パナソニックの完全ワイヤレスイヤフォンの最上位モデル「Technics EAH-AZ100」。高音質ということで人気があった「Technics EAH-AZ80」の音質にさらに磨きをかけ、ノイズキャンセリング機能も強化している点が特徴。実売価格は3万9,000円前後。色は写真のブラックのほか、シルバーが用意されている

 パナソニックがTechnicsブランドで展開している完全ワイヤレスイヤフォンの最上位モデル「EAH-AZ100」が1月に登場した。完全ワイヤレスイヤフォンにおいて、初めて磁性流体を用いたドライバーを搭載するなど新次元の高音質を追求しているという点、最高クラスのノイズキャンセリング機能も持つというふれこみから、その実際の性能が気になっているという人は多いのではないだろうか。

 音質のチェックなどは家電量販店などに設置されている試聴機で行なうことができるが、ノイズキャンセリング機能の効果を店頭できちんとチェックすることは難しい。そこで、今回は筆者が実際に購入したEAH-AZ100で、日常シーンにおけるノイズキャンセリング機能の効果を徹底的にチェックして、その結果をお伝えしたい。

 なお、筆者もそうであるが、ソニーの大ヒットモデル「WF-1000XM5」を所有していて、それらから買い替えるか悩んでいる人も多いと思われるので、今回はWF-1000XM5と徹底比較している。また、前世代の最上位モデル「EAH-AZ80」からの買い替えを検討している人もいると思われるので、これも比較対象に加えた。

Technics EAH-AZ100の主な特徴

 まずはEAH-AZ100の仕様について簡単に解説しておこう。本体の大きさはノイズキャンセリング機能を搭載したカナル型タイプでは最小クラスだ。重さも約5.9g(片側のみ)と最軽量クラス。人間工学を突き詰めたという「コンチャフィット形状」で耳に心地よくフィットすることも特徴。実際、軽い上、耳に負担なく装着できるため長時間装着していても不快感は生じない。

パナソニックはワイヤレスイヤフォンのフラグシップモデルとなる「EAH-AZ100」。音質だけでなくノイズキャンセリング機能も強化されている

左がEAH-AZ100、右が前世代の最上位モデルEAH-AZ80。EAH-AZ100はEAH-AZ80と比較すると、本体体積が約10%小さくなっており、重量は約7gから約5.9gと1.1gほど軽量化している

 イヤフォンの充電は付属の充電ケースで行なう。イヤフォン本体で最大約10時間の連続再生が可能。充電ケース込みでは最大約28時間の再生が可能。ノイズキャンセリング機能をオフにすればより長時間の再生が可能となる。最新の製品だけあり、バッテリ性能はかなり高い。15分の充電で約90分の連続再生が可能となる急速充電にも対応している。

アルミ製ヘアライン仕上げの充電ケースは高級感がある。サイズは幅5.8cm×奥行2.2cm×高さ3.4cm(実測値)

左がWF-1000XM5、中央がEAH-AZ100、右がEAH-AZ80。EAH-AZ100は本体、充電ケースともにかなりコンパクトであることが分かる

自分の耳に合うイヤーピースを選択することが重要

 EAH-AZ100には、「XS」、「S」、「M」、「ML」、「L」サイズのイヤーピースが付属している。自分の耳に最適なサイズのイヤーピースを選択しないと、音質もノイズキャンセリングも最良の状態にならないので注意が必要だ。専用アプリ「Technics Audio Connect」の「最適なイヤーピースを選ぶ」機能を使えば、付属のイヤーピースの中から自分の耳に最もフィットするイヤーピースを判定してくれるので、まずはこれを実行する。Technics Audio ConnectはiOS版とAndroid版が用意されている。

 測定は各サイズのイヤーピースをとっかひっかえ測定するのだが、筆者の場合は右耳の推奨サイズが「ML」、左耳の推奨サイズが「L」と判定された。このように、人によっては両方の耳で違うサイズのイヤーピースが最適な場合があるので、この作業は必ず実行したほうがよい。なお、イヤーピースをしっかりと耳に押し込んで装着しないと正しく測定されないので要注意だ。

 イヤーピースを推奨サイズに変えると、標準のMサイズを装着した状態と比較して、音質もノイズキャンセリングの効き具合も確実に向上した。最適なサイズのイヤーピースを使用した上、適切に耳に装着することではじめてEAH-AZ100の性能が最大限発揮されるので、イヤーピースの選択とイヤフォンの装着にはくれぐれも気を付けたい。

