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【水も石油も足りない】奪い合いが加速する世界、「日本の生き残り戦略」とは? - 経済は地理から学べ!【全面改訂版】

【水も石油も足りない】奪い合いが加速する世界、「日本の生き残り戦略」とは?
「経済とは、土地と資源の奪い合いである」
ロシアによるウクライナ侵攻、台湾有事、そしてトランプ大統領再選。激動する世界情勢を生き抜くヒントは「地理」にあります。地理とは、地形や気候といった自然環境を学ぶだけの学問ではありません。農業や工業、貿易、流通、人口、宗教、言語にいたるまで、現代世界の「ありとあらゆる分野」を学ぶ学問なのです。
本連載は、「地理」というレンズを通して、世界の「今」と「未来」を解説するものです。経済ニュースや国際情勢の理解が深まり、現代社会を読み解く基礎教養も身につきます。著者は代々木ゼミナールの地理講師の宮路秀作氏。「東大地理」「共通テスト地理探究」など、代ゼミで開講されるすべての地理講座を担当する「代ゼミの地理の顔」。近刊『経済は地理から学べ!【全面改訂版】』の著者でもある。

【水も石油も足りない】奪い合いが加速する世界、「日本の生き残り戦略」とは?Photo: Adobe Stock

経済とは「土地と資源」の奪い合いである。

 人間の行動は、土地と資源の奪い合いで示されます。当たり前のことですが、土地と資源には限りがあるからです。

 有限だからこそ、需要と供給によって価値が決まります。

 戦国時代、大名たちは限りある領土を奪い合い、「国盗り物語」を描きました。どこかの大名の領地が増えれば、同時に領地を減らす別の大名がいたのです。土地と資源の存在が、経済を創り出します。だからこそ需要が生まれ、争奪戦が始まります。

「水」はタダではない

 例えば水資源の場合、包蔵(ほうぞう)水力を考える必要があります。包蔵水力とは、国内に存在する水資源のうち、技術的・経済的に利用可能な水力エネルギーの量のことです。

 砂漠が広がるような西アジアや北アフリカ諸国といった降水量の少ない国、そして国土面積が小さい国では包蔵水力は小さくなります。

 逆に、モンスーンの影響により降水量が多くなるベトナム、タイ、インドネシア、インドといった東南アジア・南アジア諸国、そして国土面積が大きい国では包蔵水力は大きくなります。

 世界の包蔵水力を見ると、中国、アメリカ合衆国、ロシア、ブラジル、カナダの上位5カ国だけで世界のおよそ半分の割合を占めます。さらに上位10カ国まで加えると世界の3分の2前後を占めます。水資源もまた、世界中で一様に手に入るわけではないのです。

石油はどこからとれる?

 原油も埋蔵に偏在性が大きい資源です。

 原油は、褶曲(しゅうきょく)構造を持つ地層に埋蔵が多い資源です。下図を見てください。

【水も石油も足りない】奪い合いが加速する世界、「日本の生き残り戦略」とは?出典:『経済は地理から学べ!【全面改訂版】』
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 地層は地殻変動によって左右、もしくは一方から圧力が加えられ、圧縮されて波状に曲がることがあります。これを褶曲作用といいます。褶曲構造は、古い造山帯を含め地殻変動が起きた地域には広く見られますが、プレートの狭まる境界では現在も造山活動が続いており、大規模な褶曲山脈が特に顕著です。

 20世紀は「石油の世紀」と呼ばれました。自動車や飛行機の普及が進むと燃料としての石油需要が爆発的に高まり、豊富な埋蔵があるペルシア湾周辺を巡る主導権争いが激化します。その結果、こうした国際的な対立が資源価格を大きく左右し、原油は政治情勢に翻弄されやすい重要なエネルギー源だと認識されるようになりました。

 世界中で資源が採掘できるわけではありません。だからこそ資源を輸出することで外貨を稼ぐ国があれば、日本のようにそれらを原材料として輸入し、工業製品に加工して輸出する国が存在するのです。世界市場へ向けて、各国が最も得意な分野で外貨を獲得しているのです。

(本原稿は『経済は地理から学べ!【全面改訂版】』を一部抜粋・編集したものです)

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