【メディア出演レポート】Heart FM 『Queen of Hearts』2025/06/05中島正博＠スノーフレイク・コンサルティング合同会社

2025年6月5日、エフェ会主宰者の中島がハートFMの『Queen of Hearts』に出演し、エフェクチュエーションについてお話をさせていただきました。その際の対談の様子をレポートさせていただきます。

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ライラ（以下、ラ）： 本日のゲストは、スノーフレークコンサルティング合同会社の中島正博さんです。今日は「エフェクチュエーション」という、皆さんには馴染みのない言葉について教えていただきます。まずは自己紹介をお願いします。

中島正博（以下、中）： ありがとうございます。スノーフレークコンサルティング合同会社の中島と申します。現在は一人で会社を運営しており、最初は中小企業のマーケティング支援から始まったのですが、最近は生成AIの企業研修や導入支援を多く手がけています。そして今日お話しするエフェクチュエーションについては、名古屋で勉強会を開催している状況です。

ラ： エフェクチュエーション…聞いたことのない言葉ですね。わかりやすく説明していただけますか？

中： エフェクチュエーションは2008年にアメリカで発表された理論なんです。どのように生まれたかというと、スターバックスの創業者や、世界で初めて民間の有人宇宙飛行に成功させたスペースシップワンの創業者など、27人の凄腕経営者にインタビュー調査を行ったんです。「この人たちに共通項はないのかな」と調べたところ、今までのビジネス常識とは全然違う考え方をしていることがわかりました。

ラ： 今までのビジネス常識と違う、というのは？

中： 彼らは計画よりも「実際に何ができるか」ということをすごく大事にする考え方だったんです。「エフェクト」という言葉から生まれて、エフェクチュエーションという理論になりました。つまり、起業家に共通して見られる行動や考え方のパターンということですね。

エフェクチュエーション5つの原則

ラ： 具体的にはどのような行動パターンなんでしょうか？

中： エフェクチュエーションには5つの原則があります。一つずつ説明すると長くなるので、まず名前だけ紹介しますね。一つが「手中の鳥の原則」、二つ目が「許容可能な損失の原則」、三つ目が「レモネードの原則」、四つ目が「クレイジーキルトの原則」、五つ目が「パイロットの原則」です。

ラ： レモネード？クレイジーキルト？初めて聞く単語ばかりです（笑）

中： そうですよね！レモネードの原則を少し説明すると、レモンって酸っぱくてそのままでは美味しく食べられないけれど、レモネードにすると美味しく飲めますよね。つまり、不都合なものを何かうまく活用して美味しいものに変えてしまおうという考え方です。

ラ： なるほど！逆境を活かすということですね。

中： そうです。クレイジーキルトは、パッチワークキルトのことなんですが、端切れのような不規則な形の布を継ぎ合わせて綺麗な作品を作る技法です。ジグソーパズルみたいにカチッとはめるのではなく、不規則なものをうまく組み合わせて、思いもよらないものを組み合わせて綺麗なものを作るという考え方ですね。

ラ： パイロットの原則は？

中： 自分で操縦桿を握って目的地まで進むということです。新幹線だと人に任せてレールの上を進みますが、飛行機のパイロットは乱気流があったら対応しないといけないし、天気が悪くて着陸できないこともある。そういう状況でも自分の意思でゴールまで向かうのがパイロットの原則です。

ラ： 手中の鳥の原則は？

中： 自分の中に今あるものをうまく活用して、できることからやっていきましょうという考え方です。

従来のビジネス常識への挑戦

ラ： 聞いていると確かにそうだなと思うところがありますね。でも、なぜわざわざ当たり前のことを理論にしたんでしょうか？

中： 実はビジネスの世界では、この当たり前が当たり前になっていないんです。例えば、新しいことをやりたくてお店を出したいと思った時、お金がなければ銀行から借りようとしますよね。その時に事業計画書を出さないといけない。でも、やったことのない新しいことって、計画書って書けないじゃないですか。

ラ： 確かに書けないですね。

中： 世の中にないことを計画書に書いても、本当に計画通りになるかと聞かれたら、心の底では「ならない」と思っているんです。でも銀行には「こうなります」と言わないと貸してくれない。心の底ではそんなこと思っていないのに、です。

ラ： 矛盾がありますね。

中： そうなんです。新しいことって本来、そんなに簡単に一直線にうまくいくわけじゃない。でも「絶対うまくいく」ということが計画で立証されないと何も始められないなら、一生始められないですよね。

ラ： それは確かにそうです。

中： エフェクチュエーションは、完璧な計画ができていなくても、新しいから計画が立てられないのは当たり前だと考えます。できることからやっていくと、少しずついろんなことがわかってきて、対策も出てくるし乗り越え方もわかってくる。いきなり大きなお金を動かすのではなく、失敗する前提で、失敗してもいい程度にリスクを取っていきましょうという考え方です。

実践的な資金調達とネットワーク活用

ラ： そうなると、日本の融資制度では難しいことになりますね。

中： そうですね。でも、融資が受けられなかったら何もできないんですか？と考えてみてください。今だったらクラウドファンディングもありますし、他にも方法はあります。

ラ： 確かにそうですね。

中： スターバックスの創業者も、最初お金が集められなくて銀行から借りられなくて、200人ぐらいに「貸してくれ」と回ったんですよ。ほとんどの人に断られたけれど、一部の人が貸してくれて創業したんです。銀行から借りられなかったら何もできないのかというと、そんなことはないですよね。

ラ： 知り合いに声をかけるという方法があるんですね。

中： そうです。自分の知り合いに全員声をかけて回ることができるのに、なぜ銀行でお金が借りられないから始めないのか、という考え方なんです。

ラ： 一気に新しいことをやりたくなってきました！

中： そうなんですよ！気持ちが軽くなるというか、考え方がすごく軽くなって、フットワークが軽くなるんです。エフェクチュエーションを勉強すると、実はそんなに新しいことを言っていなくて、当たり前なんだけど、なぜかそれをやっちゃダメだと思っていた。何かブレーキを外してくれる理論なんですよね。

エフェクチュエーションとの出会い

ラ： 中島さんはどこでこの理論と出会ったんですか？

中： 日本マーケティング学会の勉強会で初めて知って、面白いなと思ったんです。でもなかなか勉強する機会がなくて、少し前にわかりやすい本が出たので読んでみたら、やっぱりめちゃくちゃ面白くて。これを他の人と勉強したいと思ったんですが、名古屋に勉強会がなかったので、僕が始めたんです。

ラ： もう名古屋の第一人者じゃないですか！

中： 第一人者というと詳しい人に怒られるかもしれませんが（笑）、今多分一番名古屋でエフェクチュエーションに関する活動をやっているんじゃないかなという自負はありますね。

今後の展望と活動予告

ラ： 今後やっていきたいことや野望があれば聞かせてください。

中： まず一つは、6月25日にエフェ会をやるのですが、今回初めてバースタイルでやります。「エフェ会」で検索するとすぐ出てきます。もう一つは、本当に名古屋でエフェクチュエーションという、この誰も知らない言葉をみんなが知っている言葉に変えたいなと思っています。そのためにエフェ会をどんどん開催していきたいですし、いろんなところでセミナーもやっていきたいと思っています。

ラ： 6月25日の詳細を教えてください。

中： 6月25日の水曜日、夜6時30分から9時まで、名古屋の商店街にある「名護のワークバーサウナ」というところで開催します。バーで立って飲みながら、途中で急にイベントが始まったりする、この予測できなさがエフェクチュエーションを感じていただけるような面白いイベントになっています。参加費は2000円でワンドリンク付きです。