🧠 あらすじと概要:
あらすじ
映画『日日是好日』は、主人公の典子が10歳の時に観たフェリーニの映画「道」が理解できなかったことから始まります。物語は、彼女が20歳の頃、家族の勧めでお茶に出会い、いとこの美智子と共にお茶の習い事を始めるところから展開します。武田先生という師匠のもとで学ぶ中で、美智子と典子はお茶の世界に引き寄せられ、様々な人生の教訓を学ぶ姿が描かれています。
記事の要約
この記事では、映画『日日是好日』の魅力について触れています。特に映像美や音の美しさ、掛け軸の意味、身体と頭の対立などが印象深く描かれています。また、主人公が「日日是好日」の真の意味を理解する姿を通じて、日々を丁寧に生きる大切さが感じられると締めくくられています。映画は、森下典子の自伝エッセイを原作としており、お茶を通じて学んだ人生の教訓がテーマとなっています。
こんにちは、三太です。
ここ1、2週間ずっと読んでいた大西鐡之祐さんの『闘争の倫理』をついに読み終えることができました。何度目かの読了です。自分は部活動でバスケットボールの指導をしているのですが、もう一度そういったスポーツを指導する意義を自分の中で整理したくて手にとりました。今回、大きな収穫だったのはスポーツは知性を教えることが重要だという著者の考えに触れられたことです。著者が述べる知性とは簡単に言うと、目標を立てて、そのためにすべきことを考え、その考えたことを実行し、目標達成をしていくということです。今の日本の社会の色んな場所で当たり前にされていることだと思いますが、改めてその重要性を認識できました。(もちろん本書は知性を重要視した上で、どう闘争の中の倫理を養っていくかというのが主眼だとは思いますが…)部活動の指導がより楽しみになっている今日この頃です。
では、今日は『素晴らしき世界~もう一度旅へ』よりに出てきた「日日是好日」を見ていきます。
『素晴らしき世界~もう一度旅へ』に出てきた映画11作のうちの1作目です。
基本情報
監督:大森立嗣出演者:典子(黒木華) 美智子(多部未華子) 武田先生(樹木希林)上映時間:1時間39分
公開:2018年
あらすじ
主人公、典子が10歳の頃に見たフェリーニの映画「道」が全くわからなかったという冒頭から始まる映画。
とてもざっくりまとめるとこの「道」が分かるようになるまでの物語。
典子は人生をかけて何か打ち込めるものを探していた20歳のとき、家族のすすめもありお茶に出会います。
いとこの美智子とはじめたお茶の習い事。
はじめは武田先生に教えてもらうことに様々な小さな反発を覚えながらも、徐々にお茶の世界にひきつけられていきます。
お茶を習うことを通して、そして人生を通して一人の女性が大事なことを学んでいく姿を描いた映画です。
設定
・お茶・習い事
・就職、結婚
感想
見どころがたくさんある映画でした。まずは美しさが際立つという点。
美しさの種類もいくつかあって、一つには映像が美しいです。
お茶を立てる作法、お茶席に差し込む光、お茶に使う水。水に関して言うと、典子の家族が食べるそうめんの水も美しかったです。
映画「恋人たちの食卓」の冒頭を思わせるようでした。
見た目だけでなく、音も美しいです。先ほども出てきた水。お湯を入れる音、お水を入れる音に違いがあると典子が分かるシーンもいいですし、雨がしとしとと降る音にも風情があります。
二つ目の見どころは掛け軸の意味です。
字の意味というよりもその筆致を身体で感じたり、達磨さんの目に力をもらったり、そこにも一つ一つ意味を読み取れます。 掛け軸を眺める典子。
三つ目は考え方の対立です。
お茶を習い始めた頃の典子と美智子は一つ一つの所作に「なんでそうするのか?」と頭で考えようとします。ただ、この問いに師匠である武田先生は上手く答えられません。「とにかくそうするのよ」みたいな感じです。
習うより慣れよ。
頭と身体の対立があり、お茶の世界、そして日本の多くの芸事の世界では身体が大切にされているように思いました。 左が典子、右が武田先生。
他にもたくさん書きたいことがあるのですが、とりあえずこの辺りにしておきます。最後に、フェリーニの「道」について分かるようになってきたことともう一つ典子が分かるようになったことがあります。それは「日日是好日」という言葉の意味です。言葉の意味としては早い段階で分かっていたようですが、ラストにその意味が本当に腑に落ちたシーンが出てきます。このシーンも深いなと思いました。
日々を丁寧に生きたいと思える映画でした。
湯・水の音違いを楽しむ夏座敷
その他
・ウィキペディアより
→エッセイスト・森下典子による自伝エッセイ『日日是好日-「お茶」が教えてくれた15のしあわせ-』を原作とした映画。
『素晴らしき世界~もう一度旅へ』内の「日日是好日」登場シーン
「お茶って、面白いんですかねー?」
ふとそんな言葉を漏らしたのは、その少し前、新宿のゴールデン街にある行きつけの飲み屋でのことだった。大森立嗣監督の『日日是好日』という映画を観たばかりだった。雨音がちゃんとスクリーンに映っているような、とても良い映画で、特に「その年の干支が描かれた茶碗は十二年に一度しか使わない」というようなセリフがあり、なるほど茶道というのは、そういう時間が流れる世界なんだなーと感銘を受けていた。
『素晴らしき世界~もう一度旅へ』(p.9)
「初めてのお茶会」というエッセイの一節です。 タイトルからもわかるように、吉田修一さんが初めてお茶会に行ったときのエピソードが語られます。
もともとお茶に少し関わりのあった吉田修一さんに、お茶会に行くきっかけを与えたものとして『日日是好日』が取り上げられます。
おそらくここが引用のシーン。
吉田修一作品とのつながり
・芸事を描くという点は『国宝』とつながります。
以上で、「日日是好日」については終わります。
毎日を丁寧に生きていきます。
それでは、読んでいただき、ありがとうございました。
出典:「映画ドットコム」
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