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概要
安田倉庫(9324)は、物流と不動産の二輪駆動戦略を持つ、創業116年の総合ストレージ企業。2025年3月期は、売上高7,511億円(前期比+11.5%)、営業利益35.1億円(+32.9%)を達成した。累進配当方針を採用しており、1株配当は35円に増配。今後は新中計「YASDA GROUP CHALLENGE 2027」に基づき、海外事業や医薬・低温物流に注力する計画がある。一方で、有利子負債や景気後退リスクについても注意が必要。
要約(箇条書き)
- 企業名:安田倉庫(9324)
- 設立年:1909年
- 事業内容:
- 物流(倉庫・輸配送・国際貨物)92%
- 不動産(オフィス・倉庫賃貸)8%
- 2025年3月期業績:
- 売上高:7,511億円(前期比+11.5%)
- 営業利益:35.1億円(+32.9%)
- 営業キャッシュフロー:130億円
- 1株配当:35円(増配)
- 資産状況:
- 総資産:2103億円
- 有利子負債:667億円
- 自己資本比率:44.6%
- 成長戦略:
- 海外拠点と医薬・低温物流に注力
- 2027年度ROE目標:8%以上
- リスク要因:
- 物流市況の悪化や利払い負担
- 外注費の増加によるコスト増
- 株価:
- 現在株価:1,830円
- PBR:0.56倍(割安水準)
- 総合評価:
- 安定したキャッシュフローと株主還元(累進配当)を実施中
- 借入依存と景気後退リスクに注意が必要
- 投資方針:
- 投資初心者には分散投資を推奨
- 押し目買いレンジは1,700円~1,750円を検討
本稿は ChatGPT o3(2025年4月リリース・有償版)の生成性能を検証する目的で作成した決算短信分析レポートです。グラフはAIの制約上、表示が崩れる場合があります。必ず一次資料をご確認ください。 公開日:2025年5月27日
目次
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エグゼクティブサマリー
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企業概要
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業績の推移
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セグメント別分析
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関連指標(図表)
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決算短信全般の分析
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直近の経済動向の反映
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同業他社との比較
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今後の見通し
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株価の分析
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総合評価
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まとめ
1. エグゼクティブサマリー
安田倉庫は創業116年の老舗で、物流(倉庫・輸配送・国際貨物)92%/不動産8% の売上構成を持つ総合ストレージ企業です。2025年3月期は売上高7,511億円(前期比+11.5%)、営業利益35.1億円(+32.9%)と増収増益を達成。営業キャッシュフローは130億円に拡大し、累進配当方針 の下で1株配当35円へ増配しました。新中計「YASDA GROUP CHALLENGE 2027」では海外拠点と医薬・低温物流に注力し、2027年度ROE8%以上を掲げます。一方、総資産2103億円に対し有利子負債667億円 とレバレッジは高く、物流市況悪化局面では利払い負担が利益を圧迫するリスクが残ります。現在株価1,830円はPBR0.56倍と割安水準ですが、投資初心者には分散投資と押し目買い を推奨したいところです。
2. 企業概要
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設立:1909年(明治42年)
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本社:東京都港区海岸
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事業内容:
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物流事業(倉庫保管・輸配送・国際貨物取扱)
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不動産事業(オフィス・マンション・倉庫賃貸)
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連結子会社:国内16社、海外10社(インド・中国・ASEAN 等)
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時価総額:約551億円(2025/5/26終値1,815円ベース)Yahoo!ファイナンス
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自己資本比率:44.6%(資本性ローン考慮後49.9%)
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資本政策:配当性向30%以上+総還元性向45%を目安
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ビジョン:「Storage for Value」―顧客の大切な資産を預かり、価値を守り高めること
芝浦・新橋エリアに自社ビル群(延床7万㎡)を持つ不動産部門が**“安定キャッシュの発電機”**となり、物流部門の投資余力を下支えしています。DXでは自動ラック、RFID、AGVを導入し作業効率化を進める一方、インド物流子会社の事業譲受(2024年1月) によって南アジア航路を強化しました。
3. 業績の推移
2025年3月期は、陸運料+国際貨物取扱料の伸長が寄与し売上は2桁成長。一方で外注コスト増を内部改善で吸収し、営業利益率は 4.7%→6.3%。親会社株主帰属当期純利益は28.0億円で過去最高を更新しました。
固定資産投資(冷凍倉庫・自動倉庫)を積極化したため投資CFは▲68.1億円ですが、営業CFが13.0億円→130億円に急増したことでフリーCFは黒字転換しています。
4. セグメント別分析
物流事業(売上構成比92%)
