🧠 あらすじと概要:
映画『クィア/QUEER』あらすじ
映画『クィア/QUEER』は、ウィリアム・S・バロウズの同名小説を基にした作品です。舞台は50年代のメキシコ。主人公ウィリアム・リーは、男漁りを繰り返す中で様々な出会いを経験し、自己の欲望と向き合っていきます。物語は、彼がメキシコでの体験を通じて得た発見や葛藤を描き、後半にはペルーで幻覚剤「イェージ」を求める旅に出ます。この旅の途中で、リーは自己の限界を試され、さらなる混乱に巻き込まれていきます。
記事の要約
この記事は、映画『クィア/QUEER』の感想を述べています。監督はルカ・グァダニーノで、主演にはダニエル・クレイグが名を連ねています。映画は、バロウズの自伝的な要素をを含み、メキシコでの男との関係や、薬物の影響を通じて主人公の内面が描かれています。観客は、主人公の欲望と自己探求の旅に引き込まれ、映画がもたらす感覚に共鳴します。また、記事は作者自身の感想や映画鑑賞後の影響にも触れ、共感や興奮を伝えています。
シニード・オコナーがカヴァーする”All Apologies/Nirvana”で幕はあがる。それ以外にも、ニルヴァーナ、プリンス、ニューオーダーと、90年代ダディーズ音楽が使われる。おや、少し不釣り合いじゃないか、映画の舞台は50年代メキシコである。この映画は、ビート三羽烏のひとりであるウィリアム・バロウズの書籍を原作とする。(ビートニク:ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグ、バロウズ)処女作「ジャンキー」は文字通りドラッグ漬けの男、次作「クィア」はクスリが抜けて欲情を優先する男、「麻薬書簡」は”イェージ”(南米の薬根アヤワスカ)を巡る書簡体で描かれるごく初期三部作。バロウズといえば「裸のランチ」だが、それ以前のこれらの本は商業的には成功せず、本人も趣味的に書き上げたという。主人公ウィリアム・リーは、バロウズ本人であるから、これは自伝的小説だ。
もうひとつの背景としては、有名なウィリアム・テルごっこで内縁の妻を射殺してしまった事件後、メキシコへ逃げたバロウズの回顧録でもあるということだろうか。
ちょうど原作本を読んだところで、映画単館上映が始まったので観覧したわけです。前半は、メキシコで男漁りを繰り返す主人公リー、書籍の通りにコトは進行していく。例えば、BARで拾ったメキシコ人をホテルで抱き、お金を払おうか考えあぐねてる描写では、主人公はさっと財布を開いて少し考え財布を放り投げる、それで「これは払わなくてもいける」という文章を悟らせる、という具合だ。そうやってお目当てのアラートンくんを包囲し、”クィア(おかま)”の世界へ引き入れていく。出てくる輩ぜんぶ男色、アラートンくんも嫌々ながらも、しょーがねぇーなーってなっていっちゃう訳です。後半は、南米ペルーまで”イェージ”を探す旅、実際は「麻薬書簡」執筆まで見つからなかったハズだけど、本作では見つけてしまってるようだ。バロウズはこの幻覚剤が、テレパシー能力を高めると真剣に考えていたらしい。この旅では、リーのジャンキーも復活し、なんとかクスリを入手しようと躍起になり、話は色恋を煙に巻きどんどん予測不能の領域までいってしまう。
小説では”2年後、メキシコシティへの帰還”が付属するが、それはまた別のお話。
こんな映画を観てしまうと、僕もなにか失ってしまった感覚を取り戻そうとするように、痛飲してしまう。テキーラをショットでぐいぐい入れていくリーに触発される。へべれけであった。
福井駅の立ち蕎麦屋で、かけ蕎麦(350円) それだけは覚えてる。
老舗映画館メトロ劇場
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