土曜日, 5月 31, 2025
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【映画感想】第7回『MISSION:IMPOSSIBLE-THE FINAL RECKONING-』庚乃 アラヤ(Kouno Araya)

🧠 あらすじと概要:

あらすじ
『MISSION: IMPOSSIBLE – THE FINAL RECKONING -』は、イーサン・ハントと彼の仲間たちが再びスリリングなミッションに挑む姿を描いたアクションスリラーです。エンティティと呼ばれる謎の脅威と戦い、仲間のルーサーを守りながら、様々な困難に立ち向かうイーサン。彼らの連携や戦略が試される中、友情や献身が試される瞬間も描かれます。特にヒロイン的な存在感を持つルーサーの運命が、物語の鍵を握る重要な要素となっています。

記事の要約
庚乃アラヤは『MISSION: IMPOSSIBLE – THE FINAL RECKONING -』についての感想を述べつつ、シリーズ特有の展開やキャラクターの行動に言及しています。ルーサーの死について特に印象が強く、その不自然さやストーリーのひずみを指摘し、ストーリーを楽しむ視点から批判しています。映像の迫力やシーンのシュールさを賞賛し、スパイ映画特有のセリフや展開についての考察も交えています。全体的に、トム・クルーズ主演の作品は劇場での鑑賞に価値があると強調し、シリーズへの愛着が伝わる内容となっています。

【映画感想】第7回『MISSION:IMPOSSIBLE-THE FINAL RECKONING-』庚乃 アラヤ(Kouno Araya)

どうも、シーランド公国男爵 庚乃アラヤです。
一年と二十二日ぶり……もとい、三カ月と十九日ぶりですね。
前回の投稿の後も『ジークアクス』の地上波放送は追っていて、相変わらず「共感できない」だの「これガンダムでやる必要あるのかね」だの文句を言っているのですが、まあそれはそれ。
厄介オタク仕草はまたの機会にしましょう。
というわけで、今回は『MISSION:IMPOSSIBLE-THE FINAL RECKONING-』について書いていきます。

一番印象に残っている出来事は、やはり何と言ってもルーサーの死ですよね。
M:Iシリーズはまあまあの割合でヒロインが退場する作品で、前作でもイルサが脱落してしまいましたが、ここに来てとうとうシリーズ皆勤賞でイーサンの女房役と言っても良いルーサーが死亡。
ラストシーンの録音メッセージも強めのヒロインムーブで、冗談抜きでヒロイン力トップだと思ってます。しかし死なすことはありませんでしたな、監督(ここで銃を構える)。

まず病床にいるルーサーを護衛もつけずに置いていくのが、どう考えても悪手なんですよね。
今作におけるマクガフィンで、エンティティに対する切り札でもある”ポイズン・ピル”をルーサーともども放っぽっていくのは不自然とさえ言える。
殺して奪ってくれと言わんばかり。
エンティティよりさらに上位の、大いなる意思が介在しているようにしか思えない。
そうだろう、脚本家さんよ。

(余談ですが、このレビューを書いているときマクガフィンって言葉が思い出せなくて、「なんだっけ、あの、エッグマフィンみたいな用語」となっていたのは秘密。嫌だろ、エッグマフィンのために全力疾走するトム・クルーズなんて……ちょっと見たいな)

まあ、もうちょい描きようがあったろうがという話はこれまでにしましょう。
そもそも、このシリーズは描きたいシーンがまず先に有って、そこへ沿うようにストーリーを展開させているんだから、多少ストーリーにひずみが生じるのは仕方ない。
シチュエーションムービーの連なりとして観れば良いんです。
じゃあ文句言うなって話ですが、物書きの一人として言わずにいられません。ゆるせ。

実際、映像的に見ごたえのあるシーンは多かったんですよ。
ベーリング海の底にあるセヴァストポリ号に向かって、イーサンが沈降していくシーンは迫力ありましたからね。ぼくったら、海洋恐怖症でもないのに息が詰まるような感じがしましたもん(※褒め言葉です)。

ああ、そうそう。深海に繰り出す前のパートも面白かったですね。
まず、エンティティの信者(?)と化した船員にイーサンが襲われるシーン。
パンイチ状態で関節技をキメながら、船員に「SNSの見過ぎだ」と吐き捨てるところがシュールで良かったです。皆さんも、SNS上の狂乱にあてられてメンタルがおかしくなったら、パンイチのトム・クルーズを思い描いてください。憂鬱なニュースも陰謀論も頭から抜け落ちます。関節技の方はセルフサービスで。

んで次、潜水服を借り受けるシーン。船員から「私の潜水服、大事にしてよ」と釘を刺されるんですが、ぼくはここでニヤニヤが止まりませんでした。
スパイ映画における「装備、ちゃんと返してくださいね」系のセリフというのは、「押すなよ? 絶対押すなよ?」と同義です。少なくとも、英米ではそう。
実際、本作でも借りた装備一式を海中に投棄することになりました。
I believe I said “Bring it back in one piece”, not “Bring back one piece”.

あとはなんだろう。
トム・クルーズ定番(?)のパラシュート降下もバッチリやってくれましたね。
高高度降下低高度開傘(HALO)ならぬ、低高度降下低高度開傘(LALO)といったところか。
アレで死なないのは異常ですが、深さ七千メートル超の深海に装備なし・減圧なしで繰り出していくジェイソン・ステイサムに比べればまだ人間してます(MEG2参照)。
イーサンはちゃんと減圧症対策もやってましたしね。

それと、第一作目で出てきたCIA職員ウィリアム・ダンローの再登場には驚かされました。
薬盛られてゲーゲー吐いてた、あの可哀想な技術屋さんですね。
髭もじゃになっていたから、最初誰だか全然分かりませんでした。
作中時間で何年、何十年経過しているのかは分かりませんが、空白期間の長いキャラを唐突に再登場させると無条件にエモいという知見が得られました。この人、左遷されてからどう生きてきたんだろうってね。

大筋はこんなところでしょうか。
途中述べたように、M;Iシリーズは超長編のシチュエーションムービーだと
思っていますので、感想を言語化すると「やっぱトム・クルーズ主演作品は劇場の大画面で観なくっちゃな!」の一言に尽きます。たくさん映画館にお金を落とそうぜ。

【その他】
■トム・クルーズが空母に移って、戦闘機の発着艦シーンが挿入されると、別世界のトムが頭に浮かんじゃう人は少なくないよなと思います。てか、トップガンマーヴェリックに出てた役者さんが多いのよ。チャールズ・パーネル然り、グレッグ・デイビス然り……意外と少ないか。まあ主要人物たちだし、印象は引っ張られるよね。

■イーサイ・モラレス演じるガブリエルが爽やかな笑みでイーサンを嘲笑い、煽り、仲間の命を奪っていくわけですが、まあとにかくその様が憎たらしい(※誉めてる)。プロペラ機同士でバトってるとき、だいぶ間抜けな死に方をしたので溜飲は下がりました。イーサンとの因縁が特に掘り下げられることは無かったんですが、まあ細けえことは良いのよ。この映画、三時間もやってたんだぜ? 膀胱炎になるわい。

■とても大事なことですが、キャラクターと役者さんは分けて捉えねばなりません。憎たらしい悪役を演じきった人に、心無い言葉を掛ける輩が私は大嫌いです。映画好きを自認するのであれば、それくらいの分別は最低限持ってなくちゃいけない。



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