土曜日, 5月 24, 2025
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【大阪万博2025】55頭の大蛇、舞う!「石見神楽」が魅せる伝統の革新と未来への息吹 |


世界が注目する2025年日本国際博覧会(大阪万博)。この華やかな舞台で、日本の伝統芸能がかつてないスケールでその真価を問う。

島根県浜田市が誇る「石見神楽」が、じつに“大蛇55頭”という圧巻の編成で特別公演に臨むという。古より人々を魅了してきた神楽は、未来を創造する万博という場で、私たちに何を見せてくれるのだろうか。

万博を揺るがす「大蛇」誕生の背景と
観客を惹きつける仕掛け

島根県浜田市は、大阪万博の開催期間中である6月19日、20日の2日間、万博会場内EXPO ホール「シャインハット」にて、石見神楽の特別公演『Essential HAMADA / World Heritage IWAMI KAGURA』を開催する。この公演の最大の目玉こそ、55頭もの大蛇が乱舞する演目「大蛇(オロチ)」だ。

そもそも石見神楽とは、日本神話などを題材に、勇壮な舞と軽快な囃子、そして絢爛豪華な衣装や表情豊かな面が一体となった島根県西部、石見地方を代表する伝統芸能。浜田市内には、現在も50を超える神楽団体が活動しており、地域文化として深く根付いている。

今回の万博公演では、直径18mの巨大な円形ステージが設えられ、プロジェクションマッピングといった現代テクノロジーを駆使した演出も計画されているという。これは、半世紀以上前の1970年、大阪で開かれた万国博覧会において、石見神楽が「大蛇退治」として13頭の大蛇を登場させ、国内外でその名を轟かせた歴史的成功の再現、いや、それを超える挑戦といえるのかもしれない。

大蛇 / おろち©浜田市

伝統×COTOH氏=?
アートの力で神楽はどこへ向かうのか

今回の万博公演プロジェクトにおいて特筆すべきは、伝統芸能と現代アートの鮮やかな融合だ。国内外で活躍するイラストレーターCOTOH氏が、同公演のために描き下ろしたキービジュアルが公開された。そのビジュアルは、石見神楽が持つ神秘性や力強さを、COTOH氏ならではのシャープで現代的な感性を通して再構築し、見る者に強烈なインパクトを与える。

このような現代クリエイターとの積極的なコラボレーションは、石見神楽がこれまでリーチできなかった新しい観客層、特に若い世代や海外の人々へのアピール力を格段に高めるはず。

さらに、公演情報を発信する特設サイトも開設されており、デジタルネイティブな層への情報拡散も抜かりない。伝統に安住するのではなく、常に新しい表現方法を模索する姿勢。これこそが、石見神楽が時代を超えて生き続けるための重要な鍵ではないだろうか。

COTOH氏 描き下ろしキーヴィジュアル©浜田市

石見神楽の「挑戦」が示す
伝統芸能サバイバルの新たな道筋

日本の多くの伝統文化が、後継者不足や担い手の高齢化という深刻な課題に直面しているのは周知の事実。たとえば文化庁の調査資料などからは、文化財の担い手の多くが60歳以上であるといった厳しい現状がうかがえる。しかし、今回の石見神楽の取組みは、そうした逆境に対する力強いアンサーとなるかもしれない。

大阪万博という国際的な大舞台、博覧会協会の基本計画によれば約2820万人もの来場者を見込んでおり、経済産業省の再試算(24年3月発表)では約2.9兆円という莫大な経済波及効果も期待されている。

巨大な注目が集まる場で、55頭の大蛇という誰もが見過ごせないスペクタクルを披露することは、石見神楽そのもののブランド価値を飛躍的に高め、日本の伝統芸能が持つエンターテインメントとしてのポテンシャルを世界に示す絶好の機会となる。それは、単なる文化の保存を超えた、積極的な「文化創造」であり、未来を担う新たな才能を惹きつける磁力ともなりうる。

地方創生のカンフル剤となるか?
石見神楽が拓く、世界への扉とその先

インバウンド需要が回復基調にあるとはいえ、その恩恵が東京や京都といった大都市圏に集中しがちな現状は否めない。日本政府観光局(JNTO)の統計データなどを見ても、地方への誘客促進は依然として大きなテーマだ。

たとえば島根県の場合、2019年のインバウンド消費額は19億円(全国46位)、1人1回あたりの旅行消費額単価は2万7400円(全国33位)といったデータ(JNTO「訪日外客消費動向調査」より推計)もあり、その魅力を十分に伝えきれていない可能性がある。

まさに、大阪万博は、石見神楽のような地方の至宝にグローバルな光を当てるための、またとない触媒ではないだろうか。今回の公演が国内外で大きな話題を呼べば、それは浜田市、さらには島根県全体の認知度向上に直結し、新たな観光客の流れを生み出す可能性も。それは、日本政府が推進する「クールジャパン戦略」とも共鳴し、文化を核とした持続可能な地域振興のモデルケースとなりうるのではないだろうか。

伝統と革新が交差する点で新たな価値を生み出し、アートとテクノロジーの力を借りてその魅力を増幅させ、国際的な檜舞台を通じて世界にその存在を知らしめ、ひいては地域社会に新たな活力を吹き込む。

壮大かつ戦略的なこの文化プロジェクト。55頭の大蛇が巻き起こすであろう熱狂の先に、私たちは日本のローカルカルチャーが持つ、まだ見ぬ可能性と未来への希望を見出すに違いない。

©浜田市

WAMIKAGURA HEROES 石見神楽「大蛇」降臨!受け継がれる情熱の軌跡 ~石見神楽を創り出したまち浜田~ 』

【開催日時】
6月19日(木) 18:00~
 6月20日(金) 10:30~ / 14:00~ / 18:00~
 ※各回 約2時間を予定
【会場】
EXPOホール(シャインハット)|大阪・関西万博会場内
【特設サイト】
https://hamada-iwamikagura.com/expo2025/
【公演演目】
大蛇 / おろち、神迎 / かんむかえ、大江山 / おおえやま、恵比須 / えびす

Top image: © 浜田市





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🧠 編集部の感想:
大阪万博での石見神楽公演は、伝統と現代アートの素晴らしい融合を示しています。55頭の大蛇が舞う演目は、観客に強烈な印象を与えることでしょう。日本の伝統文化が国際舞台で新たな輝きを持つことに期待が高まります。

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