標準でイヤフォンに装着されているイヤーピースはMサイズ。そのほか、「XS」、「S」、「ML」、「L」サイズのイヤーピースが付属する

専用アプリ「Technics Audio Connect」の「最適なイヤーピースを選ぶ」機能を使えば、自分の耳の大きさに合ったイヤーピースを正しく選択できる

各サイズのイヤーピースをとっかえひっかえ測定した結果、筆者の場合は右耳の推奨サイズが「ML」、左耳の推奨サイズが「L」と判定された

解像度が高く、幅広い音楽が楽しめる音質

 音質やノイズキャンセリングの検証には、ソニーのAndroidスマホ「Xperia 5 IV」を使用。Bluetoothのオーディオコーデックは音質を優先して「LDAC」を選択した。

 EAH-AZ100の音質面での注目点は、実売価格で15万円以上はする同社有線イヤフォンのフラグシップモデル「EAH-TZ700」と同じ技術の「磁性流体ドライバー」が搭載されていること。パナソニックによれば、磁性流体ドライバーは磁性流体とエッジで振動板を安定して支えることができるため、振動板の大きな振幅から高速で小さな振幅まで正確な動作が可能で、超低域から高域までの広帯域で原音に忠実な再生ができるという。

 実際に、EAH-AZ100を聞いてみると、その音の良さに驚く。たとえば、大編成の交響曲を聞いても、小さい音から大きい音まではきっちり再現されるので、多種多様な楽器によって構築された壮大な音空間がきちんと描き出される。交響曲が気持ちよく聴けるワイヤレスイヤフォンは稀有だ。

 アコースティックギターなどの生楽器の音の再現もすばらしい。低音がしっかり出ているので少人数編成のロックなども気持ちよく聴ける。まさに幅広い音楽に対応する1台と言っても過言ではない。EAH-AZ80と比較すると明らかに音質が向上しているので、EAH-AZ80ユーザーはぜひ、家電量販店などで視聴してみてほしい。

 なお、数あるワイヤレスイヤフォンの中でもソニーのWF-1000XM5はトップクラスの音質であるが、それと比較してもEAH-AZ100はまったく見劣りしない。解像度が高く、低音から高音までしっかり出ているので、音の再現性という面ではむしろ勝っている。

 ただし、WF-1000XM5は音楽を楽しく聞けるようなチューニングが施されており、ロックやポップスを迫力ある音で楽しみたいという人には、WF-1000XM5のほうが好ましく感じられるかもしれない。ちなみに筆者はロックからクラシックまで幅広い音楽を聞くので、WF-1000XM5をお蔵入りさせ、現在、EAH-AZ100をメインとして使用している。

家の中でノイズキャンセリング機能を検証

 今回は家の中、電車の中、新幹線の中、喫茶店においてEAH-AZ100のノイズキャンセリング性能を試してみた。音楽再生には前述の通り、LDAC接続したソニーのAndroidスマホ「Xperia 5 IV」を使用。アコースティックギター1本の弾き語り曲と音数の多いロックではノイズキャンセリング有効時の周囲の音の聞こえ方が変わるため、音楽再生時のノイズキャンセリング効果はその両方で検証している。

音楽再生はLDAC接続したソニーのAndroidスマホ「Xperia 5 IV」で実行。ボリュームは家の中では「6割の位置」。そのほかの場所では「7割の位置」に設定した

 家の中でノイズキャンセリング機能を比較した結果は下の表にまとめた通りだ。

【表1】室内でノイズキャンセリング機能をチェック(ボリューム60%設定)
真横に置いた自作PCのファンの音
(30~38dB)
強風にしたエアコンの音
(43~49dB※1)
背後で掃除している掃除機の音
(50~62dB※1)
Technics EAH-AZ100
音楽なし
ほぼ聞こえない かすかに聞こえる 高音のシャーという音が聞こえる
Technics EAH-AZ100
音楽あり(アコギ弾き語り)※2
全く聞こえない 全く聞こえない かすかに聞こえる
Technics EAH-AZ100
音楽あり(ロック)※3
全く聞こえない 全く聞こえない 全く聞こえない
Technics EAH-AZ80
音楽なし
そこそこ聞こえる ほかより少し大きめに聞こえる 高音のシャーという音が聞こえる
Technics EAH-AZ80
音楽あり(アコギ弾き語り)※2
かすかに聞こえる かすかに聞こえる かすかに聞こえる
Technics EAH-AZ80
音楽あり(ロック)※3
全く聞こえない 全く聞こえない ほぼ聞こえない
WF-1000XM5
音楽なし
ほぼ聞こえない かすかに聞こえる 高音のシャーという音が聞こえる
WF-1000XM5 音楽あり(アコギ弾き語り)※2 全く聞こえない 全く聞こえない かすかに聞こえる
WF-1000XM5 音楽あり(ロック)※3 全く聞こえない 全く聞こえない 全く聞こえない

