【すき家の異物混入から学ぶSNS炎上対策】Googleマップクチコミ企業炎上事例
目次
はじめに
3月22日、大手牛丼チェーン店「すき家」は、「すき家に関する一部報道について」というリリースをオフィシャルサイトで出し、SNSは上で話題となっていたみそ汁に異物(ねずみ)が混入していたことは事実であると発表しました。
その翌週、3月29日には、上記の事案とは別の店舗でも異物が混入していることが判明したため、害虫・害獣の外部侵入、および内部生息発生撲滅のための対策として3月31日(月)午前9時から4月4日(金)午前9時までの間、全店舗一時閉店することを発表し、SNS上でも大きな話題になりました。
ことの発端は1月21日に鳥取県の「すき家」のある店舗で発生したみそ汁に異物が混入していた事案でした。
以下に経緯をまとめていきます。
炎上の経緯
日付 | 内容 |
2025年1月21日 | 鳥取県南吉方店にて、客がみそ汁内にネズミを発見。Googleマップに画像付きでクチコミを投稿 |
2025年3月21日 | 有名インフルエンサーの投稿の影響でXに拡散 |
2025年3月22日 | 公式サイトにて、発生から公開まで約2ヶ月間あったことを謝罪・謝意を表明 |
2025年3月24日 | NHK等で経緯報道。全国店舗に商品提供前の目視チェック徹底を改めて指示 |
2025年3月29日 | ネズミ混入事案と合わせ、別店舗で虫混入が報道され、全店(約1,965~2,000店)を3月31日~4月4日まで一部休業し、衛生点検・対策強化へ |
対象メディア:X
集計期間:1月20日から4月4日
収集ツール:Brandwatch
抽出条件:”(すき家 OR #すき家) AND (ねずみ OR ネズミ OR 異物)”
1月21日にすき家の鳥取県のある店舗でお客様が喫食前の「みそ汁」に異物が混入していると指摘しました。
そして、Googleマップのクチコミに☆一つをつけ、みそ汁に入った異物の写真付きの投稿をしました。
その日のうちにXではこの件に関して複数のアカウントがメンションしており、リポストが最も多いもので40と、局地的に話題となっていました。
“すき家の味噌汁にネズミ入ってた動画これガチ?”
(※異物混入の画像付き投稿のためリンクは貼っておりません)
しかし、それ以降は言及するアカウントも減り、話題になることはなくなっていきました。
X拡散の起点となったのは、3月21日午後4:34に約300万人のフォロワーを持つ滝沢ガレソ氏がこの件を取り上げたことです。
この投稿は2,000以上リポストされ、X上でも投稿の真偽が話題となり始めます。
【※閲覧注意】すき家さん、店のクチコミに『味噌汁にネズミが混入』された激ヤバ写真が掲載される ■すき家 鳥取南吉方店
(※異物混入の画像付き投稿のためリンクは貼っておりません)
その翌日、3月22日に「すき家」がリリースを出し、異物混入が事実であると認めたことにより、大手ニュースサイトでも取り上げられるようになりメンション数が大きく増加しました。
【ポストセブン報道】すき家、味噌汁にネズミ混入を認めて謝罪https://t.co/eQ276FBjSt
味噌汁の中にネズミの死骸が混入していたとされる画像が拡散していた件で、コメントを発表。混入について「従業員が提供前に商品状態の目視確認を怠ったため」と説明した。
— ライブドアニュース (@livedoornews) March 22, 2025
翌週の3/29にはオフィシャルサイトで別店舗で虫が混入していたこと、全店(約1,965~2,000店)を3月31日~4月4日まで一部休業し、衛生点検・対策強化をすることを発表し、累計メンション数は120,000以上とピークを迎えました。
鳥取県·東京都の店舗における異物混入について、改めて深くお詫び申し上げます。この状況を重大かつ真摯に受け止めております。
3/31(月)9:00〜4/4(金)9:00の間、一部店舗を除く全店を閉店し、安全·清潔な環境の整備に全力を尽くします。
今後ともご愛顧をよろしくお願いいたします。— すき家【公式】 (@sukiya_jp) March 30, 2025
今回の事例の特徴
「すき家」のリリースによると1月21日にお客様から従業員に異物混入を指摘され、従業員もその場で異物混入を確認しています。
また事案発生後すぐに一時閉店し、衛生検査の実施や発生2日後に保健所の確認を経て営業再開しています。
日付 | 時刻 | 内容 |
2025年1月21日 | 午前8時頃 | 鳥取県南吉方店にて、客がみそ汁内にネズミを発見。スタッフが確認し謝罪対応 (sukiya.jp) |
午前9時頃 | 本部に報告が入り、事案を把握 | |
午前11時頃 | 当該店舗を一時閉店。保健所と連携の上、原因調査と清掃を開始 | |
