日曜日, 6月 1, 2025
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【古典邦画】「斬る」TOMOKI

🧠 あらすじと概要:

あらすじ

1962年の大映作品「斬る」は、三隅研次監督が手がけ、柴田錬三郎の原作を基に新藤兼人が脚本を執筆した時代劇です。主演は市川雷蔵で、彼の華麗な剣捌きが光ります。物語は、不運な生まれの若い侍・信吾が剣を生きがいとして成長し、彼を軽視する武士たちとの戦いを経て、最終的に主君に殉じるまでのドラマを描いています。信吾の周囲には、義理の妹や武家の女、悲運の母親など、重要な女性たちが絡みつき、物語を豊かに彩ります。

記事の要約

「斬る」は、短いながらも美学に満ちた作品であり、市川雷蔵の魅力が際立つ傑作です。特に三隅監督による視覚的演出や、剣をテーマにした深いドラマが印象的で、細身の雷蔵が見せるクールな姿勢が映像美を一層引き立てています。作品では、理不尽に死にゆく耽美主義の美しさが描かれており、見る者に強い感銘を与える内容となっています。

【古典邦画】「斬る」TOMOKI

時代劇だったらこの人、三隅研次監督の、1962(昭和37)年の大映作品「斬る」。

原作は柴田錬三郎だが、脚本は新藤兼人だ。

主演は市川雷蔵。この作品と、同じく彼主演の「剣」(三島由紀夫原作)と「剣鬼」で“剣三部作”という。

70分強と短い作品だが、一つの美学であると思う市川雷蔵の華麗な剣捌きが味わえる。三隅監督は、日本刀に太陽の光が反射してキラッと光るというニクい演出をするのだ。

不運な生まれの若い侍・信吾が、剣を生き甲斐とし、彼を蔑ろにする武士らと剣を交え、ついには主君に殉じて腹を斬るまでの生涯。

仲が良かった義理の妹、身代わりとなって弟を助けた武家の女、そして、悲運の母親と3人の女とその死が、そこに絡んでくる。

特に、武家の女の、自ら裸になって追っ手を阻む様は、エロチックで衝撃である。

落ち着いた静かなトーンによって、映像美ともいえる雰囲気を醸し出しており、細身の雷蔵のクールな魅力が輝く大映時代劇の傑作だと思う。それは、やはり理不尽にも死にゆく耽美主義の美しさである。



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