※1騒音の値はスマホアプリ(騒音測定器)で簡易的に計測した参考値 ※2 ニールヤングのHelpless  ※3 ザ・ローリングストーンズのRocks Off

 まず真横に置いた自作PCのファンの音(30~38dB)が消えるか試してみた。EAH-AZ100は音楽を再生していない状態でもほぼ聞こえなくなり、アコースティックギターの曲を再生するとまったく聞こえなくなる。対して、EAH-AZ80は音楽なしだとファンの音がそこそこ聞こえるし、アコースティックギターの曲を再生してもかすかに聞こえてくる。ただし、ロックを再生すると音は聞こえなくなった。WF-1000XM5は表にまとめた通り、EAH-AZ100と同等の感じであった。

 次にエアコンの音(43dB~49dB)が消えるか、エアコンの送風を「強」にした状態で、ちょうど真下あたりで試してみた。これもPCのファンの音と同様で、ややEAH-AZ80のノイズキャンセリング性能が劣る感じとなった。

 次に背後で掃除をしている掃除機の音(50dB~62dB)が消えるか試してみた。3機種ともアコースティックギター曲の再生だと、高音のシャーという音がかすかに聞こえる。ロックを流すとEAH-AZ100とWF-1000XM5はまったく聞こえなくなり、EAH-AZ80はほぼ聞こえなくなる。表の通り、EAH-AZ100とWF-1000XM5はほぼ同等のノイズキャンセリング機能を持つが、WF-1000XM5はやや高音の打ち消しが甘く感じた。EAH-AZ80はほかの2機種よりノイズキャンセリングがやや劣るという感じだ。

電車でノイズキャンセリング機能を検証

 通勤、通学にワイヤレスイヤフォンを利用している人も多いだろう。次に、電車内でもノイズキャンセリング機能を検証してみることにした。検証したのは東京メトロの地下鉄日比谷線の電車内で、時間帯は午後。検証結果は下の表にまとめた通りだ。

【表2】電車内でノイズキャンセリング機能をチェック(ボリューム70%設定)
地下鉄日比谷線の車内
(66~79dB※1)
電車の走行音 車内アナウンス 1m先で会話している人の声
Technics EAH-AZ100
音楽なし
半減する感じだが聞こえる それなりに大きく聞こえる 少し気になるくらいは聞こえる
Technics EAH-AZ100
音楽あり(アコギ弾き語り)※2
少し気になるくらいには聞こえる かすかに聞こえる かすかに聞こえる
Technics EAH-AZ100
音楽あり(ロック)※3
全く聞こえない 全く聞こえない 全く聞こえない
Technics EAH-AZ80
音楽なし
半減する感じだがよく聞こえる 内容が聞き取れる程度に聞こえる 内容は聞き取れないが聞こえる
Technics EAH-AZ80
音楽あり(アコギ弾き語り)※2
それなりにうるさく感じる アナウンスが流れていると分かる かすかに聞こえる
Technics EAH-AZ80
音楽あり(ロック)※3
全く聞こえない かすかに聞こえる 全く気にならなくなる
WF-1000XM5
音楽なし
半減する感じだが十分聞こえる そこそこよく聞こえる 内容は聞き取れないが聞こえる
WF-1000XM5 音楽あり(アコギ弾き語り)※2 気になるくらいには聞こえる アナウンスが流れていると分かる かすかに聞こえる
WF-1000XM5 音楽あり(ロック)※3 全く聞こえない かすかに聞こえる 全く聞こえない

