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概要
この記事は、理学療法士として15年以上の経験を持つ著者が、転職を振り返りながら病院勤務やクリニック勤務のメリット・デメリットを詳述しています。特に、各職場での経験や職場選びの参考にしてもらうことを意図しています。
要約(箇条書き)
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著者の背景
- 理学療法士として15年以上の経験。
- 主観的な意見を含む。
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職場経験の概要
- リハビリ病院、大学関連病院、複数の整形外科クリニック、訪問リハビリの計6箇所で勤務。
- 各職場で最小2年勤務。
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病院勤務のメリット
- 同期や仲間が多く、チーム医療の学びがある。
- 多様な症例に触れ、急性期の患者に対するモチベーション向上。
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病院勤務のデメリット
- 介助が多く、精神的圧力がかかる。
- 自分の意思と異なる部署に配属される可能性。
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クリニック勤務のメリット
- 臨床業務に集中でき、専門性を高めやすい。
- 患者とのコミュニケーションが取りやすい。
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クリニック勤務のデメリット
- 患者数が多く、書類業務が増える。
- 人間関係に注意が必要。
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副業のメリット
- 収入増加、新しいスキル習得。
- 人間関係の広がり。
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副業のデメリット
- 新しい業務を覚える必要がある。
- 責任が増し、体力と時間が必要。
- まとめ
- 経験を通じて成長を感じている。
- 転職には責任が伴うことを認識することが重要。
副業を含め6箇所の職場を経験
資格を取得してから経験した職場を時系列にすると以下の通りです。
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リハビリ病院(急性期、回復期など)
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大学関連病院(急性期、回復期、外来、小児など)
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整形外科クリニック①(介護保険事業も併設)
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整形外科クリニック②
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整形外科クリニック③
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訪問リハビリ(診療所)
1箇所につき少なくとも2年以上は勤務しています。整形外科クリニック③と、訪問リハビリ(診療所)は、常勤勤務のクリニックと掛け持ちで勤務していました。転職理由は、主に理学療法士としてのステップアップのためです。それぞれの転職のタイミングで付随する理由もありました。就職場所については、一番興味のある分野の施設に就職することが望ましいですが、ぼんやりしていた私自身は、上記の順でよかったと思います。
【病院勤務】メリット・デメリット
病院勤務は、資格取得後〜6年間程度です。
病院勤務でよかったこと
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同期入職を含めリハビリ職の仲間が多い
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一つの勤務地で様々な症例を勉強できる
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急性期や回復期では患者さんの回復がめざましく、モチベーションが向上する
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組織の仕組みがわかる
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医師を含めた、他職種と関わることができ、チーム医療を学べる
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病院の種類にもよるが、入院患者さんの自宅退院までの支援を学べる
病院勤務で大変なこと
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疾病の発症直後や手術直後の患者さんなど、介助量が多くなる傾向がある
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自分が望まない部署(訪問、外来など)の専任になることがある
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院内の委員会の参加など、付随業務がある
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学生・新人指導に時間を費やし、残業時間が長くなることがある
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生命維持のリスクがある患者さんも多く、心理的に辛くなることがある
ある程度規模の大きな病院(手術も行っている、など)であれば、とにかく多くの症例を経験できることが最大のメリットであると思います。学生指導や新人指導については、臨床教育で重要なことであるため、一概にデメリットとは言えないと思います。(自分もかなりお世話になりました)
介助量については、脳血管疾患病棟で大きくなる傾向にありました。新人の頃は、一日で全身筋肉痛になった記憶があります。そして、移乗動作が大得意になりました。手術後の患者さんへの介入時は、点滴、ウロバッグ、ドレーンなど、絶対抜いてはいけない管の数々もあり、かなり神経を使っていた記憶があります。
