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【心が弱ったとき】メンタルを一瞬で「無敵」にできる“超短い一言” - STOIC人生の教科書ストイシズム

いまシリコンバレーをはじめ、世界で「ストイシズム」の教えが爆発的に広がっている。日本でも、ストイックな生き方が身につく『STOIC 人生の教科書ストイシズム』(ブリタニー・ポラット著、花塚恵訳)がついに刊行。佐藤優氏が「大きな理想を獲得するには禁欲が必要だ。この逆説の神髄をつかんだ者が勝利する」と評する一冊だ。同書の刊行に寄せて、ライターの小川晶子さんに寄稿いただいた。(ダイヤモンド社書籍編集局)

【心が弱ったとき】メンタルを一瞬で「無敵」にできる“超短い一言”Photo: Adobe Stock

結婚式場で遭遇した「絶体絶命」

 絶体絶命。もう無理――。

 何度そう思ったことだろう。

 大学時代、私は某有名結婚式場で配膳のアルバイトをしていた。

 土日は一日に2件や3件の結婚式が入っているのは普通で、朝から晩まで披露宴会場の準備をして料理を運び、片付け、次の準備をし……というのをやる。正直、かなりハードだった。

 私は「鶴」や「亀」という記号のついた、新郎新婦の家族が座るテーブルを任されることが多かった。料理を持って入る入り口からは最も遠く、かつ、もっとも食べていただけないテーブルである。

 料理を持っていくと、丸テーブルには手のついていない皿が所狭しと並べられている。

 下げられるものはないか。

 テーブルを見回す。

 ない!

 絶体絶命。

 私は青ざめた。もう、1枚も皿が載らない……!

 料理を出すタイミングは決まっており、全員に一斉に出さなくてはならない。宴のプログラムは分単位で決まっているため、料理が遅れるとその後に支障が出るからだ。

 私は、終盤に予定されている「子ども花束」も担当だ。参列者の子どもが新婦に花束を渡すイベントがあるのだが、その花束を用意したり子どもたちを連れていったりする係である。絶対に間に合わせなくてはならない。

 頭がクラクラしてきた。他のテーブル担当が憐れみの目でこちらを見ている。

 私は平静を装い、あくまでも穏やかに言った。

「あたたかいお料理が出ます。お下げしていいものはございますか?」

「サラダは食べないから、これとこれと……」

 下げるべきものを指定してもらい、どうにかこうにか料理を出すことができた。

次々と訪れるピンチ

 ところが、これで終わりではなかった。

 大変なことになった。

 新郎の友人たちによる余興が長引いたのだ。酔っ払った彼らのトークが長く、なかなかダンスにうつらない。

 巻きでお願いします! ……心の中でそう祈りつつも、無理に急かすことはできない。

 その結果、なんと、ドンデンが10分ちょっとしかないというとんでもない事態になった。

 ドンデンとは、宴と宴の間のことだ。無事にお開きとなり全員が会場を出た後、次の団体の宴のドアオープンまでの時間。

 通常のドンデンは1時間くらいはある。この間にすべての食器を下げてクロスを入れ替え、掃除機をかけ、テーブルと椅子、新しいグラスやナプキンなどを配置しなくてはならない。

 今度こそ無理だ。

 絶体絶命。

 そんなに速く準備をできた試しがない。

 しかし次の宴のスタートを遅らせることはできない。

 みんな頭をフル回転させた。「よーい、ドン!」で力のある人は大きなケースを持って走り、テーブルの上のものを根こそぎケースに突っ込む。普段はグラスと皿は分けて下げるのだが、そんなことは言ってられない。

 クロスかけがうまい人はクロスを持って走る。各テーブルに投げ、キャッチした人がサッとかける。

 私も目の前のテーブルに素早くカトラリーを並べていく。全員が完成形をイメージして走った。他の部屋からも応援が来た。諦めるな! 強い気持ちで戦った。

 そして……

 ドアオープン。

 披露宴の参列者がぽつりぽつりと入ってくる。

 そこはいつも通り美しく整った会場。私はお客さまに「おめでとうございます」とお辞儀をした。

 勝った!

 このときほど「勝った」と思えたことはない。

ピンチを乗り越えるために

 私はこのハードなアルバイトが嫌で仕方なく、辞めたいと何度も思った。しかし、この経験を経て、「私は勝つためにやっている。これはスポーツだ」と考えるようになった。間違っているが、そう考えることで乗り越えることにしたのだ。

 そして、ノートに記録をしはじめた。先輩からのアドバイスや、その日に学んだことを書いて振り返るようにした。これらの経験やバイト仲間とのチームワークは、ピンチを乗り越えるための大切な資源だ。

 そうこうしているうちに、どんくさい私も評価されるようになった。

 もうやりたいとは思わないが、良い経験をさせてもらった。

 生きていれば「もう無理だ」「絶体絶命だ」と思うようなピンチが訪れるもの。冷や汗が流れ、逃げ出したくなるときもあるかもしれない。

 ストア哲学者のセネカは、こうアドバイスをくれている。

「勝つ!」と開き直る

困難には良識で立ち向かうとよい。
厳しいものは和らげることができる。
狭いものは広げられる。
重い荷物は巧みに担げば、軽くできる。
(セネカ『心の平静について』)
――『STOIC 人生の教科書ストイシズム』より

 困難な状況に対し、自分ならどう対処するか。

 逃げられるものなら逃げてもいい。

 だが、自分が乗り越えたいこと、乗り越える以外にないことであれば、使えるものは何でも使おう。知識、経験、スキル、人脈、資質など、意外とたくさんのものを持っているんじゃないだろうか。

 あらゆる資源を持って向かえば、絶体絶命と思った困難も小さくなったり軽くなったりする。

 そして一言、「勝つ!」と心に唱えてみてほしい。逃げないと決めたなら、開き直って立ち向かう以外にない。

 困難を乗り越えたときには、その経験がまた自分の資源になってくれるはずだ。

(本原稿は、ブリタニー・ポラット著『STOIC 人生の教科書ストイシズム』〈花塚恵訳〉に関連した書き下ろし記事です)

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