🧠 あらすじと概要:
映画「妻二人」は、1967年に増村保造監督によって制作された作品で、脚本は新藤兼人が手がけています。この映画は、複雑な人間関係を描いたもので、登場人物たちの欲望や愛情が絡み合います。
### あらすじ
物語は、作家志望の健二(高橋幸治)が、生活を支えてくれた順子(岡田茉莉子)と別れ、社長令嬢の道子(若尾文子)との政略結婚を選ぶところから始まります。再び順子と再会した健二は、彼女が作家を目指す若者を養っている事実を知りますが、その青年は暴力的で計略を巡らせていました。様々な事件が続く中、健二は道子の誠実な愛情に応えつつ、彼女の運命を翻弄する状況に立たされます。
### 記事の要約
記事では、「妻二人」が描く人間の欲望や愛情の複雑さについて語られています。健二は妻と愛人の両方に対する誠実さとその結果生じる悲劇について考察し、特に道子の最期を通じて誠実な愛情が損なわれることに言及しています。また、古い価値観が描かれている作品であることに触れつつ、若尾文子の魅力についても感想が述べられています。全体として、映画が持つ社会的な批判や人間の本質についての洞察が浮かび上がります。
上から下まで、人間のやってることは同じことで、金と欲、地位を得ようと、男女の愛情さえも材料に使う。
そんな中で、順子に惹かれつつも、暴行しようとした青年を拳銃で撃って殺した妻を見捨てることができずに、彼女が示す誠実な愛情に応えようとする。しかし、最後は道子の自殺という悲劇となるが。
結局、健二は、道子も順子も失うことになるのだ。誠実な愛情を持った人間が損をしてしまうという増村監督の愛情に対するアンチテーゼだろうか。
道子の父親の、出版会社の社長を演じた三島雅夫が、女子社員を愛人に持つ(夫の社員は公認)、どスケベの、強権的で封建的なハゲオヤジであるが、出版会社が、主婦をターゲットに、誠実と清潔をモットーとしているので笑っちゃう。
岡田茉莉子の順子は、自分が食えなくても男を支えるような古風な女であるけど、健二の場合もそうだけど、元々、そういう末路にいる男が好きなんだね。
古い価値観の作品だが、昭和世代の俺には面白かった。
しかし、若尾文子はエエなぁ。
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