🧠 あらすじと概要:
あらすじ
映画「京鹿子娘二人道成寺」は、恋人・安珍を追い求め、恋しさから大蛇と化した清姫の怨念をテーマにしています。物語は、紀州の道成寺で新しい釣鐘の供養が行われる場面から始まります。白拍子の花子が現れ、鐘を拝むために舞を舞うことを条件に参列を許されますが、実は花子は清姫の怨霊であり、安珍との関係を隔てた鐘に対して強い恨みを抱いています。彼女の舞が進むにつれ、花子の形相が変わり、物語は深まっていきます。
記事の要約
この記事は、映画「京鹿子娘二人道成寺」の感想を述べたもので、特に花子の踊りや演技の素晴らしさについて焦点を当てています。花子が二人で踊ることで、清姫の怨念が重なり、観客に視覚的な錯覚をもたらす演出が印象的です。また、カメラの切り替えによる独特の演出も語られています。花子を演じる玉三郎と菊之助の異なるキャラクター性や、特に菊之助の可愛らしさが際立つ瞬間を称賛しています。全体として、舞台美術と演技に対する感銘を強く表現しています。
今ちょうど歌舞伎座で道成寺がかかっていますね(2025年5月)。それのお二人で踊るバージョンの演目。恋が怨念となった清姫の、怨霊である花子が踊る演目です。 花子を二人で踊られていると、清姫という一人の女が、怨念によって重なったりぶれたり、まるで目の錯覚のようになる感じがとても良かったです。きっと花子本体は一人しかいないのに、もの凄まじい怨念のせいで、人間の目を狂わせているような……。なので観客である人間には、花子の姿が明確に捉えられていないのでしょう……。 シネマ歌舞伎ならではの演出として、カメラの切り替えで、画面上の二人の役者をぱっと入れ替えるということをしていたようなのですが、一度目は気づかず、二度目はようやく気づいてなんだかぞっとしました。でもそれが良い。花子は人間ではないのだな、という感じが、やっぱり良いですね。
京鹿子娘道成寺は、2024年1月の尾上右近さんの演目を見ましたが、その時から花子の強い情念を表現されるのがとても好きです。あの鐘を見上げる恨みのこもった目つき! 美しいながらも強い意思を感じられるのが大変良いです。
そのほか細かいこと
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玉三郎さんの花子はすっとした綺麗どころで姉さんという感じですが、菊之助さんの花子はどこかあどけなく可愛らしかった。特に、鴇色の衣装の時の踊りが、菊之助さんはとても可愛いらしい。
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