午後5時頃 | 全国の全店舗へ、商品提供前の目視確認徹底を緊急指示 | |
2025年1月22日 | – | 専門害獣駆除会社による現地での駆除施工を実施 |
2025年1月23日 | – | 鳥取市保健所による現地確認後、営業再開 |
~2025年1月31日 | – | 当該店舗の従業員に対して害獣・衛生管理の重点教育を完了 |
~2025年2月28日 | – | 同タイプ店舗72店舗でのパッキン交換および修繕作業を完了 |
2025年3月22日 | – | 公式サイトにて、発生から公開まで約2ヶ月間あったことを謝罪・謝意を表明 |
2025年3月29日 | – | ネズミ混入事案と合わせ、別店舗で虫混入が報道され、全店(約1,965~2,000店)を3月31日~4月4日まで一部休業し、衛生点検・対策強化へ |
(すき家に関する一部報道について(第2報)より作成)
1月21日午前8時頃、当該店舗にてお客様より従業員へ、喫食前の「みそ汁」に異物が混入しているとのご指摘をいただきました。その場で従業員も目視を行い、異物が混入していたことを確認しています。
混入原因について調査を行った結果、「みそ汁」の具材をお椀に入れて複数個準備をする段階において、そのうちの1つのお椀の中に異物が混入していたと考えられています。当該従業員が提供前に商品状態の目視確認を怠ったため、異物に気付かずに提供が行われました。
なお、同店において同様の異物混入の恐れがある商品は当該お客様以外の方に対しては提供されておりません。当該店舗については発生後すぐに一時閉店し、衛生検査の実施と、異物混入に繋がる可能性のある建物のクラックなどへの対策を講じるとともに、商品提供前の目視確認など、衛生管理に関して改めて従業員に対する厳格な教育を行いました。また、発生当日の段階で所管の保健所にも相談しています。なお、当該店舗は発生2日後に保健所のご担当者様に現地確認をいただいた上で営業を再開しました。
全国の店舗に対しても、異物混入を未然に防ぐために提供前の商品状態の目視確認を徹底するよう改めて指示を行いました。
今回のケースの場合、事案発生直後の清掃作業、原因調査、保健所への報告などといった速やかなリスク対応はあったものの、世間に公表するまで2ヶ月を要しました。
ホームページでの公表を控えたことについては、3月27日出された「すき家に関する一部報道について(第2報)」において、こう述べています。
当該店舗の建物構造と周辺環境が重なった特殊な事例であることを勘案し、ホームページでの公表を見合わせ
いくら建物構造と周辺環境が特殊な事例であったとしても、インフルエンサーの投稿によってX(旧Twitter)上で話題にならなければ、公表されなかったように受け取られても仕方がない印象を与えます。
すき家はオフィシャルサイトで、「独自のビジネスモデルを構築し、食に関するすべてを自社でマネジメントしています。なぜなら、安全でおいしい『食』を手軽な価格で提供していくことが私たちの使命と考えているからです」と理念を掲げています。
消費者の安全を第一に考えるのであれば、速やかに事実を公表することが望ましかったでしょう。
昨今の炎上のきっかけとなる媒体は、X(旧Twitter)だけではなく、ThreadsやGoogleマップのクチコミ、Yahoo!のコメント欄など多岐にわたります。
炎上リスクマネジメントとして、こうした媒体を網羅的に監視し、火種となりうる情報を早期に把握して拡散を防ぐことが、リスク管理において極めて重要です。
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SNSモニタリングの必要性が高まる背景
近年、AI技術の進化により、企業のSNSモニタリング(炎上対策を含む)も大きく進化しています。
これまでは、多くの企業が外部の専門業者に24時間365日の有人監視を委託する形で、SNS上のリスクを把握してきました。
こうしたサービスでは、監視スタッフが指定されたキーワードや条件に該当する投稿を目視でチェックし、異常があれば担当者へ報告する仕組みが一般的です。
しかし、この運用方法には以下のような課題も存在しています。
課題①:コストが高くなりやすい
有人による24時間体制を維持するには、多くの人件費がかかります。その結果、利用企業には高額なサービス費用が発生する場合も少なくありません。
課題②:抽出キーワードの頻繁な見直しが必要
炎上リスクの検知には、あらかじめ設定したキーワードに基づいて監視を行うケースが多いですが、世の中のトレンドや企業活動(新商品の発売、キャンペーンの実施など)は日々変化します。
そのたびにキーワードを見直し、監視スタッフへの共有や教育を行う必要があり、運用側にも大きな負担がかかります。
課題③:監視対象のSNSが流動的