※1 騒音の値はスマホアプリ(騒音測定器)で簡易的に計測した参考値 ※2 ニールヤングのHelpless  ※3 ザ・ローリングストーンズのRocks Off

 EAH-AZ100は耳に装着しただけで電車のうるさい走行音が半減する。静かな曲を聴いている時は走行音が多少気になる感じで聞こえるが、ロックなどの激しい曲を聴いている時はまったく気にならなくなる。車内アナウンスは静かな曲を聴いている時はかすかに聞こえる程度で、ロックを聴いている時はまったく聞こえない。1mくらい離れて会話している人の声もロックを聴いているとまったく聞こえない。

 対して、EAH-AZ80はロックを聴いているときは走行音が気にならないが、静かな曲を聴いているときは走行音がそれなりにうるさく感じられる。静かな曲を聴いているときはアナウンスの音も聞こえてくる。やはり、EAH-AZ100と比較するとノイズキャンセリングの効きが少し甘いようだ。

 WF-1000XM5は、ロックを聴いているときは走行音が気にならないが、静かな曲を聴いているときは走行音(とくに高音)が気になるくらいには聞こえてくる。静かな曲を聴いているときはアナウンスの音も流れていることは分かる。

新幹線でノイズキャンセリング機能を検証

 旅行や出張で新幹線をよく利用する人の中には、新幹線でのノイズキャンセリングの効き具合が気になる人もいるだろう。今回は東海道新幹線「のぞみ」の車中でもノイズキャンセリング機能を試してみた。検証結果は下の表にまとめた通りだ。

【表3】新幹線内でノイズキャンセリング機能をチェック(ボリューム70%設定)
東海道新幹線の窓際席
(騒音レベル : 65~88dB※1)
新幹線の走行音 前列の席の話し声
Technics EAH-AZ100
音楽なし
半減する感じだが十分聞こえる そこそこ大きく聞こえる
Technics EAH-AZ100
音楽あり(アコギ弾き語り)※2
気にならない程度になる 気にならない程度にかすかに聞こえる
Technics EAH-AZ100
音楽あり(ロック)※3
ほぼ聞こえない 全く聞こえない
Technics EAH-AZ80
音楽なし
音が少し小さくなる感じ 気になるレベルで聞こえる
Technics EAH-AZ80
音楽あり(アコギ弾き語り)※2
それなりに大きく聞こえる 少し気になる程度に聞こえる
Technics EAH-AZ80
音楽あり(ロック)※3
若干気になる程度になる かすかに聞こえる
WF-1000XM5
音楽なし
半減する感じだが十分聞こえる そこそこ大きく聞こえる
WF-1000XM5 音楽あり(アコギ弾き語り)※2 若干高周波の音が気になる程度になる 気にならない程度にかすかに聞こえる
WF-1000XM5 音楽あり(ロック)※3 ほぼ聞こえない 全く聞こえない

※1 騒音の値はスマホアプリ(騒音測定器)で簡易的に計測した参考値 ※2 ニールヤングのHelpless  ※3 ザ・ローリングストーンズのRocks Off

 東海道新幹線の窓側の席はかなり走行音がうるさい。しかし、EAH-AZ100を装着すると音が半減する。それでも少々うるさく感じされるが、静かなアコースティックギターの弾き語り曲でも、音楽を再生するとほぼ気にならなくなる。ロックだと走行音が気にならなくなるので音楽に集中することができた。前の列の席に、よくしゃべる親子づれがいたのだが、静かな曲でも気にならない程度になり、ロックを再生した場合はまったく気にならなくなった。

 なお、上表の通り、WF-1000XM5もほぼ同等の性能に感じられたが、やはり走行音の高周波の音が消え切らない点が少々気になった。

 一方、EAH-AZ80は上表の結果の通り。ほかの2機種の比べると若干落ちるように感じた。しかし、今回は音量を7割くらいで試したのだが、8割くらい(筆者の間隔だと少し音が大きいと感じるレベル)にするとロックを再生した場合は周囲の音がまったく気にならなくなった。

喫茶店でノイズキャンセリング機能を検証

 喫茶店などの店内で隣の話し声がうるさくて仕事や読書などに集中できないときがある。そういう場合もノイズキャンセリングイヤフォンは有効である。喫茶店で周りの話声がどれだけ消えるかも検証してみた。検証したのは東京駅近くのオフィスビルの喫茶店。ちょうど60cmくらい離れた席に打ち合わせをしているらしき男女がいたので、その話し声が消えるか試してみた。結果は以下の表の通りだ。

