🧠 あらすじと概要:
あらすじ
『岸辺露伴は動かない 懺悔室』は、著名な漫画家岸辺露伴が主人公の作品で、彼が特異な能力「ヘブンズドア」を使って人々の人生を探求する物語です。物語の舞台は、影のあるリアルな描写が魅力的なヴェネツィアで展開され、その中で露伴はさまざまな人間ドラマに直面し、逃れられない運命を感じます。
記事の要約
この記事は、ファンアート制作を通じて『岸辺露伴は動かない 懺悔室』の感想を述べています。原作ファンとして、実写化の質は高く、特に高橋一生の演技とキャラクター表現が印象的であったと語ります。映画は短い原作内容を巧みに広げており、ストーリーは一貫性があると評価されています。また、岸辺露伴の能力について考えを深める中で、アナログとデジタルの対比についても触れ、個人の生きざまをどのように表現するかがテーマになっています。最後に、誰でも理解できる深いメッセージが込められていることを強調し、鑑賞を勧めています。
いや〜、想定していたより、かなり良かった
リアルにもう一度劇場に観に行くか迷ってます
岸辺露伴は、漫画家荒木飛呂彦先生の代表作”ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない“に登場したクセの強い漫画家のキャラクターです。
原作ファンとしては6年前にNHKのドラマで実写化される際、ちゃんと原作へのリスペクトが込められているか、あの独特の世界観を表現できているのかをかなりシビアな目で観ました。
(某監督制作の実写化作品がまぁヒドかったもので…)
結果的に、高橋一生さんの露伴はビジュアル含め存在感までもイメージ通りな上、演出もヘアメイクも音楽も実写化としては文句の言いようの無い仕上がり。それ以来、ドラマも映画も、マニアックな不協和音のサントラまでも全て繰り返し視聴してしまうほどハマっております。
NHKは漫画原作をドラマ化するのがすごく上手いですね✨
※先日最終回だった “しあわせは食べて寝て待て” の仕上がりと評判を見ても明らか。
ただ、今回の岸辺露伴スピンオフストーリーの原作に関しては、映画サイズにするにはかなり短い内容なので、どうやって違和感なくストーリーを膨らませながら着地させるのかが気になっていました。
が、そんな心配は不要な出来栄え!
後から追加された脚本と演出が、原作に馴染むように程よく話を広げてくれており、結末も実にしっくりきすぎて、どこまでがオリジナルなのか一瞬戸惑うほど。
舞台となったヴェネツィアも、観光用の華やかさはなく、少し影のあるリアルな描写になっていたのがとても良かったです。
人生の年表が紙の本である理由
岸辺露伴という人物は特殊能力を持っており、それを存分に活用して漫画家として大成功しているわけですが、その能力というのが”ヘブンズドア”です。
この能力を人に対して行使することで、対象を本にすることが可能な上、その本にした人間を「読む」ことで、その人の人となり、経歴、能力、本心といった個人情報を読み解くことができます。
発想やアイデアを必要とする漫画家にとっては、表に出てこないような最高のネタが周囲にゴロゴロ転がっているわけで、特殊能力を仕事に活かせるという超ウラヤマシ〜才能。
なんだかんだで、全ての物語って人間の心理や行動から始まりますから…
しかしデジタル化された現代に、なぜ紙の本である必要があるのかという疑問を抱く派もいるんじゃないかなと、ふと思いました。
士郎正宗先生の漫画『攻殻機動隊』では、人間の脳とコンピュータを直接接続する『電脳』が軸になっていますが、人間の記憶や思い出がデジタル画像やテキストで閲覧できてしまうこちらの方が、この先の未来を想像するにあたって、より現実味があるのは確かです。
それに対して、人間がアナログの紙の本になるという世界観は、とてもファンタジーで非現実的
でも、そもそも人間は有機的でアナログな”生き物”なわけで、歩んできた生き様や歴史、思考の海はデジタルで画一化された文字よりも”本”というアナログなもので表現する方が伝わりやすくマッチしているとも思います。
(※攻殻機動隊の世界観と比べて、どっちが上とか正しいとかを言いたいのではないので悪しからず)
人を本にした場合、紙の厚さも、材質も、フォントの種類やフォントサイズ、インクの色や文字の並べ方も違うってところにグッときます。
その違いによって新聞記事みたいだったり、ポエム集っぽかったり、小説風だったりと、その人の生きざまを味のある個性として読むことができるところに、デジタルよりも純粋な好奇心が刺激されるんじゃないかなーと。
デジタル本よりもアナログの本を好む世代の自分が、仮にヘブンズドアをかけられたとしたら…どんな誌面デザインになっているかをイメージしながら作ってみても面白いなぁなどと、実写化を観るたび考えたりしています💬
そんなこんなで、雑な考察を書き散らしてしまいましたが、観た感覚が薄れないうちに今回はスピード重視でファンアートを描きました。
露伴の表情と個性的な髪型を描写するのはとても楽しいですが、とくに高橋一生さんの”お鼻”って日本人にしては珍しいスッとした形状で、ローアングルに堂々と立ち向かえる美しさだなーと改めて感じました。
公私ともにパートナーになった飯豊まりえさん演じる泉 京香という編集者は、ダークで重くなりがちなストーリーに息抜きと華を添えてくれるので、非常に大事で欠かせない存在です。神経質で変人な露伴とは真逆で本当に色んな意味でお似合い☺️
その他のキャストの皆さんもそれぞれ原作愛滲み出る存在感で、語り出すと長くなりすぎるので割愛させていただきます🙏
原作知らなーいとか、漫画が元だからチョット…と抵抗感がある方でも十分理解できてメッセージは伝わるし、
”しあわせ” と ”絶望” という哲学的で深いテーマを考えさせてくれるスリリングで引き込まれる作品ですので、迷われている方はぜひご覧になってください!
…と頼まれてもいないのに勝手に宣伝してしまいました😁
夫が集めている原作の岸辺露伴関連書籍コレクション(一部)
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