Anker PowerLine III Flow USB-C & USB-C ケーブル Anker絡まないケーブル 100W 結束バンド付き USB PD対応 シリコン素材採用 iPhone 16 / 15 / Galaxy iPad Pro MacBook Pro/Air 各種対応 (1.8m ミッドナイトブラック)
¥1,890 (2025年4月29日 13:11 GMT +09:00 時点 - 詳細はこちら価格および発送可能時期は表示された日付/時刻の時点のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、購入の時点で当該の Amazon サイトに表示されている価格および発送可能時期の情報が適用されます。)
BMAX「I8」は、7.9型のAndroidタブレットだ。1万円台で入手可能な格安タブレットでありながら、2,048×1,536ドットという解像度の高さが特徴だ。
一般的に、8型クラスの格安タブレットは、1,280×800ドットといった低い解像度であることがほとんどだ。8型のタブレットがセールで安くなっていると聞いてチェックしたところ、期待していたよりも解像度が低く、回れ右した経験がある人も少なくないだろう。
本製品は2,048×1,536ドットという、先代のiPad miniと同じ高解像度でありながら、実売1万円台半ばというリーズナブルな価格を特徴としている。これだけの解像度でありながらこの価格ということは、何かが差し引かれていることが予想されるが、それが何なのか、そして実用性がどうなのかは気になるところだ。
今回は、筆者が購入した実機を用い、現行のiPad mini(A17 Pro)と比べつつ、その実力をチェックしていく。
iPad mini(第5世代)と同じ「7.9型」、「2,048×1,536ドット」
まずは現行のiPad mini(A17 Pro)、およびその2世代前、ホームボタンを搭載していたiPad mini(第5世代)と比較してみよう。
BMAX I8 | iPad mini(A17 Pro) | iPad mini(第5世代) | |
---|---|---|---|
発売 | 2024年(時期不明) | 2024年10月 | 2019年4月 |
サイズ(最厚部) | 336×201×34mm | 195.4×134.8×6.3mm | 203.2×134.8×6.1mm |
重量 | 328g | 293g | 300.5g |
CPU | Allwinner A523オクタコア | A17 Proチップ 2つの高性能コアと4つの高効率コアを搭載した6コアCPU 5コアGPU 16コアNeural Engine |
64ビットアーキテクチャ搭載A12 Bionicチップ Neural Engine 組み込み型M12コプロセッサ |
画面サイズ/解像度 | 7.9型/2,048×1,536ドット(326ppi) | 8.3型/2,266×1,488ドット(326ppi) | 7.9型/2,048×1,536ドット(326ppi) |
通信方式 | Wi-Fi 6(802.11ax) | Wi-Fi 6(802.11ax) | Wi-Fi 5(802.11ac) |
生体認証 | 顔認証 | Touch ID(トップボタン) | Touch ID |
バッテリ持続時間(メーカー公称値) | 6000mAh | 最大10時間(Wi-Fiでのインターネット利用、ビデオ再生、オーディオ再生) | 最大10時間(Wi-Fiでのインターネット利用、ビデオ再生、オーディオ再生) |
コネクタ | USB Type-C | USB Type-C | Lighining |
イヤフォンジャック | あり | – | – |
価格(発売時) | 1万6,900円(128GB) | 7万8,800円(128GB) 9万4,800円(256GB) 13万800円(512GB) |
4万5,800円(64GB) 6万2,800円(256GB) ※当時は税率8%だったため税別表記 |
※いずれもWi-Fiモデル |
画面サイズは7.9型と、8型クラスのタブレットの中でもやや小ぶりだが、本製品の最大の特徴は冒頭でも述べたように、2,048×1,536ドット(326ppi)というワンランク上の解像度にある。
