5月9日~11日、東京ビッグサイトにて、格闘ゲームの祭典「EVO Japan 2025」が開催されている。
メイン種目である「鉄拳8」部門を制したのは韓国鉄拳界の重鎮、Knee選手。「鉄拳」プレイヤーならば知らない人はいないというほどの有名プレイヤーの1人であるKnee選手だが、「鉄拳8」が発売されてから優勝できたのは今回の「EVO Japan 2025」が初である。
日本でKnee選手の知名度が上がったのは「鉄拳5 DARK RESURRECTION」時代。当時日本では浸透していなかったブライアンの高等テクニック「挑発ジェッパ」を披露し、国内ではキャラランキングの低かったブライアンの評価を一変させたことで一躍有名になった。その後、日本のブライアンプレイヤーにオンライン対戦で負けたことでリベンジマッチのために来日したり、「鉄拳7」にて一世を風靡したパキスタン勢に敗北した後は即座に渡航し武者修行に出かけたりなど、自他ともに認める負けず嫌いな面がある。
そんなKnee選手に対し、優勝後の囲みインタビューが行なわれた。本稿ではその様子をお伝えする。
【Day 3 Main Stage | EVO Japan 2025 presented by Levtech】
2025年覇者、韓国鉄拳界のリビングレジェンド・Knee選手が世界中で戦う理由は道場破りにあり
――久々の優勝となりましたが、今のお気持ちを一言お願いします。
Knee選手:「鉄拳8」が1年以上前に発売され、最初は(「鉄拳8」のゲーム性と自分のプレイスタイルとの)相性が悪いゲームだと思っていました。ですが、苦戦していく中で、ファンの方々から激励の言葉を受け、それが励ましになり、今の力となり、優勝できて率直にうれしい気持ちでいっぱいです。
――自分との相性が悪いと思い、どのような工夫をされましたか?
Knee選手:初代「鉄拳」からシリーズをプレイしていて、自分のスタイルは守備的な立ち回りでした。しかし、「鉄拳8」においては“少し攻撃的なスタンスに変えていこうかな”と考え、それを実践したところが功を奏したと思います。
――グランドファイナルでのMulgold選手との対戦では、序盤ほとんど手を出していなかったように見受けられましたが、それは手を出さなかった作戦なのか、それとも手を出せなかったのでしょうか?
Knee選手:最初は緊張していたので、動きがぎこちなかったです。ただ、今までの経験等で相手の動きが2ラウンド目以降から読めてきて、結果として逆転できました。
――今後のアップデートにより今までの経験や知識が無駄になる可能性がありますが、それに対してメーカーに思うところ、要望はありますか?
Knee選手:新しい「鉄拳」が出るころには私は年齢が50代になり、選手生活は厳しいのかなと思っています。自分のことより、自身の経験を後進のプレイヤーたちに伝えたいと思っています。
――サウジアラビアで開催される「EWC」への出場が決まりました。意気込みを聞かせてください。
Knee選手:昨年はいろいろと苦難があった大会ですが、今は「鉄拳8」に慣れたので、EWCには余裕を持って臨みたいです。
――Knee選手といえば負けず嫌いで、自身を倒すプレイヤーがいれば世界中を旅して対戦を挑むイメージがあるのですが、現在行きたい国や、対戦したいプレイヤーはいらっしゃいますか?
Knee選手:おっしゃる通り、自分のスタンスとして“道場破り”をするというものがあります。今はパキスタンの全てのプレイヤーに“道場破り”を行ないたいと思っています。特に対戦したいプレイヤーとしてはArslan Ash選手、Atif選手が挙げられます。
――Knee選手は「鉄拳」においてベテラン選手ですが、若手と対戦していてどんな印象がありますか?
Knee選手:基本的に年齢差関係なく、どんな人とも戦いたいです。そして私は負けず嫌いなので、彼らに自分のテクニックを見せつけたいです。
――若いプレイヤーがKnee選手を倒すには何が必要だと思いますか?
Knee選手:今日ご覧になった通り、私は対応に時間がかかります。なので、その対応が始まった際にさらにかく乱できる手札が必要だと思います。今日の試合は全て接戦であり、もし予選でそんなプレイヤーが現われていれば私は敗退していたと思います。
――ありがとうございました!
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