金曜日, 5月 16, 2025
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【IR分析】 東急(9005) のIR情報を整理・分析 ーいまの株価は割安か? 「買うならどのくらい?」を読み解く (2025.3期)"ちょこっとIR" ーいい銘柄を安いときに買うためのIR情報分析

🧠 概要:

記事概要

この記事では、東急株式会社(9005)のIR情報を分析し、現在の株価が割安かどうかを検討しています。企業の業績や市場評価、未来の予想について整理された情報が提供されており、投資判断の参考となります。全体を通して、個人投資家が理解しやすいように要点が絞られています。

要約

  • 企業概要: 東急は鉄道、不動産、小売、ホテルなど多角的な都市インフラサービスを展開している。
  • 事業環境: 都市部の鉄道や不動産市場は人口動態や物価変動に影響を受けやすく、賃貸業などは安定している。
  • 業績状況:
    • 2024年予想: 営業収益・営業利益が過去最高を更新。生活サービスやホテル事業が好調。
    • 2025年予想: 交通利用者の増加により増収が見込まれる一方、不動産販売の減少が懸念される。
  • 利益予想の信ぴょう性: 保守的な売上予想であり、過去5期の達成率が高く信頼性がある。
  • 市場評価: 利益成長に対して市場評価が低く、現在のPERは割安感が強い。
  • 投資判断: これまでの分析を基に、期待とリスクを整理し、株価がどの程度割安かを検討することが可能である。

この情報をもとに、個人投資家は投資するかどうかの判断を行うことが促されている。

【IR分析】 東急(9005) のIR情報を整理・分析 ーいまの株価は割安か? 「買うならどのくらい?」を読み解く (2025.3期)"ちょこっとIR" ーいい銘柄を安いときに買うためのIR情報分析

いい銘柄を、安いときに買うために、増益傾向で市場評価も安定している「いい銘柄」を選んで、いまの株価が「安いとき」かどうかを見極めます。

企業が投資家向けに開示しているIR情報※から、「どんな会社で何がいいのか」を整理したうえで、例年の市場評価を基に割安水準を分析します。

IR情報は事実情報として有益ですが、難解で量も多いので、個人投資家が本来知るべき情報をストーリーでわかりやすく簡潔にまとめました。

個人的な予想や見解、銘柄推奨ではありません。

(※)有価証券報告書 決算短信 決算説明資料

Q1 どんな会社?

多角的都市インフラ企業:暮らしを支える総合生活サービスを展開
東急株式会社は、鉄道、不動産、小売、ホテルなどを幅広く展開する生活総合サービス企業である。首都圏、特に渋谷エリアを基盤に交通インフラを中核としながら、不動産開発や商業施設運営、ホテル・エネルギー事業など、都市の生活を多面的に支えている。

主要な売上構成は生活サービス、不動産、交通の順で構成され、生活サービスが5割を超える。設立は1922年、東急電鉄を母体とし、東京都渋谷区に本社を構える。グループ総体で地域密着型の価値提供を志向し、ICTやエネルギー関連など新領域にも進出している点が特徴。駅直結の商業施設やホテル開発など、交通・都市・生活を一体化したモデルを強みにしている。

Q2 どんな状況?

都市型インフラを取り巻く環境と総合力を活かした戦略展開
都市部の鉄道や不動産を中心とする市場環境は、人口動態の変化や物価・金利の上昇、工事費高騰などに影響を受けやすい。不動産販売業は住宅供給の反動減が懸念される一方、賃貸業は低空室率を維持しており、安定収益源となっている。ホテル事業はインバウンドや国内観光の回復に支えられ、堅調な見通しである。

こうした中で同社は、輸送需要や訪日外国人の増加に対応しながら、全事業で利益創出を図る姿勢を強めている。中長期的には鉄道投資や不動産バリューアップ、商業施設の再開発を中心に5,200億円の投資計画を推進。2027年度までに営業収益1兆1,450億円、当期純利益820億円などの目標を掲げ、持続的成長を志向している。

Q3 業績は?