「Fire HD 8」などエントリークラスの8型のタブレットに多い1,280×800ドットもしくは1,340×800ドットという200ppi以下の解像度は、電子書籍の見開き表示では解像度不足を感じることもしばしばで、仕方なく縦向きの単ページ表示で使わざるを得ないことがある。本製品の解像度であれば横向き、見開き表示でも十分なクオリティを備えている。
これに関連して、アスペクト比が4:3と、電子書籍向けなのもメリットだ。高解像度であるだけでも珍しいのだが、Androidタブレットでアスペクト比4:3というのはそれ以上にレアと言える。ちなみに「7.9型」、「2,048×1,536ドット」というスペックはかつてのiPad mini(第5世代)とまったく同一だ。
気になるパフォーマンスについては後ほどベンチマークで紹介するが、気をつけたいのはメモリ容量だ。製品ページのサムネイルなどでは「12GB」と大きくアピールされているが、これは仮想メモリを含んだ値で、物理メモリの容量は4GBだ。本製品に限らず中国メーカーのタブレットではこうした表記が多いので、きちんと区別して把握したいところだ。
ストレージは128GBだが、最大1TBのメモリカードの追加に対応できるなど、拡張性は高め。さらにイヤフォンジャックを搭載していることを、プラスに捉える人も多いだろう。生体認証としては指紋認証こそないものの、顔認証には対応している。
そして価格は実売1万6,900円と激安だが、セールでは1万円台前半まで値下げされていることも多い。ちなみに本稿執筆時点では4,000円オフクーポンが提供されていたりと、リーズナブルさが目を引く。
最大のネックはバッテリの持ち
では実機を見ていこう。筐体は、内部に無駄な空間があって強度が一定でないのか、強く押したりひねったりするとミシミシと音がする。剛性が低いようには感じないが、あまり気持ちのよいものではない。このあたりはやはり価格相応のイメージだ。
また外見で若干気になるのが、ボタンやスロットなど各部の役割を示すアイコンがやたらと目立つこと。これらが背面に印字されているのは、この種のデバイスに不慣れな人にはプラスだが、そうでない人には野暮ったく映る。製品の評価に直接関係しないが、好みが分かれる部分だろう。USB Type-Cポートだけなぜか印字がないのも解せない。
OSはAndroid 14。セットアップ手順は一般的なAndroidのそれで、特殊なフローはない。アプリは独自のものは少なく、Google製アプリが多くを占める。ちなみに電子書籍アプリとしては、Google Playブックスがプリインストールされている。
外観の印象としては、画面のアスペクト比が4:3ということもあり、第5世代以前のiPad miniと酷似している。ホームボタンこそないが、上下のベゼル幅がそこそこ広い点もそっくりだ。厚みは多少あるが、実際に手に取って使っている限りでは気にはならない。
さてそんな本製品だが、前知識なしでざっと使ってみて、すぐに気がつく特徴が2つある。1つは言うまでもなく解像度の高さで、Fire HD 8など、200ppiを切る解像度のタブレットとは一線を画している。これについてはのちほど詳しく見ていく。
そしてもう1つの特徴は、バッテリの減りが猛烈に早いことだ。本製品は6,000mAhと、バッテリの容量自体はそこそこあるのだが、使っていると残量がみるみるうちに減っていく。
電子書籍を30分読むと5%近く消費するのは我慢できるが、Prime Videoを1時間再生しただけで、バッテリの残量が100%から70%台まで急降下するのは、格安タブレットといえど明らかに速い。CATVのアプリを入れて野球中継を観ていたところ、3時間後には残量がわずか28%になっていたほどだ。
さらに困りものなのが、急速充電に対応していないことだ。本製品はUSB PD充電器に接続した場合で5W前後でしか充電が行なえず、USB Type-A仕様の一般的な充電環境のほうがむしろ高速なのだが、それでも8~9W程度が精一杯だ。バッテリが減るのはあっという間でありながら、満充電に戻すには、下手をすると一晩かかってしまう。現実的には、未使用時にはつねに充電ケーブルをつないでおかなくてはいけないイメージだ。
しかも、一部のUSB PD充電器とは相性が悪いようで、数秒おきに充電開始とリセットを繰り返す。使い方にデバイスを合わせるのではなく、デバイスのこうした特性に使い方のほうを合わせなくてはならず、それを許容できるかどうかが、1つのポイントとなりそうだ。
