はじめに
洋書ですが、”Writing for Developers”という技術ブログの書き方を教えてくれる本を読んでみました。
www.manning.com
以下は公式ページにあった概要の翻訳です(ChatGPTで翻訳)。
「Writing for Developers」は、優れた技術的洞察を素晴らしいブログや記事に変える手助けをします。著者のピョートル・サルナとシンシア・ダンロップは、エンジニアとプロのライターという異なる視点を組み合わせ、説得力のある作品を書くためのサポートを提供します。この本は一般的な執筆ガイドではなく、技術的なトピック、執筆者、読者に特化して焦点を当てています。
楽しい例やユーモラスなイラスト、たくさんのジョークを通して学べます!この本は、アイデアの生成と優先順位付けから、計画、執筆、改訂の際に考慮すべきこと、成功したブログ投稿をさらなる機会への足がかりとして活用する方法まで、執筆プロセス全体をカバーしています。
Writing for Developers
僕も技術ブログをたくさん書いてきた人なので、この本に書いてある内容がどれくらい同意できるのか、そしてどれくらい僕の知らない新しい情報があるのかが気になって読んでみました。
本書の目次
以下は目次の翻訳です(ChatGPTで翻訳)。
第1部:基本原則
1. なぜ書くのか
2. 何を書くべきか
3. 読者を魅了する
第2部:ブログパターンの適用
4. 「バグハント」パターン
5. 「Xで書き直した」パターン
6. 「どうやって作ったか」パターン
7. 「学んだ教訓」パターン
8. 「トレンドに関する考察」パターン
9. 「マーケティングっぽくない製品の視点」パターン
10. 「ベンチマークとテスト結果」パターン
第3部:執筆プロセスの確立
11. 作業用ドラフトの作成
12. ドラフトの最適化
13. フィードバックの取得
14. 完成させる
第4部:プロモーション、適応、拡張
15. 注目を集める
16. ブログ記事からカンファレンストークへ
17. 本を書きたいなら
付録A. 執筆と出版のリソース
付録B. AIの使用と濫用
本書の感想
想定している技術ブログのレベルが高い
まず、本書で扱っている「技術ブログ」は僕が想像していた「技術ブログ」よりも少しレベルの高いものでした。
「レベルが高い」というのは「技術的に高度」という意味です。
たとえば10章の事例として挙げられていたのが “Redpanda vs. Kafka: A performance comparison”(RedpandaとKafkaのパフォーマンス比較)というブログ記事です。
実際にアクセスしてもらうとわかりますが、「エンジニア歴1年目」みたいな人が書けるような内容ではありません。
www.redpanda.com
本書ではブログの内容をそのままスライドに書き起こせばすぐに技術カンファレンスで発表できるような、そういうレベルの技術ブログを想定しています。
実際、16章ではブログの内容をベースにしてカンファレンスで話すにはどうすればいいか、という話が書かれています。
もちろん、「エンジニア歴1年目」みたいな人が参考になるような内容もいくつかはありますが、本書の対象となる読者は「すでにエンジニアとして豊富な経験と実績を持っているが、それらをまだ外部に情報発信したことがない人」になるんじゃないかなと思います。
英語が母国語ではない人向けのアドバイスが載っている
また、本書ではところどころに「英語が母国語ではない人向けのアドバイス」が載っている点も興味深かったです。
これはどうやら筆者の一人であるPiotr Sarna氏がポーランド出身だからみたいです。
なので、「日本人だけど英語で技術ブログを書いてみたい人」や、「海外の技術カンファレンスで発表してみたい人」が読むと参考になりそうです。
生成AIの活用方法が出てくる
他には随所に生成AIの活用方法が出てくる点もイマドキだな〜と思いました。
僕はブログを書くときはほとんど生成AIは使っていませんが、今後はちょっとずつ使ってみようかなと思いました。
本書はまだ未完成。そして実は無料で読める!?
2024年8月時点では本書は実は未完成です。
大半の章は執筆済みですが、最後の「付録A. 執筆と出版のリソース」と「付録B. AIの使用と濫用」はまだ執筆されていません。
「未完成だけど執筆済みの部分なら読めますよ」というManning Early Access Program (MEAP)があるので、これを使って僕は電子版を購入しました。
が!!
さっき気付いたんですが、本書は無料で読めるみたいです。
公式ページのtable of contents(目次)に以下の文章があります。
You can see this entire book for free. Click anywhere in the table of contents to start reading
(この本全体を無料で読むことができます。目次のどこでもクリックして、読み始めてください)Writing for Developers
本当に?と思って目次のリンクをクリックしてみると・・・読めました!!
ずっと無料なのか、期間限定なのかはわかりませんが、現時点では無料で読めるみたいなので興味がある人は公式ページにアクセスしてみてください。
www.manning.com
2024.8.18追記:完全無料ではないようです
コメント欄にて「無料で読める部分ですが、制限がかかっているようで、数パラグラフまでは読めますが、それ以降はMANNING ONLINE のサブスクリプションを購入しなければ読めませんでした」という情報を教えていただきました。
コメントしてくださった id:kwy さん、どうもありがとうございます!
まとめ
というわけで、このエントリでは僕が読んだ “Writing for Developers” という本を紹介してみました。
本書の対象となっている「技術ブログ」が僕がふだん書くような技術ブログよりも高度なものだったので、すべての内容がすぐに役に立つわけではなかったですが、将来「海外に向けて発信したい」とか「技術的にもっと高度な内容を発信していきたい」と思ったときは本書が心強い味方になってくれそうです。
ブログを書くときだけでなく、技術カンファレンスで発表するときにも参考になりそうな内容が多かったので、自分の成果をこれからどんどん外に向けて発信していきたいと考えている中級者以上のエンジニアはぜひ本書を取ってみてください。
おまけ
洋書なんてとても読めない (><) って思う人も多いかもしれないけど、僕もたぶん6割ぐらいしか理解できてないから大丈夫w
雑に「だいたいなんとなくわかる」というレベルでがーっと読み進めていって、「ここはちょっと気になるな」と思ったところだけをじっくり読む、みたいな感じで読んでます。— Junichi Ito (伊藤淳一) (@jnchito) 2024年8月12日
学校の英文和訳みたいに「隅から隅まできちんと日本語に翻訳しなきゃ」みたいなマインドで読むといつまで経っても読み終わらないし、そうしないと何かペナルティーがあるわけでもないので、「とりあえず読み進める。多少わからないところがあっても前へ進め!」というマインドで読むのがお勧めです。
— Junichi Ito (伊藤淳一) (@jnchito) 2024年8月12日
Views: 1