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概要
積水ハウスの2025年1月期第1四半期の決算では、売上高は前年同期比で増加したものの、営業利益、経常利益、純利益が大幅に減少しました。減益の主な要因は、国際事業や都市再開発事業に関連するコストの増加と前年の大型物件売却の反動です。
要約(箇条書き)
- 売上高: 8,940億円(前年同期比 +15.1%)
- 営業利益: 602億円(前年比 -15.9%)
- 経常利益: 468億円(前年比 -34.1%)
- 純利益: 334億円(前年比 -33.8%)
- 減益要因:
- M&Aに伴うのれん償却
- 販売インセンティブの増加
- 前年の大型物件売却の反動
- マクロ環境の影響:
- 米国の不透明な経済状況
- 日本の住宅市場の弱含み
- セグメント別業績:
- 戸建住宅事業: 売上高 1,050億円(+4.1%)/ 営業利益 61億円(+31.5%)
- 賃貸・事業用建物事業: 売上高 1,236億円(-4.0%)/ 営業利益 149億円(-17.6%)
- 建築・土木事業: 売上高 772億円(+3.4%)/ 営業利益 55億円(+107.4%)
- 賃貸住宅管理事業: 売上高 1,795億円(+4.4%)/ 営業利益 197億円(+25.8%)
- 国際事業: 売上高 2,576億円(+118.6%)/ 営業利益 50億円(-53.8%)
- 総評:
- 売上は四半期で過去最高だが、収益は前年の高採算プロジェクトの反動で減少
- 中長期の成長力は維持
- 2023年3月から2024年1月までに400億円の自社株買い予定
積水ハウスの2025年1月期第1四半期連結累計期間(2~4月)は、売上高8,940億円(前年同期比+15.1%)と増収だったが、営業利益は602億円(▲15.9%)、経常利益468億円(▲34.1%)、純利益334億円(▲33.8%)と大幅な減益となった。
要因としては、国際事業におけるM&Aに伴うのれん償却や販売インセンティブ増加、都市再開発事業における前年の大型物件売却の反動が挙げられる。
■ マクロ環境
-
米国:新たな関税政策発表を受けて景気不透明感が増し、個人消費は減速。
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日本:雇用環境は堅調も、建設コストの高止まりなどで住宅市場は弱含み。
■ セグメント別業績
<請負型ビジネス>
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戸建住宅事業 売上高:1,050億円(+4.1%)/営業利益:61億円(+31.5%)
中高級住宅の提案強化、「SI事業」の推進、ZEH比率96%などが好影響。
賃貸・事業用建物事業 売上高:1,236億円(▲4.0%)/営業利益:149億円(▲17.6%)
ZEH賃貸の普及やCRE/PRE戦略は奏功するも、採算悪化が響いた。
建築・土木事業 売上高:772億円(+3.4%)/営業利益:55億円(+107.4%)
大型工事や追加受注の貢献で利益率が大幅改善。
<ストック型ビジネス>
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賃貸住宅管理事業 売上高:1,795億円(+4.4%)/営業利益:197億円(+25.8%)
新設会社による管理体制強化、DX活用により高稼働率を維持。
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リフォーム事業 売上高:394億円(▲1.9%)/営業利益:47億円(▲5.5%)
大型リノベや補助金活用の環境型リフォーム提案で受注好調も、収益面はやや減少。
<開発型ビジネス>
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仲介・不動産事業 売上高:798億円(+19.0%)/営業利益:72億円(+24.6%)
不動産事業会社の統合効果で販売と仕入れが加速。
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マンション事業 売上高:204億円(▲17.9%)/営業利益:27億円(▲9.5%)
引渡は計画通り進捗も、前年の反動や物件の一巡で減収減益。
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都市再開発事業 売上高:195億円(▲65.3%)/営業利益:38億円(▲75.0%)
前年の大型物件売却の反動が主因。「グラングリーン大阪」などの進捗は順調。
<国際ビジネス>
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国際事業 売上高:2,576億円(+118.6%)/営業利益:50億円(▲53.8%) 米MDC社買収で大幅増収も、インセンティブ費用やのれん償却で利益率が低下。
一方、賃貸住宅売却やコミュニティ開発は堅調。
■総評
売上は四半期として過去最高水準だが、収益面では前年の高採算プロジェクトの反動減や国際事業の利益率悪化が重しとなった。
中計に掲げる「国内の安定成長と海外の積極的成長」に沿い、国内外で着実に基盤拡充を進めており、中長期の成長力は維持しているものの、短期的には利益面でのコスト管理が課題。ネットキャッシュ(1065738百万円)、ネットキャッシュ比率(0.524)。
2023年3月10日〜2024年1月31日までに400億円の自社株買い。
引用
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