「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

【「1000円引き」って、どれくらい?】数字に弱い二流は「安そう!」と考える。数字に強い人はどう考える?Photo: Adobe Stock

「1000円引き」どれくらい?

「1000円引き」。どれくらいですか?
ざっくりとした質問ですが、みなさんはこれ、どれくらいお得に感じるでしょうか。「なんか安そう!」と思うかもしれませんね。
では、次の例だといかがでしょう。
「1000円引き」≒「コーヒー3杯分無料」

一概には言えませんが、1000円と言うとだいたいコーヒー2~3杯分くらいでしょう。このように言われると具体的なシチュエーションが頭の中に浮かび、お得に感じる方が多くいらっしゃいます。数字だけではピンとこなかった費用や価値も、身近なものや具体例に置き換えられるだけで、一気にリアルに感じられるようになります。

数字に強い人は、こういった「うまい例」を出すのが得意です。今回はその方法について、紹介していきましょう。

現実のシーンと紐づけて考える習慣がついている

ではどうすれば、数字に強くなれるのでしょうか。コツは簡単で、日頃から「この金額はあれと同じくらいだ」と思い浮かべる練習をするだけです。

たとえば食費や趣味にかける費用など、自分にとって身近な単位を意識してみる。すると、「コーヒー1杯あたりの値段」と「ランチ1回分」や「映画1本分」などがだんだん頭にストックされていきます。数字を覚えるというより、数字と現実のシーンを関連づけることです。

数字に強い人は、普段から数字と具体的な物事のイメージをリンクさせる習慣が身についています。たとえば「あのレストランでランチを食べると1,000円ちょっとだから、コーヒー2~3杯分というよりはランチ1回分くらいか」など、より身近な基準をすぐに思い出せるのです。

数字に強い人は「変換力」が高い

こうした“変換力”があると、いろいろな場面で数字を使いこなしやすくなります。買い物をするときも仕事で見積もりを出すときも、ただ金額だけを見るのではなく「これは何に相当するのか?」と考えることで、数字が単なる記号ではなく“生活やビジネスに根差した情報”に変わっていくからです。

もし、数字が苦手だなと感じるなら、まずは自分がよく利用するサービスや商品の価格を“基準”にしてみてください。たとえば週に数回飲むコーヒーの値段や、お気に入りの映画チケット代など、想像しやすいものがいいでしょう。身近な例に転換していくクセをつけるだけで、数字との付き合い方がぐっとラクになり、いつのまにか「数字に強い人」に近づいていることに気づくはずです。

(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』に関する書き下ろし原稿です)