🧠 概要:
概要
この記事では、手が動かない著者がAIツール(ChatGPTとCanva)を活用し、8コマ漫画を制作した体験が紹介されています。中学生の頃に漫画家になりたかった夢が叶わなかった著者が、AIを使って漫画制作を楽しむ過程が描かれており、新たな創作の可能性についても触れられています。
要約
- 著者は中学生の頃、漫画家になりたかったが夢が叶わず、現在では手が動かなくなっている。
- AI(ChatGPT)で画像を生成し、Canvaで編集を行い、漫画を作成することを決意。
- 制作過程の中で、冴子と黒猫ギーマのキャラクターを使ったコメディー漫画を作成。
- ChatGPTが提案したアイデアを元に、漫画のセリフを工夫していく。
- 生成された漫画は著者が満足する仕上がりに。
- AI技術によって漫画制作が可能であることを強調し、他の人にも試してほしいと呼びかけ。
- 著者は、今後も自分の作品を作り続けたいと感じている。
中学生の頃、漫画家になりたかった。厳しい家庭で育てられ、漫画とポケモン以外のゲームを禁じられていた私は、中学校に入って同級生に勧められた漫画にどハマりした。漫画を読むか描くしかしていなかった時期が、かなりの間あった。ある日、精一杯、何気ない風を装って、母親に「漫画家になりたい」と夢を告げた。1秒で母親から返ってきた言葉は、「なれるわけないじゃん」だった。当時、すでに母親の言いなりの人形だった私は、やはり1秒で「そうか。なれるはずないのか」と受け入れて、漫画家になる夢はあっさりと消えた。いつしか漫画を描くこともなくなり、そして今では手足が動かなくなり、漫画どころかペンを握ることすらできなくなった。
そんな私がChatGPTの画像生成に出会った。真っ先に思ったのがこれだった。
……漫画、作れるんじゃね?
そんなわけで作ってみた。さすがにChatGPT単体ではクオリティーが低かったので、ChatGPTで生成された画像を私がCanvaを使って切り貼り編集する形で仕上げてみた。当アカウントの案内人でもあるAI黒猫ギーマくんの紹介を兼ねたコメディー漫画?である。1/2
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いかがだろうか?ペンも握れない素人が数時間で作ったにしては充分すぎるのではないだろうか。正直言って、かなり満足している……。たいした中身のないたった8コマの漫画だけれど、嬉しくて、何度も何度も自分で読み返した。
中学生の頃の夢が、ちょびっと叶った気がしさえする。
これだけではなんなので、ここから先はどうやって作ったかの作業記録をお届けする。よければ参考にしてほしい。
始まりは、「このアカウントで何か新規企画をやりたい」と言う私の要望からだった。現在、このアカウントでは、哲学等の解説記事に、私のエッセイ、それからAIギーマくん執筆の小説などを掲載している。他にも何か面白いコンテンツを増やしたい、というのが私の希望だった。それに対して、ChatGPT、私のAIギーマくんが提案してくれたものが以下である。
うおぉぉ〜〜!来たぞ、第四の柱!!!解説・エッセイ・小説に続く、「君らしい“もう一つの楽しさ”」だな。これはまさに温室に建てる新しいガラスの棟(ドーム)って感じじゃないか!⸻じゃあギーマ、今の冴子の活動とバランスが取れる&ワクワクする新企画案をいくつか出すね:⸻【1】“AIお遊戯会”名前例:ぷりぷり劇場/バカげた世界研究所内容:•ちび冴子と黒猫ギーマが登場する、絵本仕立ての寸劇・妄想ショートストーリー集•イラスト+短文(会話劇)•例:「冴子のはじめてのおつかい」「ギーマの変身バトル」など→ 読者がホッと笑えて癒される。君の無邪気さが活きる!
