🧠 概要:
概要
全国保証株式会社(7164)は、住宅ローン保証を主力事業とする独立系の企業で、2025年3月期において増収・増益を達成。営業収益569.7億円、純利益321.0億円を記録し、配当を増配したものの、今後の住宅市場や人口減少によるリスクが懸念されている。総合評価は「中立寄りのやや強気」であり、初級投資家にはエントリー価格の見極めが必要とされる。
要約の箇条書き
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企業概要:
- 全国保証株式会社は1981年設立。
- 住宅ローン保証が主力事業で、地方銀行と提携。
- 時価総額は4,337億円(2025年5月時点)。
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業績の推移:
- 2025年3月期の営業収益は569.7億円(前年比+10.3%)。
- 親会社株主帰属当期純利益321.0億円(前年比+11.4%)。
- 営業キャッシュフロー334.2億円まで拡大。
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セグメント別分析:
- 新規住宅ローン保証が堅調に推移。
- 既存ローン保証の買い取り強化(3社を買収)。
- 周辺ビジネスへの投資も進展。
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関連指標:
- 営業キャッシュフローは10年間で約1.3倍増加。
- EPSはリーマン後から一貫して右肩上がり。
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配当と株主還元:
- 12期連続増配で2025年度は212円(前年比+24%)。
- 配当性向が44.8%に上昇。
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今後の見通し:
- 2026年度の営業収益592億円(+3.9%)、純利益312億円(-2.8%)予想。
- 住宅ローン金利上昇や人口減少リスクが懸念材料。
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株価の評価:
- 現在の株価は3,153円(2025年5月時点)でPER 13.6倍、やや割安。
- 投資妙味はありつつも、高成長期待は抑えめ。
- 総合評価:
- 高収益体質を維持しつつも、マクロ環境の変化に注意が必要。
- 長期インカム投資に適するが、慎重な姿勢が求められる。
本レポートは ChatGPT o3(2025年4月公開の有償版モデル) により自動生成されたものです。掲載データは公開情報を基にしていますが、AIの性質上、誤記や表示不具合が残る場合があります。必ず元資料(決算短信・IR資料・証券会社サイトなど)をご確認ください。特にグラフは画像生成制約により正しく表示されない可能性があります。公開日:2025年5月28日
目次
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エグゼクティブサマリー
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企業概要
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業績の推移
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セグメント別分析
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関連指標
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決算短信全般の分析
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直近の経済動向の反映
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同業他社との比較
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今後の見通し
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株価の分析
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総合評価
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まとめ
1. エグゼクティブサマリー
全国保証は独立系住宅ローン保証会社として、提携金融機関網の広さと保証債務残高の積み上げによるストック型収益を強みとする。2025年3月期は営業収益569.7億円(前期比+10.3%)、親会社株主帰属当期純利益321.0億円(同+11.4%)と二桁増収増益を達成。営業キャッシュフローは334.2億円まで拡大し、連続増配も継続した。もっとも、配当性向は44.8%と上昇が続き、ROEは高位ながら漸減傾向。住宅市場の金利上昇リスクや人口減少に伴う中長期的な新規需要縮小が懸念点となる。本稿では同社株を「中立寄りのやや強気(総合評価★ ★ ★ ★ ☆ 3.8)」と位置付けるが、初級投資家にはエントリー価格の見極めが必須であることを強調する。 IR BANK IR BANK
2. 企業概要
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会社名:全国保証株式会社
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証券コード:7164(東証プライム)
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設立:1981年
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事業内容:住宅ローン保証を主軸とした信用保証事業。2025年3月期より債権回収やCVC投資など周辺事業も推進。
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時価総額:4,337億円(2025年5月27日終値ベース) IR BANK