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売上:6,939億円(+12.6%)
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セグメント利益:45.7億円(+36.4%)
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医薬・低温物流:専用倉庫稼働率95%超、粗利率20%台後半
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国際貨物:インドネシア拠点が前年+29%の荷扱量
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課題:2024年問題に伴う陸送外注費+11%
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不動産事業(8%)
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売上:623億円(▲0.2%)
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セグメント利益:18.4億円(▲9.7%)
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芝浦第2ビル改修に伴う稼働低下が影響
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改修後賃料単価は+7%を見込む
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不動産の安定収益がベースキャッシュを生み、物流の先行投資リスクを薄めています。
5. 関連指標(図表)
営業キャッシュフローの推移
図1 営業キャッシュフローの推移
営業CFは2020年のコロナ禍でもプラスを維持し、2025年は13,005百万円へジャンプアップ。背景は①棚卸資産削減による運転資金流入、②減価償却費増加で非資金費用が嵩んだこと。もっとも13,000百万円という突出値は新規倉庫の前受金回収が一時的に寄与しており、来期は60~80億円程度の平常水準に戻る公算が大きい点に注意が必要です。低金利期に仕込んだ長期借入の利払い負担(907百万円)を賄う余力は充分ですが、利上げ局面ではフリーCFが圧縮されるリスクが残ります。
一株あたり純利益(EPS)の推移
図2 EPSの推移
EPSは96.76円(+21.5%)で再び過去最高を更新。ただし営業外収益の受取配当金(2,129百万円)が経常利益の43% を占め、株式相場の影響を受けやすい構造です。今期は株価調整でその他有価証券評価差額金が▲22.5億円減り、包括利益は大幅減となりました。EPS成長を純粋な事業利益で裏打ちできるかが今後の課題です。
一株あたり配当金の推移
図3 一株あたり配当金の推移
9年連続増配を継続し、2025年は35円へ。累進配当方針を掲げつつ、2026年は中間+期末各29円=58円 を予想。配当利回りは3.2%と物流株の中では良好ですが、EPS成長が鈍化すると配当余力が縮まるため、増配ペースの持続可能性は営業利益の積み上げ次第です。
配当性向の推移
図4 配当性向の推移
配当性向は36.2%で過去5年平均23%を大きく上回ります。新中計では連結総還元性向45%を掲げるものの、営業利益成長が鈍化した場合はフリーCFが追いつかず、自己資本比率が低下する恐れ。内部留保と株主還元のバランスに注視が必要です。
6. 決算短信全般の分析
当期は物流量増とコスト削減で営業利益率が6.3%と大幅改善。ROEも5.9%へ上昇したものの、自己資本比率は44.6%と低下傾向。投資有価証券含み益が自己資本の45% を占め、市況下落時のB/S脆弱性が課題です。金利上昇耐性を測るインタレストカバレッジは 14.5倍→十分水準 ですが、借換金利が1%上がると営業利益を年▲4億円押し下げる試算。さらに、資本性ローン含む有利子負債レシオは1.1倍と同業比で高め。総還元性向45%の達成と財務健全性の両立には、不動産賃貸の底上げ と 国際貨物の高収益案件 の確保が不可欠です。
7. 直近の経済動向の反映
トランプ関税再導入観測
5月の米大統領選情勢で浮上した**「トランプ関税」再導入案** は日本発北米向け貨物の駆け込み出荷を招き、国際貨物売上は短期的に潤う見通し。ただし関税発動が現実化すると2026年以降輸出減退リスクが高まり、中国・ASEAN経由の積替需要も落ち込む可能性。安田倉庫の米向け比率は10%弱と小さいものの、高付加価値医薬品 の北米輸送は利益率が高いため影響は無視できません。
国内物流2024年問題
労働時間規制強化でトラック運転手不足が深刻化し、外注運賃は前年比+12%。同社は自動運転EVトラック実証 を進めるものの、量産化まで3~4年を要し、短期的にはコスト転嫁を荷主が受け入れるかが焦点です。
オフィス市況と不動産賃料
都心オフィス空室率は5%台へ改善。芝浦第2ビル改修後の想定賃料単価+7%はインフレ環境下でも保守的な前提で、賃料収入の底上げが期待できます。
8. 同業他社との比較
*総合評価は後述の★5段階評価。
PBR面では割安だが、財務健全性では住友倉庫が一歩上。三井倉庫HDは海運の利益変動が大きく保守姿勢が必要です。
9. 今後の見通し
会社計画(2026年3月期)では売上7,800億円(+3.8%)、営業利益37億円(+5.2%)、EPS113.93円を見込む。投資家の注目は(1)インド新拠点の稼働率、(2)芝浦ビル改修完了後の賃料単価、(3)自動化倉庫の減価償却負担。内外の景気減速を織り込んで営業利益+5%計画は保守的に見える一方、医薬・低温物流の需要が計画以上に伸びれば上振れ余地があります。為替1円円高で営業利益▲0.2億円と感応度は低い点は安心材料です。
10. 株価の分析
終値1,830円(5/27 12:40)は予想PER16.1倍・PBR0.56倍。BPS3,237円対比で44%ディスカウント。過去5年平均PBR0.62倍を下回り、割安水準。配当利回りは3.2%と魅力的ですが、利上げ時の財務負担増と配当性向の急拡大 を勘案し、押し目買い推奨レンジは1,700円~1,750円。2,000円を超える場面では利益確定を検討。初心者は資金を集中させず分散投資で臨むべきです。
11. 総合評価
12. まとめ
安田倉庫は倉庫物流+不動産 のバランスで安定CFを生み、累進配当方針で株主還元を強化中。海外案件と医薬・低温物流の拡大で成長余地を確保しつつも、借入依存と受取配当金依存が残るため景気後退局面ではリスクが顕在化します。株価は含み益リスクを折り込み割安圏にあるものの、1,700円台前半 までの押し目を待ち、中長期で総還元を享受する戦略が現実的と言えるでしょう。
この記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではございません。投資は自己責任でお願いいたします。
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