価が伸び悩む慎重な姿勢
利益成長と市場評価の相関性を見ると、EPSが2023年以降急回復する一方でPERは低下しており、逆相関の傾向があることから、市場は利益改善を一時的と見て慎重に評価していると考えられる。また、5期前と比較してEPSは赤字から200円台にまで大幅に改善しているが、PERはむしろ低下しており、市場が利益成長を過小評価している可能性が高い。

市場評価の傾向を確認すると、直近期末のPERは14.89倍と20倍を下回っており、割安感が強い水準にある。さらに、直近のPERは過去5期の安値~高値PERの範囲内にとどまっており、市場の成長期待が高まっている兆しは見られない。

Q6 何が読み取れるか?

買ってもいいのか? →Q7
これまでの分析をもとに、投資にあたっての期待とリスクを「経営環境・利益の要素・市場評価の要素」の観点で整理します。これにより、この企業に投資するかどうかの判断がしやすくなります。

買うならどのくらいか? →Q8
過去の市場評価(PER)をもとに、この企業固有の評価レンジ(過去5期の安値PERの平均~高値PERの平均)を特定します。これにより、現在の株価が割安かどうかの判断がしやすくなります。

この続きは有料ですが、すべての分析記事が読み放題のメンバーシップ(590円/月)は初月無料ですので、ご登録の上、ぜひ最後までご覧ください。

本記事は開示情報等を基にした客観的な分析を提供するもので特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また期中の業績修正等は反映しておらずリアルタイムの情報ではありません。記載の数値や分析結果は参考情報であり将来の価格や投資成果を保証するものではありません。内容には十分注意を払っていますが誤りが含まれる可能性があります。また情報は予告なく変更・修正される場合があります。有料部分の「買うならどのくらい?」は、過去の業績データや市場評価の傾向を基に理論株価や目安を提示したもので、これらは一般的な投資手法に基づく参考値であり特定の価格や投資行動を推奨するものではありません。また市場環境や業績修正のなどの影響により変動する可能性があります。最終的な投資判断はご自身の責任で慎重に行ってください。投資はリスクを伴いますのでこれらをご理解の上でご利用ください。

Q7 買ってもいいのか?

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"ちょこっとIR" ーいい銘柄を安いときに買うためのIR情報分析

金融業界で30年以上。資産運用、事業承継、資本政策、IR戦略などに深く携わった経験をもとに、上場企業のIR情報をストーリーでわかりやすく整理・分析。『いい銘柄を、安いときに買う』ために、個人投資家が“本当に知るべき情報”を発信します。



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