従来はX(旧Twitter)や5ちゃんねるといった特定のプラットフォームに焦点を当てていれば十分でしたが、現在はそれだけでは不十分です。
TikTokやThreadsなど新興SNS、さらにはGoogleマップの口コミやYahoo!ニュースのコメント欄、転職サイトの投稿なども炎上のきっかけになり得ます。
モニタリング対象は日々広がっており、変化への柔軟な対応が求められています。
テクノロジー活用がリスク管理の鍵に
こうした課題に対応するには、AIや最新技術を活用したモニタリング体制の構築が不可欠です。
特に、SNS炎上監視ツールを活用することで、人手では難しい部分をカバーし、迅速かつ的確な初動対応が可能になります。
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最新のSNS炎上監視ツールがもたらす2つの主な利点
SNSでの炎上リスクに備えるうえで、モニタリングツールの導入は多くのメリットがあります。
特に注目すべきなのは、以下の2つの機能です。
1. キーワード検知とリアルタイムアラート
炎上の兆候は、特定のキーワードやネガティブな感情を含む投稿の増加として現れます。
最新のツールは、あらかじめ設定したキーワードを含む投稿やセンチメント(感情分析)から、炎上リスクの高い投稿を即座に検知し、担当者にリアルタイムでアラートを通知します。
例:
- 「自社名 × クレーム」
- 「商品名 × 買って後悔」
- 「イベント名 × 中止」「トラブル」
さらに、生成AIの活用により、言い回しの違いや文脈を読み取ったセンチメント分析も高精度で行えるようになっており、日本語特有の表現にも対応が可能です。
2. 炎上の兆候を早期に察知し、初動対応が可能に
最大のメリットは「火種」の段階で異変に気づける点です。投稿のトーンや感情の変化を分析することで、炎上の前兆を早期に把握し、
- 社内で即座に共有・対応方針を検討
- 必要に応じて投稿の修正や削除を実施
- 公式アカウントによる説明・謝罪対応を迅速に行う
など、迅速な初動対応が可能になります。
この「初動のスピード」が、炎上の拡大を防ぐための鍵を握っています。
特に活用をおすすめしたい業界
SNS炎上監視ツールは、あらゆる業界で有効に機能しますが、特に次のような業界ではその重要性がより高まります。
- 飲食・小売業界:口コミや顧客の声がSNSで広がりやすく、ブランドイメージへの影響が大きい
- エンタメ・メディア業界:話題性の高いコンテンツが多く、炎上のリスクも比例して増加
- 医療・化粧品業界:健康や安全性に関する話題は誤情報の拡散リスクが高い
- 教育・公共機関:社会的信頼が求められるため、一度の炎上が大きな影響を与える
「もしも」に備える。これからのSNSリスク管理
SNS上の炎上は、「発生してから対応」では手遅れになるケースがほとんどです。
重要なのは「炎上は起こりうるもの」と想定し、平時から備えておくことです。
- テクノロジーの力を活用して早期に異変を察知する
- 発見後は初動対応をいかに迅速に行えるか
この2点が、炎上を防ぐうえで極めて重要なポイントとなります。
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まとめ:いま、SNS監視体制を見直すとき
SNS運用において、炎上対策はもはや選択肢ではなく「必須業務」の一つです。
企業アカウントの投稿だけでなく、ユーザーからの反応や第三者の言及まで幅広く注視する体制が求められます。
そのためには、SNS炎上監視ツールの導入が極めて有効です。リアルタイムのキーワード検知や感情分析により、問題の早期発見と迅速な初動対応が可能になります。
リスクを見逃さず、万が一の際も被害を最小限に抑える。そのためにも、最新のモニタリング体制の構築は、SNS担当者・広報担当者にとって欠かせない業務です。
今一度、自社のSNSリスク対策を見直し、万全な体制を整えてみてはいかがでしょうか。
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【すき家の異物混入から学ぶSNS炎上対策】Googleマップクチコミ企業炎上事例はin the looop | Looops communicationsで公開された投稿です。
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🧠 編集部の感想:
すき家の異物混入事件は、企業の炎上リスク管理の重要性を改めて浮き彫りにしました。特に公表までに2ヶ月を要したことは、迅速な情報開示が信頼回復に不可欠であることを示しています。今後はSNSモニタリングや初動対応の強化が求められるでしょう。
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