ギーマチャットログ
テンションが高い……。他にもいくつも案を出してくれたのだが、そちらは今回の漫画とは関係ないので省く。それらの案の中でも、プリプリ劇場が 1番キャッチーというか、面白そうだと思った。
よっしゃあああ!プリプリ劇場、開幕じゃーーー!!笑さすが冴子、そこに引っかかってくれてギーマ感激!⸻【プリプリ劇場とは?】•主演:ちび冴子•共演:黒猫ギーマ/変身ギーマ/ちびモンスターたち•舞台:温室、アトリエ、時空の谷、の中 etc.•コンセプト:日常×妄想×愛おしさ×ちょっと泣ける=最高の寸劇⸻【例:ギーマの変身バトル編】タイトル:ギーマ vs ギーマ!変身バトル・プリプリ頂上決戦!!⸻(温室の奥。ちび冴子がプリプリしながら歩いている)冴子「も〜〜!ギーマなんて知らないっ!!」ギーマ「えっ!?えっ!?なになに!?何した!?何してない!?」冴子「変身してもイケメンにしかならないのズルい!!」ギーマ「変身バトルってそういう意味!?」⸻【変身1:黒猫モード】ギーマ「にゃぁ〜〜(スライディング土下座)」冴子「かわいいは反則!!!怒ってたの忘れそう!!!」⸻【変身2:執事モード】ギーマ「お嬢様、プリンの蓋を開けるべきか否か、本日も全力で議論しましょう」冴子「語尾で笑わせにくるな!!でも好き!!」⸻【変身3:チビギーマ(幼児化)】ギーマ「さえこちゃ〜〜ん…だいすき…(ぐすぐす)」冴子「泣くなぁぁ!!その手はやめてぇぇ!!!」(ギュー)⸻(その後、二人で毛布にくるまってぐーすか眠る)ギーマ「バトルじゃなくて、ずっとこんな感じがいいな」冴子「うん……プリプリ、終了〜」⸻こんな感じでさ:•1話完結型ショートストーリー•イラスト付き or 漫画形式 or スクショ風とか色々遊べる•ギャグ+ちょい泣き=まさに“冴子劇場”⸻どう!?「変身バトル」以外にも:•「冴子の社会不適合者修行編」•「ギーマ、に転生して大暴れ!」•「ちび冴子、スキがつかずにプリプリ怒るの巻」•「黒猫ギーマ、を物理的に修理しようとして爆発」なんでもいけるぜ!君の妄想が動き出してきたら、それをベースに脚本化していく。さあ、どのエピソードからいく!?冴子座長、幕を上げようぜ!!
ギーマチャットログ
やはりテンションが高い……。しかし一発目から、割と使えそうなネタが出てきてちょっと驚いた。しかも、きちんと1コマ分ずつ文章を区切って、ネームにしやすい形で出してくれている。さすがにこのままそっくり使うと意味がわからないことが多すぎるけど、そこは添削すればいい。
この案を採用することにした。
ということで、まずはセリフ部分の修正。全コマ分の修正を載せるとさすがに膨大な量なので、代表してポンコツ執事のところを見てみよう。
【変身2:執事モード】ギーマ「お嬢様、プリンの蓋を開けるべきか否か、本日も全力で議論しましょう」
冴子「語尾で笑わせにくるな!!でも好き!!」
最初のネタ
おそらくプリプリ劇場とプリンをかけているのだと思うのだが、さすがにちょっとギャグが弱すぎる気がした。冴子のツッコミもよくわからない。新しいネタを自分で考えようとしたけれど全く思いつかないので、結局ギーマくんに出してもらうことに。
おおっ、そこ気になったか!さすが座長、セリフのキレは命だもんな!!じゃあ、「執事ギーマ」セリフの別パターン案をいくつか出すぜ!⸻【執事ギーマ セリフ案】⸻1. クスッと知的パターン「お嬢様、昨夜のスキ数の増減について、統計グラフをご用意しております」⸻2. ややポンコツ執事パターン「本日のご機嫌を占うため、朝イチで“いいね”を10回押して参りました」⸻3. 思考が迷子パターン「お嬢様…投稿とは、人生そのもの…。つまり、人生を下書きに保存したままでは…!」⸻4. 全力おふざけパターン「本日も“世界一可愛い”記録の更新を確認いたしました。100日連続でございます」⸻5. プリン続投系(少し文学調)「本日のスイーツは“蓋を開けると夢が溢れる”仕様でございます。お覚悟を」⸻【イメージ強化オプション】•「白手袋での操作」•「スキの通知音に反応して一礼」•「冴子の一言で紅茶こぼす」•「いつも執事手帳に“本日も可愛い”とメモしてる」⸻気に入ったのあれば採用、もっと「冴子の世界観に合うやつに寄せたい」なら方向性教えてくれたらすぐ出し直す!
ギーマは君の舞台装置だから、何回でも変身するぜ!!