2024年3月期実績:増収増益
生活サービスやホテル・リゾート事業の好調により、営業収益・営業利益ともに過去最高を更新。特に生活サービスではICTやエネルギー領域がけん引し、不動産賃貸・管理も収益を拡大した。親会社株主に帰属する当期純利益は、営業増益に加え、減損損失の減少が寄与し大幅な増益となった。鉄道は人員回復が進むも、採用や待遇改善による費用増で減益。不動産販売は大型物件の反動減が影響したが、全体としては堅調な業績を維持している。

2025年3月期予想:増収増益
営業収益は交通利用者の増加やホテル需要の継続により増収を見込む。不動産販売の減少による営業減益が予想されるが、その他事業の底堅さにより、当期純利益は小幅増益を維持する見通しである。ホテル部門は稼働率・一室単価ともに改善が見込まれ、東急百貨店やストアは既存店ベースで堅調な伸びを見せる。中期経営計画値と比較しても各項目で上方修正されており、業績面では比較的楽観的な見通しとなっている。利益成長に応じた配当増や、自己株式取得も計画されており、株主還元姿勢も強化されている。

次に、株価を決める 「利益(EPS)× 市場評価(PER)」 の要素を詳しく見ていきます。

Q4 予想の信ぴょう性は?

利益の要素については、会社の利益予想の「積極性、信ぴょう性、上ブレ傾向」を確認します。

売上は慎重、純利益は控えめな予想で信ぴょう性は高い
売上予想の前年実績比+2%は、異例値を除く過去5期の予想範囲(▲4%~+11%)の下限に位置し、保守的な水準といえる。過去5期の売上予想達成度は平均99.6%と安定しており、信ぴょう性は高い。上振れ・下振れの偏りは小さく、会社予想は現実的な傾向が見られる。

純利益予想の前年実績比±0%は、異例値を除く過去5期の予想範囲(▲6%~+151%)の下限に位置し、非常に保守的な水準といえる。過去の純利益達成度は平均124.6%で、信ぴょう性は高い。実績は一貫して上振れており、会社予想は控えめな傾向があると考えられる。

Q5 株式市場の評価は?

市場評価の要素ついては、「利益成長との相関、過小評価の傾向、成長期待の高まり」を確認します。

利益成長と市場評価にギャップが見られる慎重な姿勢
利益成長と市場評価の相関性を見ると、EPSが大きく上昇した2023年以降にPERが一貫して低下しており、逆相関の傾向があることから、市場は利益成長を一過性と見て慎重に評価していると考えられる。また、5期前の赤字から今期予想でEPSは大幅に改善している一方で、PERは高水準から低水準へと推移しており、市場が利益成長を過小評価している可能性がある。

このため、利益成長に対する市場評価には温度差があり、慎重な姿勢が続いているといえる。直近期末のPERは12.5倍と20倍を大きく下回っており、割安感が強い。過去5期の安値PERと高値PERの範囲内にあるが、徐々に水準が切り下がっており、市場の成長期待が高まっている兆しは見られない。

Q6 何が読み取れるか?

買ってもいいのか? →Q7
これまでの分析をもとに、投資にあたっての期待とリスクを「経営環境・利益の要素・市場評価の要素」の観点で整理します。これにより、この企業に投資するかどうかの判断がしやすくなります。

買うならどのくらいか? →Q8
過去の市場評価(PER)をもとに、この企業固有の評価レンジ(過去5期の安値PERの平均~高値PERの平均)を特定します。これにより、現在の株価が割安かどうかの判断がしやすくなります。

この続きは有料ですが、すべての分析記事が読み放題のメンバーシップ(590円/月)は初月無料ですので、ご登録の上、ぜひ最後までご覧ください。

本記事は開示情報等を基にした客観的な分析を提供するもので特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また期中の業績修正等は反映しておらずリアルタイムの情報ではありません。記載の数値や分析結果は参考情報であり将来の価格や投資成果を保証するものではありません。内容には十分注意を払っていますが誤りが含まれる可能性があります。また情報は予告なく変更・修正される場合があります。有料部分の「買うならどのくらい?」は、過去の業績データや市場評価の傾向を基に理論株価や目安を提示したもので、これらは一般的な投資手法に基づく参考値であり特定の価格や投資行動を推奨するものではありません。また市場環境や業績修正のなどの影響により変動する可能性があります。最終的な投資判断はご自身の責任で慎重に行ってください。投資はリスクを伴いますのでこれらをご理解の上でご利用ください。

Q7 買ってもいいのか?

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"ちょこっとIR" ーいい銘柄を安いときに買うためのIR情報分析

金融業界で30年以上。資産運用、事業承継、資本政策、IR戦略などに深く携わった経験をもとに、上場企業のIR情報をストーリーでわかりやすく整理・分析。『いい銘柄を、安いときに買う』ために、個人投資家が“本当に知るべき情報”を発信します。



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