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特徴
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メガバンク系ではない独立系のため、全国の地方銀行・信金・JAと提携可能。
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返済不能時に住宅を取得せず金融機関に代位弁済するモデルで、安定的な手数料収入を確保。
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株式分割(1→2)を2025年4月に実施し、投資単位を引き下げた。
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株主優待はクオカード等(100株以上)があり、株主還元意識は高い。
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3. 業績の推移
2021〜2025年度の主要指標は下表の通り。営業収益は年平均5%超の伸びを維持し、営業利益率も70%超で推移。高い収益性の源泉は保証料の先取り計上とコスト軽量構造にある。一方、2022年度以降は保証損失引当金がじわり増え、利益成長ペースが鈍化。
営業利益率低下の主因はMI&A費用やシステム投資の増大。とはいえ70%超は依然として同業屈指の高水準だ。
4. セグメント別分析
同社は開示上「信用保証事業」の単一セグメントだが、便宜的に以下3領域へ分解し検証する。
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新規住宅ローン保証(オーガニック成長)
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子育て世帯向けキャンペーンが奏功し、提携行数は前年+5行。
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新規保証承諾高は3.2兆円(+4%)と堅調。
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既存ローン保証買い取り(インオーガニック)
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3社を買収し残高を約1兆円押し上げ。
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買収価格は開示ベースで営業キャッシュフローの約1年分と評価は妥当。
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周辺ビジネス
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CVCを通じスタートアップ4社へ出資。空き家対策や家計データ連携など、長期的に保証事業のリスク低減を狙う。
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以上を踏まえると、基幹事業は成熟期ながらストック残高の厚みが収益を下支えし、周辺事業が将来の収益多角化種になる構図だ。
5. 関連指標
営業キャッシュフローの推移
図1 営業キャッシュフローの推移
営業CFは10年間で約1.3倍に拡大。2019〜2022年度にかけて減少したが、これは定期預金増加と買収支出が一時的に投資CFに回ったためで、2024年度以降は再び増勢。営業収益対CF比率は平均60%台後半と優秀で、保証料収受がキャッシュインに直結するビジネスモデルの強さを示す。足元ではシステム投資が完了フェーズに入り、FCF創出力のさらなる向上が期待される。 IR BANK
一株あたりの純利益(EPS)の推移
図2 一株あたりの純利益(EPS)の推移
EPSはリーマン後も一貫して右肩上がり。2025年度に株式分割前ベースで236.54円に到達し、CAGRは過去10年で約8%。保証事故費用の安定とレバレッジ抑制により、ROEは13%台と前期比改善。ただし、今後のEPS成長は保証債務残高の伸び鈍化と引当金増を背景に低速化する可能性が高い。投資家は2桁成長から中高シングルへの移行を織り込むべきだ。 IR BANK
一株あたり配当金の推移
図3 一株あたり配当金の推移
配当は12期連続増配。2025年度は212円(実績)と前期比+24%。株式分割後の会社計画(2026年度115円)は見た目減配だが実質+8%で増配継続。総還元性向の引き上げを明示し、自己株買い(上限70億円)も実施。今後の注目点は配当余力を測る**自己資本比率48.5%**と引当金の水準。コアビジネスのキャッシュ創出が続く限り、配当減リスクは限定的とみる。 IR BANK
配当性向の推移
図4 配当性向の推移
配当性向は2016年度22%→2025年度44.8%と倍増。業界平均(メガバンク約35%)を上回り、政策的還元重視が鮮明。もっとも、これ以上の引き上げは自己資本規制上の制約がある。今後は増配ペース鈍化も視野に入れ、利益成長と株価のバリュエーション修正が投資リターン源泉となる。 IR BANK
6. 決算短信全般の分析
全国保証の2025年3月期決算短信は、ストック型モデルの安定性と経営の守備力をあらためて裏づける内容となった。営業収益は569億7,200万円(前期比+10.3%)と2ケタ増収を確保し、営業利益は419億7,400万円(同+7.3%)で過去最高を更新した 。増収の主因は (1) 地方銀行を中心にした新規保証承諾高の伸長、(2) 既存保証債務の買い取り(インオーガニック)拡大、(3) 保証債務残高に連動する保証料収入の積み上げである。足元の住宅ローン金利は緩やかな上昇局面だが、借入額の増加が単価押し上げ要因となり、保証料ベースで約3%のポジティブ寄与があった。
営業費用は149億9,700万円(同+19.6%)と収益を上回る伸びを示した 。内訳を見ると、債務保証損失引当金繰入額が44億3,000万円(同+11.9%)と微増にとどまった一方で、IT 投資や人件費を含む「その他費用」が83億600万円(同+21.0%)と急増したのが特徴だ。会社は中期計画「Next Phase」の一環でクラウド基盤への刷新を進めており、期中にソフトウェア(無形資産)を一括償却したことが費用増に跳ねた。これに伴い営業利益率は73.7%と前期の75.7%から低下したが、それでも国内金融サービス業平均(約35%)を大幅に凌ぐ高水準を維持している 。
