ニューヨークの摩天楼や絶景リゾートなど、素晴らしい眺めは多く存在するが、国際宇宙ステーションほど極めてクールな光景は稀だ。水曜日、写真家としても知られ、無重力コーヒーカップを発明したドン・ペティットが、ISSからオーロラを捉えたタイムラプス動画を公開した。
動画(Xで視聴可能)は約50秒で、ISSが地球を周回する様子が映し出される。27秒頃、左側からオーロラがにじむように現れ、数秒後には蛇行する光の霧が地球を覆い、緑の輝きがまるで映画やゲームのワンシーンのように広がる。最終的にオーロラはフレームアウトし、視点は再び漆黒の宇宙へと戻る。
Changes in attitude, changes in latitude: @Space_Station We rotated 180 degrees and flew backwards for yesterday’s Soyuz docking. This is a bit long but keep watching for the surprise in the middle. pic.twitter.com/UDEp8zKDwE
— Don Pettit (@astro_Pettit) April 9, 2025
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オーロラは幻想的な霧に見えるが、実際は太陽風と地球磁場の相互作用が生む発光現象である。特にコロナ質量放出(CME)の際、放出されたプラズマが磁場を刺激し光を放つ。現在、太陽活動は極大期に近く、“オーロラシーズン”の真っ只中だ。昨年のように、米国本土の南部まで緑のカーテンが現れる可能性も高い。
後ろ向きで宇宙を進む
今回のタイムラプスが撮影できたのは、ISSが“後ろ向き”で飛行中だったためだ。通常はこの姿勢をとらないが、ISSは来訪者を迎える準備をしていた。火曜日に打ち上げられたソユーズMS‑27には、NASAのジョニー・キム飛行士と、ロシアのセルゲイ・リジコフ、アレクセイ・ズブリツキー飛行士が搭乗した。ISSへのドッキングを容易にするため、ISS全体を180度反転させた結果、打ち上げからわずか3時間でドッキングが完了した。
さらに、ISSは意図的に高度をやや下げる。ペティットが投稿で「高度が変われば緯度も変わる」と述べた通り、この操作は頻繁ではないが、ソユーズが来るたびにほぼ必ず行われる。高度を約1キロ下げ、機体を反転させることで、ソユーズは長時間待たされることなく数時間でステーションに接近し、ドッキングできる。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。