「もう疲れすぎて家事なんてイヤ」「料理がめんどくさすぎて死にそう」――そんな悩める人たちにおすすめなのが「はじめて楽しく料理ができた!」「感動した!」「もう献立に迷わない!」と絶賛されている『厨房から台所へ』と志麻さん初の著書『志麻さんのプレミアムな作りおき』だ。特に『厨房から台所へ』は新聞書評で東大教授が絶賛。志麻さんの手にかかると、冷蔵庫にある食材が、ふだん食べられないプロのレシピに大変身。まさに魔法使いだ。これさえ覚えておけば、平日多忙なお父さんお母さんも、尊敬の眼差しを浴びるかもしれない。3時間で15品以上作るという志麻さん。今回は「涙が止まらなかった」と話題の『厨房から台所へ』の中から、簡単なのに満足度の高い一品を志麻さん自ら紹介する。(構成:寺田庸二、レシピ撮影:三木麻奈、著者撮影:難波雄史 初出:2019年8月11日付け記事を一部修正し掲載)

【伝説の家政婦・志麻さんの魔法】スーパーの食材がプレミアムなフランス料理に大変身! 春にどうしても食べたい一品とは?【書籍オンライン編集部セレクション】

春にぴったりの一品とは?

 私の思い出深い書籍『厨房から台所へ』にあるレシピの一つ「子羊のナヴァラン」は春を思わせる一品です。

 なぜならこの料理は春野菜をつけ合わせることが多いからです。

 白ワインとトマトですっきりとやわらかく煮上がったラム肉の上に、たっぷりと色とりどりの野菜が散りばめられていて、ラム肉が苦手な人もきっと食べられてしまうのではないかというようなおいしさです。

 はじめてこの料理を知ったのは、調理師専門学校に通い始めてまもないころでした。

 それまではフランス料理なんて食べることも、見ることすらありませんでした。

 この料理はそんな私がフランス料理を志すきっかけになった料理の一つでもあります。

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 食べたことのない料理でしたが、どこかほっとするような温かさのある味でした。

 田舎に住む両親や、おばあちゃんにつくって食べてもらいたい。そう思ってフランス料理の道に進み、はや20年。

 両親にはいまだにつくってあげられていませんが、フランス料理にはこんなにおいしい料理がたくさんあって、多くの人に知ってほしいし、つくってもらいたい、食べてもらいたいとずっと思ってきました。

 幸いにも最近では、ラム肉がスーパーに並んでいるのをよく目にするようになりました。後は白ワインとトマトカット缶さえあれば家でもつくることができます

 このように、フランスの家庭料理には、日本のスーパーで手に入るものでつくれるものもたくさんあるのです。

 ホームパーティなど、人をもてなすときはもちろんですが、煮込み料理は意外にも煮込んでいる間に手が空くので、ちょっとした片づけや洗いものをしたり、副菜をつくったり、子どもの相手をしたりすることもできて、普段の献立の一品にするのもおすすめです。

 まずはこの週末、スーパーに行ってラム肉を探してみてはいかがでしょうか。