ずば抜けて実務能力が高くなくても人より成果を上げられる人は何が違うのか。
今、ビジネスパーソンから経営者まで数多くの相談を受けている“悩み「解消」のスペシャリスト”、北の達人コーポレーション・木下勝寿社長の『「悩まない人」の考え方』と『時間最短化、成果最大化の法則』がベストセラーとなっている。
木下氏は「私は実務能力がずば抜けて高いわけでない。だが①悩んでいる時間の短さと②タスク管理能力の高さだけは突出しているかもしれない」という。①と②にそれぞれ対応したのが上記2冊。そこで「ここ20年以上悩んでいない」という著者を直撃。今回は「頑張っているのに成果が出ない人の最悪のマインドセット」だ。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

【絶対NG】脳が「ゴミ山」と化す最悪のマインドセットとは?Photo: Adobe Stock

リクルート時代の「最悪のマインドセット」

 私がリクルート出身と聞くと、さぞかし大活躍していたと思うだろう。
 だが、私は落ちこぼれ社員だった。

 リクルートから起業して活躍し、書籍を出している人たちと比べば私は間違いなく劣等生に入る。
 なぜ、活躍できなかったのか。

 冷静に振り返ってみると、そもそも実力がなかったこともあるが、「マインドセット」の部分が大きかったと思う。

 私は新卒でリクルートに入社以来、常に社内のライバルを意識していた。
「人より抜きん出る存在になるにはどうしたらいいか」を考え、社内のエース社員に成果を出し続けている方法をヒアリングし、現場でそのノウハウを実践しながら、日々試行錯誤していた。

 だが、頑張っているのに一向に成果が出ない。
 なぜなんだと悔しがっていた。

 だが、その後、起業するまでに、「他人を出し抜いてやろう」「他人より得してやろう」という気持ちを捨ててみた。

 するとなぜだか心がスッキリして、物事がうまくいくようになった。

なんでもうまくいく「最高のマインドセット」とは?

 多くの人は「他人の2倍働いて2倍の給料を得よう」とする。
 これだとなかなか難しい。

 だが、「他人の5倍仕事をして2倍の給料を得よう」とマインドセットを変えると徐々に結果が出るようになった。

 そのとおりやっていくとゴールを外さない。
 真っ当にやっているほうがゴールに早く到達することがわかった。

 このとき大事なのは、業務の整理整頓をせず、どの山を登るか=目標から逆算して考えずに、ただ単にうまくいっていない状況で仕事量を増やしてもメンタルがやられるだけで一向に事態は改善しないことだ。

 これはいわば、キャパ一杯の脳に負の情報を押し込んで自ら「ゴミ山」をつくって息ができなくなっている状況だ。

 これでは成果など出ようはずもない。

 まずは、「他人を出し抜いてやろう」「他人より得してやろう」というマインドを捨て去る。

 そしてどの山を登るか決める。
 その目標から逆算し、現在地を相対的に確認し、今やるべきこと、今やってはいけないことを決める。

 この「やらないことを決める」ことがとても大切だ。

 ここで業務の整理整頓がつくと、脳が「ゴミ山化」せず、真っ白なキャンバスにやるべきことが浮き彫りになってくる。

 この状態で仕事量を淡々と増やしていくと成果が出やすくなる。
 ぜひ今日から新しい「マインドセット」でスタートを切ってみてほしい。

(本稿は『「悩まない人」の考え方――1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』の著者による書き下ろし記事です。)