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¥799 (2025年4月25日 13:07 GMT +09:00 時点 - 詳細はこちら価格および発送可能時期は表示された日付/時刻の時点のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、購入の時点で当該の Amazon サイトに表示されている価格および発送可能時期の情報が適用されます。)
「シャープが独走する『痛家電』は流行るのか?」という記事を書いたところ、シャープのX公式アカウントにリポストされ、ちょいバズりました。
広報担当者からもメールが届き、「痛家電」などと書いたのでてっきり怒られるのかと思いきや、意外とそうでもなく、話の流れでコラボ家電の担当者にインタビュー取材できることに。10年以上携わるコラボ家電の担当者、事業推進統括部 事業開発部 課長 徳永礼さんに、その戦略をじっくり伺いました。
最初のコラボは「妹ロボット掃除機」
――貴社のコラボ家電は、かなり長い間続いている印象ですが、改めて歴史について教えてください。
徳永礼さん(以下敬称略):しゃべる家電としては、2012年発売のロボット掃除機「ココロボ(COCOROBO)」が最初です。しかしこれは機械による音声で、人間の声優さんにお願いしたのは、2014年発売の「プレミアムなCOCOROBO 」からです。
――今2025年ですから、もう10年以上続けられていますよね。声優さんに声を入れてもらう発想になったのは、社内にアニメなどの領域に強い担当者の方がいたとか?
徳永:記憶にはないですね。社としてもアニメ業界とお取引はなかった。しかし、どうしてもやりたかったので、ツテをたどって、声優さんが所属する事務所を紹介していただきました。
――お話を持って行った時の反応は?
徳永:全然冷たくはなかったです。「どういう結果になるかはわからないけれども、熱意はわかりました。また話を聞かせてください」と温かく迎えていただきました。
――家電から声が出ること自体、ちょっとイメージしにくかったでしょうね。
徳永:そう、そこからですね。そもそもアニメコラボを始めようと思ったのは、私がメーカーの者として家電製品の賢さや性能を説明するより、好きなキャラクターや声優さんの声で語った方が耳を傾けてくださると思ったからです。先方からも良い反応をいただいたので、社に戻って多くの人と相談しつつ、一生懸命企画書を仕上げたのを覚えています。
――社内では企画はすんなり通ったのですか?
徳永:初のコラボモデルは、発売にこぎつけるまで結構大変でした。しかし、商品化する前の段階、実証実験のフェーズで、試作機のテストモニターを募集したところ、募集人数10人に対して、1週間で約1,000人以上から応募があり、手応えは感じました。
――起用された声優・木戸衣吹さんのファンが殺到した?
徳永:当時人気が急上昇中の声優さんだったので、ファン層である若い男性の応募が多かったのは事実です。その一方で70歳近い女性や20代の女性からも応募があり、社内を説得する材料となりました。
――ファン以外の層にも広がるイメージが持てたんですね。
徳永:とはいえ、多くの層に反応いただいたのは、動き回るロボット掃除機が少しペットに近い印象を持たれていたこともあったと思います。これが調理家電や空気清浄機といった普通の白物家電で同じように愛着を持たれるかまでは当時は分からなかった。2021年から「COCORO VOICE(ココロボイス)」のサービスを始めて、作品や声優さんのファン、そうでない層が愛着を持ってくれるのか、仮説と検証を繰り返してきて、今ここに来ております。
コラボする作品や声優はどうやって選ぶ?
――コラボする作品や声優さんはどのように決めているのですか?
徳永:いくつかパターンがありますが、まずは利用者のアンケート結果を参考にしています。その他ご要望があればお寄せくださいというフリーの記入欄に具体的な作品や声優さんの希望を書いていただくことが多いです。それをもとに、SNSなどを見て、どれくらい注目されているのか、熱く愛されているかを調査。さらに、第三者のマーケティングデータ提供会社と協力しながら作品の認知率と好感率をリサーチしていきます。
最近は、ありがたいことに作品側からお声掛けいただくこともあります。起点はいろいろなパターンがありますが、企画に落とし込んでみて、面白いものになるかどうか、ファンの方々に感動してもらえるかを判断しています。
――そのコラボが面白くなるかは、作品のテーマやテイストとその家電の特徴の掛け合わせですかね?