回復期では、自宅退院される方が多く、実際に家屋調査や外出訓練なども行いました。ソーシャルワーカーや患者さん家族、ケアマネとの連絡も必要であり、社会性も身についたと思います。一方で、病状が不安定な方を担当することもあります。前日まで会話していた方が、急変し、翌日には亡くなられていたなど、精神的に辛い場面もありました。先輩のフォローもあり何とか業務は継続できていましたが、やはり病院というところはそういう場所である、と改めて実感ました。
同僚、先輩、他職種など、相談できるスタッフがいることは大変ありがたいことでした。仲間が多くて楽しかった記憶もあります。
【クリニック勤務】メリット・デメリット
病院勤務をする中で、整形外科疾患、外来業務に興味を持つようになり、クリニックへ転職しました。
クリニック勤務でよかったこと
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臨床業務(患者さんの治療)にほぼ専念できる
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疾患がある程度絞られるため、専門性が身に付く
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基本的に自宅生活を送ることができている人が対象であるため、介助量が少ない傾向にある
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比較的マイペースに仕事ができる
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医師や看護師とのコミュニケーションがとりやすい
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いつの間にかレントゲン画像が読めるようになっている
クリニック勤務で大変なこと
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受け持ち患者の人数が多く、書類業務に時間を費やす
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病院と比較すると小規模な場合が多く、職員数も少ないため、人間関係を拗らせると働きづらくなる可能性がある
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一日で取得する単位数が必然的に多くなり、時間に追われる感覚においちいる
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患者さんが来院をやめてしまうことがあり、治療効果が今ひとつわかりにくいことがある
クリニックでの外来リハビリはとにかく目まぐるしく、一日があっという間に過ぎる感覚があります。しかし、基本的に業務内容がシンプルであるため、自分で時間をコントロールできるイメージです。付随業務はほぼありません。
治療については、ある程度、自分の治療軸ができていると非常にやりがいを感じられます。一方、途中で来院しなくなる患者さんもいるため、治療効果がわかりにくいこともあります。
とにかく接する患者さんが多く、コミュニケーション能力はものすごく鍛えられます。患者さんから得られるものも多いです。(いろいろな意味で)
【番外編】副業のメリット・デメリット
クリニックで常勤勤務をしている際に、合計2箇所でのかけもち勤務をしていました。双方とも、理学療法士としての現場の仕事です。
副業してよかったこと
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収入が増える
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新鮮な気持ちで働くことができる
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あらたなスキルを身につけられる
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人間関係を広げることができる
副業で大変なこと
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仕事を覚える必要がある
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受け持ち患者さん(利用者さん)が増えることになる
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取得単位数を考慮する必要がある
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体力と時間が必要
副業で一番のメリットは、やはり収入面とスキルアップでしょうか。私は、クリニックの休診日を利用して勤務していました。(常勤勤務、非常勤勤務双方の職場に許可を得たうえです)労働時間の問題や、自動車や原付を利用のため交通事故の可能性など、注意すべき点もありました。また、1週間の取得単位数も考慮する必要があるかと思います。また、受け持ち患者(利用者)が増えるということは、それだけ責任も増えるということになります。
クリニックと訪問リハビリを兼務していた時は、クリニックでは治療効果を、訪問リハビリでは状態の維持することの重要性を、同時に学ぶことができました。
人間関係については、その時期、一人職場の勤務であったため、同職種の仲間に会えるのが嬉しかったです。今思えば逃げ場のようになっていたかもしれませんが、結果として、双方とも長く勤務することができました。
職場の理解と、体力、時間に余裕がある場合は、ダブルワークもプラスになるかもしれません。
終わりに
今までの経験を簡単にまとめてみました。『メリット・デメリット』という言い方をしていますが、結局は人それぞれ捉え方は異なると思います。私自身、現在は1つの職場で9年ほど勤続していますが、様々な職場を経験することで理学療法士としても、人間としても成長してきたかも!?と自信を持てるようになりました。時に凹むことはあっても、前向きに働けていると思います。しかし、転職する上で、どうしても対象者やそのご家族、他スタッフに負担をかけてしまいます。副業であったとしても、業務には責任が伴うことは忘れてはなりません。
転職を通し、理学療法士は、どのような場所でも、『よくしたい!』という気持ちがあればやりがいを持って働ける仕事であると感じました。迷いながら、経験を積みながら、向上心を持ち続けられる場所を見つけられれば良いのでは、思います。
長文になりましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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