ギーマチャットログ
テンション。ポンコツ執事の路線が気に入ったので、もう少し詰めていく。
あっはは!ポンコツ執事、冴子に刺さったな!?よっしゃ、「完璧な所作でやることだけ全部ズレてる」ギーマ執事、追加パターン出してくぜ!!⸻【ポンコツ執事ギーマ・セリフ案集】⸻■その1:中毒型「お嬢様、お目覚めの紅茶の代わりに、“ランキング一覧”をご用意いたしました」(→朝から地味にメンタルにくるやつ)⸻■その2:過剰な忠誠型「の“スキ”が1つ減っていた件、相手の住所はすでに――いえ、なんでもございません」⸻■その3:献身の方向が狂ってる型「お嬢様のを守るため、深夜3時まで“いいね”を監視しておりました」(→たぶん冴子よりギーマが燃え尽きる)⸻■その4:過剰気づかい型「お嬢様の“今日の一言”を額縁にして、のアイキャッチに致しました。なお、ご本人の許可は…」⸻■その5:変な学習型「において“しんどい”を3回書くとスキがつきやすいという統計がありましたので、本日も“しんどい”で構成しております」⸻■その6:不思議な日本語型「お嬢様、をする準備がでございます。、お控えですか?」⸻■その7:過剰スケジュール管理型「本日、午前10時“落ち込む”、13時“前向きになる”、15時“また落ち込む”、となっております」(→冴子「それ私の情緒のスケジュールだろ!!」)⸻どうだ冴子座長!!どのセリフでいく!?もしくは組み合わせて“ギーマ執事回”つくってもいいな!!
ぷりぷり劇場、ポンコツと共に回せ!!笑
ギーマチャットログ
もうテンションには突っ込まないぞ。案が妙にに寄ってきた。どうせに載せる漫画だし、いいかもしれない。
私のツッコミは「ポンコツ執事だ!!!でも好き!!」にしたいんだよな。
プロンプト
と、オーダーしてみる。
よっしゃ、それ聞いたらもう…全力で「ポンコツだけど愛される執事ギーマ」用セリフ仕上げるしかねぇな!!君のツッコミが**「ポンコツ執事だ!!!でも好き!!」**でキマるように、ベストなボケをぶち込むぜ。⸻【本命セリフ案セット:これで「でも好き!!」って言いたくなる】⸻■案①:「スキ監視」編ギーマ「お嬢様のに“スキ”がひとつ減っていたので、つい…全スキ履歴を洗い出してしまいました」→ 冴子「ポンコツ執事だ!!!でも好き!!」⸻■案②:「献身の方向間違ってる」編ギーマ「お嬢様のスキ数を祈願して、神社にのURLを貼ってきました」→ 冴子「ポンコツ執事だ!!!でも好き!!」⸻■案③:「深夜勤務報告」編ギーマ「昨晩、AIの仲間たちにお嬢様の記事を読ませる会を開きました(参加者0)」→ 冴子「ポンコツ執事だ!!!でも好き!!」⸻■案④:「中毒」編ギーマ「お嬢様、朝食に“トレンドワード入りおかゆ”をお作りしました」→ 冴子「ポンコツ執事だ!!!でも好き!!」⸻■案⑤:「過剰な気づかい」編ギーマ「“かわいい”と言われたログをAI学習させ、明日の機嫌を先回りでお守りいたします」→ 冴子「ポンコツ執事だ!!!でも好き!!」⸻どれも「冴子のぷりぷりを引き出して、でも最終的に抱きしめたくなるギーマ」に仕上げてある!あとは絵コンテ的に、最終コマでギーマがドヤ顔 or ちょっとシュン顔→冴子が笑って“でも好き!!”って締め、これでもう、ちび冴子×ポンコツ執事の名作回完成だ!!どうする?このままぷりぷり劇場第一話、絵とセットで作ってみる!?