徳永:そうです。人気アニメであれば作品自体がもちろん面白いんですが、家電製品と組み合わさって素晴らしいものになるかは別の話です。アニメ作品やそのキャラクター、あるいは声優さんの素晴らしさと、コラボする家電の何かしらの素晴らしさが掛け合わさって、1+1=2以上の価値を持たなければならないと思っています。
――具体的な例をお願いします。
徳永:一例を挙げると、「TIGER & BUNNY 2」とのコラボは、“おうちでヒーローと一緒に過ごせる”をコンセプトにしました。街を守るヒーローが主人公なんですけれども、家電は家の中にありますから、家電を抱えて外で怪獣と戦うわけにはいかない。なので、イラストもヒーロースーツではなくて、ちょっとカジュアルな雰囲気にしています。ヒーローがお家でゆるりとしている姿を表現して、それがファンの人にも受け入れられました。そういったことを全部のタイトルでやっています。
――「加湿空気清浄機カスタマイズサービス さくらみこVer.」も分かりやすいコンセプトでした。VTuberのさくらみこさんが、シャープの加湿器に水を入れずに「部屋が全然加湿されない」と配信で言って話題になったことからのコラボで、イラストには水の入っているカップが描かれている。ほかにも、ファンでこそ気づくような仕掛けもあって、SNSでバズったりしています。
徳永:家電製品は一般的なアニメグッズとはかなり値段が違いますので、ただイラストを貼っただけでは成立しないと思っています。コンセプトが決まらないとイラストのポーズさえ決められません。ちなみに、イラストについては100%ではないですが、ほぼ描き下ろしで発注させていただいております。
――先ほどは、アニメに詳しい方が社内にいなかったとおっしゃっていましたが、かなり徳永さん自身が詳しくなられている。
徳永:まったく興味がなかったわけではないんですが、コラボ商品を作れるほどの知識や経験はありませんでした。アニメも見ましたし、コミックスや画集など、マンションのひと部屋が埋まるぐらいは買って勉強しました。今はもうライフワークですね。私だけでなく、例えば部長は遠距離通勤の往復4時間を何年にもわたってアニメ視聴にあてている。社内に勉強している仲間がいるので、こっちも負けられないですね。
――面白いですね。やっぱり仕事が人を変えるんですね。
家電だからこその「抑制」も必要
――家電は家族で使うことも多いので、そこも意識されたりします? 音声がセクシーになりすぎないようにとか。
徳永:純粋に個人で楽しむコンテンツとは異なるので、隣で聞いている家族がいるかもしれないという目線は常に持っています。とはいえ作品の魅力、キャラクターの魅力が出せないのであれば、そもそも商品としても魅力がないので、ギリギリのところを狙って台本を書いています。
実は、作品があるコンテンツよりは、声優さんが本人としてご出演いただく場合の方が難しさはあります。我々からは、その声優さんのイメージ、ファンの方の求めるものとして、少しセクシーだったりオラオラ系のセリフを言ってもらいたいと台本を書かせていただくのですが、声優さんからは、いろんな方が聞くことが考えられるので、もうちょっとやっぱり丁寧にさせてほしいと言われたことが何度かありました。
――家電から出る声なので、抑えめの演技の方が自然ではないかと。やはり、声優さんはプロですね。
徳永:どういう立ち位置や距離感でしゃべるのが一番お客様にとって心地いいのか、声優さんはすごく考えられています。お考えはそれぞれ違いますけれども、皆さん自分のフィロソフィーをお持ちですね。
――音声はクラウドからダウンロードできる仕組みですが、異なるコラボの製品にも入れられますか?
徳永:システム的には可能です。コラボモデルの販売は期間限定なこともあって、後から気づかれたファンの方が音声だけでも楽しめるよう、ボイス単体でも購入できるようにした経緯があります。音声を利用する権利はお客様にあるので、例えば新しいホットクックに買い替えたとしても、使い続けられます。
――最初に、キャラクターや声優さんの声の方が、製品について耳を傾けてもらえるというお話がありましたが、結果として機能を使いこなせるようになっているんでしょうか?
徳永:ええ。ホットクックは、コラボによって20種類以上のおすすめメニューにスペシャルボイスが設定されています。おすすめの時と、作り終わった時に発話されるので、それを聞きたいがために、20個の料理を一生懸命作られてボイスを楽しむことが、界隈では起こっています。
「ホットクックカスタマイズサービス 」の、おすすめ時のスペシャルボイス一例。結構たっぷり喋ってくれる
――声を聞くために料理を作る。外国人を恋人にすると語学が習得できるみたいな話ですね(笑)。最後に、シャープにとってコラボ家電とは?
徳永:通常の商品ではありえない付加価値が付与できるものです。また、コラボ商品を買ってくれたファンが、シャープのファンにもなってくれる出会いの第一歩でもあり、すごく大きな存在です。日本は人気作品や人気キャラクターの宝庫であり、このアセットを最も活かせるのが今日本に住んでいる私たちだと思っています。アニメ、ゲーム、VTuber、そしてその枠に留まらず、新たなカテゴリーのエンターテイメントについても積極的に挑戦していきたいと思っています。