【イベントレポート】晴天のカンヌ映画祭に「ルノワール」早川千絵、鈴木唯、石田ひかり、リリー・フランキー登場

映画「ルノワール」で監督を務めた早川千絵とキャストの鈴木唯、石田ひかり、リリー・フランキーが、フランス現地時間5月18日に第78回カンヌ国際映画祭のフォトコールと公式記者会見に出席した。

同作では、1980年代後半の夏、11歳の少女フキが大人の世界をのぞきながら人々の心の痛みに触れていくさまが描かれる。カンヌの最高賞パルムドールを争うコンペティション部門に、日本映画として唯一選出された。

早川ら4名は、晴天に恵まれたカンヌの青空をバックにフォトコールの場に登場。各国から集まった大勢のカメラマンたちから「チエ！」「ユイ！」などと声を掛けられ、飛び交う目線やポーズのリクエストに笑顔を見せた。

続いて行われた公式記者会見には、4人とプロデューサーの水野詠子、Jason Gray、Christophe Bruncherが出席した。同作の制作意図を尋ねられた早川は「私が映画を撮りたいと思い始めたのは、主人公・フキと同じぐらいの歳頃でした。そのときに抱えていた気持ち、感覚をいつか絶対に映画にしたいと長年思ってきました」と振り返る。

鈴木は「早川監督と一緒にフキちゃんの行動や考え方を話し合いました。監督と私は相性がよかったんじゃないかなと思うほど、スポン、スポンとピースがはまっていくような感じでした」と堂々とコメントする。早川も「彼女が言う通り、私たちはとても相性がよかったです。フキという少女について、私と唯ちゃんは誰よりも彼女のことを理解していたので、撮影の中盤からは何も説明してなくてもわかるから大丈夫だという状況になっていました」と鈴木を絶賛。さらに「フキはキャスティングがとても重要になると考えていたので、見つかるまでとにかく何百人でもオーディションを続けようと臨んだのですが、鈴木唯ちゃんが一番最初にオーディションに現れた瞬間、“ここにフキが居る”と思い、すぐに決まってしまいました」と彼女との出会いを懐かしんだ。

カンヌ国際映画祭への参加は3度目のリリーは「昨日、レッドカーペットを歩いているとき、この映画そのものが出演しているような感覚がありました。映画『ルノワール』が温かく受け入れられ、評価されたことがとてもうれしかったです」と笑顔を見せる。また「特定の国や文化を超えて、誰の心にも響くものがあると思います。登場人物の記憶や、子供の頃の思い、もしくは後悔や自分自身の感情などいろいろな感覚を呼び起こしてくれます」と映画の魅力を伝えた。

「ルノワール」は6月20日より東京・新宿ピカデリーほか全国でロードショー。なお第78回カンヌ国際映画祭の受賞発表および授賞式は、現地時間5月24日に行われる。

映画「ルノワール」予告編