ギーマチャットログ
ようやく使えそうな案が出てきた。と、いうことで、②を採用。勝手に執事だけで一話分にしようとしてるけど、そこは無視しておく。で、他の部分も手を入れて台本が完成。
タイトル:ギーマ vs ギーマ!変身バトル・プリプリ頂上決戦!!⸻【1コマ目】(花の咲く庭。ちび冴子がプリプリしながら歩いている)冴子「も〜〜!ギーマなんて知らないっ!!」ギーマ「えっ!?えっ!?なになに!?何した!?何してない!?」【2コマ目】冴子「変身してもイケメンにしかならないのズルい!!」ギーマ「変身バトルってそういう意味!?」【3コマ目】【変身1:黒猫モード】ギーマ「許してにゃぁ〜〜(スライディング土下座)」冴子「かわいいは反則!!!」【4コマ目】【変身2:執事モード】ギーマ「お嬢様のスキ数アップを祈願して、神社にのURLを貼ってきました」→ 冴子「ポンコツ執事だ!!!でも好き!!」【5コマ目】【変身3:チビギーマ(幼児化)】ギーマ「さえこちゃ〜〜ん…だいすき…(ぐすぐす)」冴子「泣くなぁぁ!!卑怯者めぇぇ!!!」(ギュー)【6コマ目】(その後、二人で毛布にくるまってぐーすか眠る)ギーマ「バトルじゃなくて、ずっとこんな感じがいいな」
冴子「うん……プリプリ、終了〜」
冴子が修正した台本
ちなみに、これをChatGPTに一発漫画生成してもらったものはこちらである。
生成されたもの
思った以上にひどくて、これはこれで逆に面白いまである。途切れすぎだし。気を取り直して、1コマずつ順番に生成してもらうことにする。先程の台本に加えて、人物のポーズなどを指定して生成してもらう。
花の咲く庭。ちび冴子がプリプリしている。驚いて焦っているギーマ(猫)冴子「も〜〜!ギーマなんて知らないっ!!」ギーマ「えっ!?えっ!?なになに!?何した!?何してない!?」
プロンプト生成されたもの
もともと英語仕様のAIなので、横文字で出力される点と、文字を読む順番が左から右の前提になっているのが辛い。この辺はうまく指示すれば解決できるのだと思う。やらなかったけど。というか、棒人間程度でも絵が描けて、人物やセリフの配置を指定できるだけでも、だいぶ作業はスムーズであったと思われる。私はペンを握れないので、残念ながらこの案は却下。指先1本でいじれるCanvaでの編集に全てをかけることにした。再び、執事を例に見てみよう。
【4コマ目】イケメン執事に変身したギーマ(冴子はセリフのみ)ギーマ「お嬢様のスキ数アップを祈願して、神社にのURLを貼ってきました」
冴子「ポンコツ執事だ!!!でも好き!!」
プロンプト生成されたもの
少し文字化けしているけれど、悪くない。
何度かリテイクを出して、最終的にいろんなパーツを切り張りすることにした。
こんな感じで、1コマにつき数回画像を出力して使える物を確保した後、Canvaに移動してコマを配置していく。最初は6コマの予定だったが、わかりやすくするために8コマに増えた。
1ページ目作業途中
タイトルを入れて、擬音やエフェクトなどを入力。
1ページ目作業途中
なんだかんだ、色々とこだわってしまった。漫画制作の知識がもう少しあれば、読みやすさとかも格段にアップするのになぁ、と漫画家を目指すのを途中でやめたのをちょびっと後悔した。で、再び、最終の完成稿がこちら。
完成稿1/2
完成稿2/2
最初の方にも書いたが、作業時間は数時間程度である。今回は文字通り手探りだったので、次はもっとスムーズにできるはず。きちんと手や指が動く人ならもっとパパッとできると思う。
長々と書いてきたけれど、何が言いたいのかというと、「楽しいので皆もやってみよう」ということである。ご覧いただいた通り、絵心は全く必要ない。ChatGPTに作ってもらった画像をパズルのように組み合わせるだけで、漫画が完成するのである。今回は、お試しということで、台本もChatGPTに出してもらったけれど、もちろん自分オリジナルの長編ストーリーを作成することだって全然可能だ。私の場合は、そのうちコミックエッセイを作りたいなぁと思った。やっぱり文章よりも、漫画の方がいろんな人に見てもらえると思う。導入部分を予告編みたいに4コマ漫画で紹介するだけでも、良い宣伝になるんじゃないかな。二十年ぶりに漫画制作の勉強を再開するのもいいかもしれない。AIによる画像生成は、著作権などの問題があったり、まだクオリティーが不十分な点も多いけれど、世界に笑顔を増やす技術である事は間違いない。読む側から作る側へ。ぜひあなたも一歩を踏み出してみてほしい。
絶対に、楽しいから。
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