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関税の影響じわり
米生産者物価指数(PPI)は予想外に低下し、5年ぶりの大幅な落ち込みとなった。総じて利益率の低下を反映しており、企業が関税引き上げによる影響を一部吸収していることを示唆した。米小売売上高は前月に比べて伸びが大幅に鈍化。関税に伴う物価高への懸念を背景に、自動車やスポーツ用品など輸入品の買い控えが目立った。米製造業生産は関税の逆風が吹く中で6カ月ぶりのマイナス。ニューヨーク連銀製造業景況指数は3カ月連続で縮小圏にとどまった。米住宅建設業者の業況感も関税の影響から2023年11月以来の低水準となった。
可能性排除せず
JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、リセッション(景気後退)に陥る可能性は依然残っているとの見方を示した。「回避できることを望むが、現時点でそれを排除しない」とブルームバーグテレビジョンで発言。景気後退になった場合の深刻度や期間については分からないと述べた。トランプ関税に伴う市場のボラティリティーで、一部の顧客は投資を控えていると指摘。関税を巡る混乱の影響で米国への投資が減少する恐れがあるとしながらも、「もし全資産を一国につぎ込むとしたら、投資先はなお米国だろう」と述べた。
巨額の含み損
日本と台湾の生命保険会社は数十億ドル規模の含み損に直面している。トランプ大統領の通商政策が引き起こした市場の混乱に加え、日本の場合は超長期国債利回りの急上昇という二重の打撃を受けている。特に日本の30年・40年国債利回り上昇により含み損を抱えている生保各社が直面する課題は複雑だ。明治安田生命などが国内債の比率を下げる一方で、日本生命は低利回りの債券と入れ替える目的で超長期債の購入を継続。富国生命、太陽生命、大樹生命、大同生命なども円建て債の保有拡大を計画している。
「何も解決せず」
トランプ米大統領はロシアのウクライナ侵攻について、自分とプーチン大統領が会うまでは何も解決しないとの見方を示した。「プーチン氏が(トルコで行われる交渉の場に)行かないのは明らかだ。私が行かなければ、プーチン氏も行かない」と大統領専用機内で記者団に語った。ウクライナのゼレンスキー大統領は、代表団を派遣するロシアの姿勢を「見せかけ」と一蹴した。同氏はウメロフ国防相が率いる交渉団のイスタンブール派遣を承認。協議は米国およびトルコの当局者も立ち会い、15日または16日に行われるという。
枠組み見直し
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は米金融政策決定の指針となる枠組みについて、主要部分の変更を検討していると明らかにした。これには雇用の目標未達に対する見方や平均インフレ目標などが含まれる。現行の枠組みは低金利・低インフレ時代に設定されたものだと指摘。「幅広い経済環境や展開に対応できる強固な合意文書を目指していく」と表明した。前回の見直しが完了した2020年から経済環境は大きく変化したとし、「供給ショックがより頻繁、かつ場合によってはより持続的に起こる局面に入っている可能性がある」と述べた。
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🧠 編集部の感想:
関税の影響が米経済にじわじわと及んでいることが浮き彫りになっています。企業の利益率低下や消費の鈍化が、政策の持つ不安定さを示しています。リセッションの可能性を指摘する声がある中、今後の展開に注意が必要です。
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