ベンチマークについては予想通り、かなり低い値。iPad miniよりスコアが低いのは当然としても、Fire HD 8と比べてもほぼ同等か、わずかに下といったところ。前回紹介したRedmi Pad SE 8.7の半分程度と言ったところだ。
ただし実際に使っていて耐えられないかというと、意外とそんなことはない。このクラスの格安タブレットでは、稀にタッチに反応しなくなり、タップし損ねたのか、それとも処理待ちなのかが判断できず、反応をじっと待たなくてはいけない製品もあるが、本製品は平均的に動作が重いだけで、きちんとレスポンスはある。
例外的にフリーズを疑うほど重いのは本体を再起動する時くらいで、そうした意味では、Fire HD 8やRedmi Pad SE 8.7に近いところがある。要するに、格安タブレットの中でもまだマトモな部類に入るということだ。高望みは禁物だが、ベンチマークで見える数値よりは、実際の印象ははるかによい。
アスペクト比4:3、表示性能も高く電子書籍との相性は良好
では電子書籍ユースについて見ていこう。サンプルには、コミックはうめ著「東京トイボクシーズ 1巻」、テキストは夏目漱石著「坊っちゃん」を使用している。
解像度は324ppiということで、格安タブレットとしてはやはり別格と言っていいクオリティ。iPad miniと並べてもまったく遜色なく、画面を横向きにしての見開き表示においても、表現力は文句なしだ。
またかつてのiPad miniと同じく、アスペクト比が4:3ということで、コミックを表示しても上下左右の余白がほとんどなく、没入感の高い読書が楽しめる。電子書籍ユースに極めて適した製品だと言えるだろう。
さらにAndroidということで、音量ボタンを用いたページめくりにも対応する。音量ボタンは画面を横向きにした状態では上部に配置されるが、電源ボタンよりも端に近い位置にあるので、左手の人差し指を使って押すのにも支障はない。ボタンの硬さも適切で、実用性は高い。
また液晶画面は視野角も広く、画面だけ見ていれば、到底1万円台の製品とは思えないクオリティで、格安であるようにはまったく感じられない。輝度はピーク時360ニトとあまり高くないので、直射日光下などでは見づらい可能性があるが、ネックとなる点はせいぜいそのくらいだ。
持ちやすさも優秀だ。左右のベゼルに一定の幅があることで、画面を横向きにして両手で持った時も保持しやすく、またタッチの誤反応も起きにくい。昨今のタブレットはベゼルの薄型化を追求しすぎて、安定して保持するためには最低限必要な幅すらない場合があるが、本製品はそのバランスもよく、ストレスもたまらない。
またタップやスワイプによるページめくりを行なう場合の、ページが横方向にスライドするエフェクトも引っかかりが少なく、スムーズだ。本製品は物理メモリが4GBのところ、仮想メモリとしてプラス8GBが利用できるので、その恩恵もあると考えられる。
強いて挙げるならば、Kindleのライブラリの同期など、クラウドとの同期が遅いように感じるが、ダウンロードの速度自体はFire HD 8などと比べても差は出ない。また前述のように電子書籍利用では動画再生と違ってバッテリの減りはそう極端に速いわけではないので、そうした意味でも電子書籍向けではある。
特性を知って使えば価格以上の満足感を得られる
以上のように、価格の安さには相応の理由があることがよく分かる製品だ。実用レベルをどこに置くかで評価は変わってくるが、動画であってもビットレートが高ければブロックノイズが発生して快適な再生は望めないし、またスクロールを多用するブラウジングは本製品には荷が重く、わざわざ使おうとは思わない。
現実的な用途としては、電子書籍がメインでちょくちょくYouTube、そうした使い方が関の山だろう。オールラウンド的な役割をこなせるタブレットを探しているのであれば、候補からは外したほうが無難だ。
一方で、電子書籍を読むにあたってスマホの画面サイズでは満足できず、それより画面の大きなデバイスを低予算の条件で探しているのであれば、本製品はぴったりとフィットする。なにせこの実売価格なので、懐もそう痛むことはない。過剰な期待をせず、特性を知って割り切って使えば、価格以上の満足感を得られるので、気軽に試してみてはいかがだろうか。
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