【表4】喫茶店でノイズキャンセリング機能をチェック(ボリューム70%設定)
オフィスビルの喫茶店
(55~75dB※1)
店内の各種雑音 テーブルの距離が60cmくらいの男女の話声
Technics EAH-AZ100
音楽なし
半減する感じだが各所の物音が聞こえる 内容が聞き取れる
Technics EAH-AZ100
音楽あり(アコギ弾き語り)※2
ほぼ聞こえない かすかに聞こえる
Technics EAH-AZ100
音楽あり(ロック)※3
全く聞こえない 全く聞こえない
Technics EAH-AZ80
音楽なし
音が少しだけ小さくなる感じでよく聞こえる 内容が聞き取れる
Technics EAH-AZ80
音楽あり(アコギ弾き語り)※2
ほぼ聞こえない 少し気になるレベルで聞こえる
Technics EAH-AZ80
音楽あり(ロック)※3
全く聞こえない かすかに聞こえる
WF-1000XM5
音楽なし
半減する感じだが各所の物音が聞こえる 内容が聞き取れる
WF-1000XM5 音楽あり(アコギ弾き語り)※2 ほぼ聞こえない 気になる程度に聞こえる
WF-1000XM5 音楽あり(ロック)※3 全く聞こえない ほぼ聞こえない

※1 騒音の値はスマホアプリ(騒音測定器)で簡易的に計測した参考値 ※2 ニールヤングのHelpless  ※3 ザ・ローリングストーンズのRocks Off

 EAH-AZ100は、耳に装着すると店内の音が半減した感じとなる。ただし、すぐ近くの会話の声は内容が分かるくらいに聞こえる。静かなアコースティックギターの弾き語り曲を再生すると、店内の音はほぼ聞こえなくなるし、すぐ近くの会話もかすかに聞こえる程度になる。ロックを再生すると周りの音は会話も含めまったく気にならなくなった。

 WF-1000XM5もほぼ同等の性能に感じられたが、ロックを再生しても隣り席の話声はEAH-AZ100よりもやや消えない感じであった。

 EAH-AZ80は、ほかの検証と同じでほかの2機種と比較するとややノイズキャンセリング性能が弱く感じられたが、ロックを再生した場合は周囲の音が気にならない程度まで消された。

 総括すると、今回試した限りでは、ノイズキャンセリング性能はEAH-AZ100とWF-1000XM5がほぼ同等、EAH-AZ80がやや落ちるという感じだ。ただし、今回の結果は最上クラスの中での話で、1万円程度の格安ワイヤレスイヤフォンのノイズキャンセリング性能と比較したら、EAH-AZ80のノイズキャンセリング性能は格段に高いことは記しておきたい。

全方位隙のないEAH-AZ100は選んで後悔なし

 なお、ワイヤレスイヤフォンでは接続性も重要だ。頻繁に接続が切れると音楽を聴くことが嫌になってしまう。そこで、東京メトロの日比谷線や三田線の電車内、銀座、東京、秋葉原など人の多い場所で、ソニーのAndroidスマホ「Xperia 5 IV」を使用して、EAH-AZ100、EAH-AZ80、WF-1000XM5の接続性を試してみた。

 結果は3機種とも音が途切れることはなかった。少ない時間の検証なので、絶対に接続が切れないとは言い切れないし、機器との組み合わせで変わることは考えられるが、少なくとも3機種ともとくに接続性に深刻な問題はないとは言ってよいと思われる。

 今回検証してあらためて確信したが、EAH-AZ100は、音質、ノイズキャンセリング性能、接続性、そのすべてがハイレベルで、非常に完成度が高い。価格は実売で3万9000円前後とやや高めだが、その価値は十分にある。これから高音質でノイズキャンセリング性能が高く、使い勝手がよいワイヤレスイヤフォンが欲しいという人はEAH-AZ100はおすすめだ。

 なお、ソニーのWF-1000XM5ユーザーの場合、ノイズキャンセリング性能だけを見ると買い替える意味はないと思われるが、筆者のように交響曲などのクラシックを聴きたいなら乗り換える価値はある。この点は音質が好みに合うかどうかだ。

 EAH-AZ80ユーザーの場合は、EAH-AZ100に乗り換えると、音質、ノイズキャンセリング性能ともに向上することは間違いないが、新たに4万円近くの予算を割く価値があるかどうかというと正直微妙だ。実際に試聴してみて判断することをおすすめする。



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