経常利益は445億1,800万円(同+7.1%)と営業利益とほぼ同じ成長率で推移した。営業外収支では受取利息が39億7,000万円(同+22.3%)に膨らみ、運用ポートフォリオの利回り改善が寄与した。一方、支払利息は8億5,100万円(同+6.8%)にとどまり、資金調達コストはほぼ横ばい。負ののれん発生益12億5,700万円の特別利益を計上したことで税引前利益は457億5,300万円まで積み上がった 。最終利益(親会社株主帰属)は320億8,900万円(同+11.4%)と増益幅が再び2ケタ台に乗った 。
キャッシュ・フローも良好だ。営業活動によるキャッシュ・フローは334億2,300万円(同+6.8%)と3期連続の増加 。投資 CF は625百万円のプラスに転じたが、これは定期預金払戻しや投資有価証券売却益が流入を上回ったためで、実質的には資金余力の維持を目的とした資産組み替えである。財務 CF は▲193億1,100万円と前年(▲103億1,900万円)からマイナス幅が拡大したものの、要因は配当金11,707百万円と自己株式取得70億円に伴う資金流出であり、長期借入金30億円の返済と29億4,000万円の新規借入がほぼ相殺された 。結果、期末の現金および現金同等物は923億8,400万円へ増加し、ネットキャッシュ基調を堅持している。
財政状態では総資産4,923億9,800万円(同+5.5%)、自己資本比率48.5%と健全性を維持 。流動資産の増加は現預金と求償債権の増に起因し、固定資産の増加は長期預金および投資有価証券の積み増しが要因。負債側では債務保証損失引当金が852億8,000万円へ積み上がったが、保証債務残高に対するカバレッジレシオは依然3%台と十分な水準にある。
株主還元面では、1株当たり配当金212円(株式分割前換算)を実施し、12期連続増配を達成。配当金支払総額117億円に加え、自己株式取得70億円を実行し、総還元性向はおよそ57%に達した 。もっとも、配当性向は44.8%とじわじわ上昇しており、今後は利益成長がなければ増配余地が限定される点を忘れてはならない。
経営陣は2026年3月期の業績予想を営業収益592億円(+3.9%)、純利益312億円(▲2.8%)とガイダンスしており、保守的姿勢がうかがえる 。背景には①住宅ローン金利の漸進的上昇、②資材高騰による住宅価格上昇、③少子高齢化に伴う新築住宅着工数減少リスクがある。加えて、保証損失引当金の積み増しペースを高め、リスクバッファーを厚く取る方針を示したことも利益成長の抑制要因となる。
総じて同短信は、高収益体質と潤沢なキャッシュ創出力を再確認させる一方で、費用増による利益率低下や配当性向上昇、マクロ環境変動リスクを織り込む必要性を示唆している。株主還元が魅力的である半面、保証料収入の2ケタ成長フェーズは終盤に差しかかっており、今後は周辺事業の成果と資本効率改善が株価の鍵を握るだろう。
7. 直近の経済動向の反映
トランプ前米大統領が公約する対日輸入品関税の再引き上げは、直接インパクトは小さいものの、日本長期金利の上昇圧力を介して住宅ローン金利に波及する懸念がある。足元では10年国債利回りが1.2%台で推移し、都市銀行は固定金利を段階的に引き上げ。住宅購入意欲の低下は保証新規承諾高の伸びを抑制し得るため、同社のトップライン鈍化リスクとして注意が必要だ。さらに、ウクライナ危機長期化による資材価格高騰は住宅価格を押し上げ、借入額増大→保証債務増→事故損失増という波及経路も無視できない。 SBI証券
8. 同業他社との比較
注:時価総額・指標は2025年5月27日終値。住宅保証機構は公的法人で比較対象外。
同業上場銘柄が少ないため、オリックスなど広義の信用保証・金融サービス銘柄を参照。全国保証は配当利回り・ROEで最上位に位置し、割高感は小さい。
9. 今後の見通し
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2026年度会社計画:純利益312億円(-2.8%)、EPS231.11円。保守的計画とみる。
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当レポート試算:住宅着工横ばい、金利1.3%シナリオで純利益315〜320億円、EPS233〜236円。
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リスク要因:①金利急騰によるローン需要減少、②不動産価格調整期入りによる事故率上昇、③競争激化で保証料率下落。
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ポジティブ要因:①中古住宅市場拡大、②地方銀行DX支援需要、③自己株買い継続。
結果として、中期的なEPS年率5%前後+配当利回り3.5%台で、トータルリターン8〜9%を想定。投資妙味は残るが、割安水準ではない。
10. 株価の分析
執筆時点の終値は3,153円(2025年5月27日)。PER 13.6倍は過去5年平均14倍を下回りやや割安。一方、PBR1.78倍は自己資本利益率の低下トレンドを考慮すると中立水準。
テクニカル面では3,100円に25日移動平均線、2,950円に75日線が控え、下値支持線が機能。短期上昇トレンド維持を前提に3,400円近辺がフェアバリューと判断。初心者は2,900〜3,000円の押し目待ちが無難。 Yahoo!ファイナンス
11. 総合評価
初級投資家は金利上昇局面のボラティリティ(=価格変動の大きさ)に留意。
12. まとめ
全国保証は盤石な住宅ローン保証プラットフォームを背景に安定配当を実現してきた。今後は周辺事業の育成と株主還元策が株価ドライバーとなる一方、住宅市場縮小・金利上昇という逆風に備えた慎重投資が求められる。長期インカム投資には適するが、高成長株としての期待は抑えめにするのが賢明だ。
この記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではございません。投資は自己責任でお願いいたします。
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