『Post Trauma』レビュー。PS2のホラゲーのテイストとUE5のライティングが融合した、謎解き重視のインディーホラー【BRZRKのうるせー洋ゲーこれをやれ】
洋ゲーライター“BRZRK”による連載“BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ(仮)」”。今回はプレステ2の頃のホラーゲームのテイストにオマージュを捧げつつ、Unreal Engine 5を使った今どきのグラフィックで勝負するインディーホラーアドベンチャーゲーム『Post Trauma』(プレイステーション5/Xbox Series X|S/PC、24日より順次配信)をレビュー。
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 ドモー、スイッチ2が発表されたのでとりあえず抽選申し込んだけど倍率がクソ高そうなんで期待せず待とうと思うBRZRKです。当選してたらクソほどマウントとってやりたい。
 今回紹介するのはサバイバルホラーゲームの『
Post Trauma』だ。PS2時代の『サイレントヒル』や『サイレン』といったサバイバルホラーゲームの名作に強く影響を受けたタイトルであり、プレイヤーの世代によっては「あ、なんか懐かしい感じするかも」という印象を受けるだろう。

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奇怪な空間に囚われた中年男ローマンのサバイバル

 本作のメインキャラクターはとある”苦悩”を抱えてややくたびれた感じのする車掌の男ローマンで、彼が謎の超空間で目を覚ましたところからスタート。精神的なものだけでなく肉体的にも疲れ切ってそうなオッサンが主人公というのは意外と新しいし、なんかそういうのが好きな癖のある人には刺さりそうだなと思った次第。

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 舞台となる空間は現実世界にそっくりな作りではあるが、壁から謎の肉片が生えていたり、クリーチャーが存在する非現実的でかなりグロテスクな世界となっている。そんなエグい世界で目覚めてしまったローマンはさまざまな謎解きをこなしながら脱出を図ることに。

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往年のラジコン操作採用&謎解き要素の比重大きめな設計

 ゲームシステムは基本的に動的な俯瞰視点で探索をしていく往年のサバイバルホラータイトルに寄せており、キャラクターの操作は所謂ラジコンタイプ(※編注:『バイオハザード』や『サイレントヒル』の初期作品のように、ほぼ固定のカメラ視点からキャラを操作する方式のこと)。マップを探索して武器やアイテムを収集しながら仕掛けられた謎を解き明かし先へと進んでいくことになる。

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 なお本作は謎解きとストーリーテリングのアドベンチャー部分を特に重要視しているらしく、筆者がプレイした印象だとアドベンチャー8割戦闘2割といった感じの比重になっている。だからラジコン操作での戦闘が苦手な人でも比較的遊びやすいんじゃないかな。

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謎だらけの状態から徐々に真相が見えていく構成

 さて、本作の特徴をいくつか上げていこうと思う。まずは登場人物のバックグラウンドがほとんど明かされずにスタートするところだろうか。
 そもそもローマンはどういう過去があるのか欠片も触れられていないところからゲームが始まるのだが、探索を進めていくごとに少しずつその断片を匂わせるような部分が見え隠れする。そこでプレイヤーが『
もしかしてこういうことがあったのか?』みたいに想像を掻き立てるのだが果たして……。といった感じだ。そのほかの登場人物も同様で、プレイヤーにあまり情報を与えないまま進んでいくのが海外ドラマっぽさもあり個人的にストライクだった。

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他キャラも操作する中で一人称視点になるシーンも

 ところでローマンを操作するときは先程触れたように『サイレントヒル』や『バイオハザード』みたいなラジコン視点でプレイするのだが、ある程度物語を進めていくと他の登場人物を操作する場面が出てきて、そのなかには主観視点(FPS)の操作になる人物も。コレ、ローマンとそのキャラクターの立ち位置の違いがカメラ視点の違いの差別化として表現されていて面白かったね。

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 あ、ちなみに主観視点のときは視野角が狭めなので人によっては酔っちゃうかもしれないので注意。筆者がプレイしたPC版では視野角の変更ができたので気になる人は調整したほうがいいだろう。

戦闘はボス戦以外はゆるめ。回避してもオーケー

 戦闘面についても触れていこう。まず、前述したように本作は戦闘のプライオリティが非常に低いため、そもそもあまりシビアに戦うように作り込まれていないように見える。というのも、敵の追従性と移動速度がそもそも低いため走れば逃げ切ることができるし、回避行動のバックステップを出したときの無敵時間がかなり長いので、敵の攻撃に合わせてバックステップ→近接攻撃というパターンで完封可能。

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 一応ハンドガンやショットガンといった銃火器を使用して戦うこともできるのだが、こういった装備はストーリー上避けられないボス戦用に温存し、それ以外は上記方法で……といった塩梅。まぁボス戦以外はあってないような物としかコメントできないかなぁ。その分、アクションが苦手な人でも楽しめると言えなくもないか。

各セクションをコンパクトにまとめた設計はグッド

 マップ構造についてはかなりいい感じだ。というのも、サバイバルホラーのゲームでプレイヤーがダレる要因の一つに”大きなマップのあっちこっちに行ったり来たりさせられて強制的に時間がかかる”ということがあると思う。
 だが本作は行動するマップ自体が基本的に狭く、広いマップでもシンプルな構造となっているため、謎解きの間に右往左往して無駄に時間を盗まれるという感じは一切ない。またそれだけでなく、目につきやすい場所に謎解きのヒントが主張激しめに配置されていて、プレイヤーフレンドリーな設計だ。
 かといって謎解きの難度も簡単すぎずにまずまずな感じで、サクサクと物語を進めていけるはず。まぁ3章中盤以降のとある謎解きで俺は一度ドツボにはまってるけどね。

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単なるレトロオマージュに終わらず、サクっと謎空間の中に没入できる快作

 で、実際に本作を遊んでみてどうなのかっていうと、筆者はかなり気に入った。それなりにサクサク進められるし、最初はおぼろげな登場人物のバックグラウンドが少しずつ見えてくるとワクワクするわけで、結構熱中してしまったかな。
 『サイレントヒル』とかのゲームに強く影響を受けているのは言わずもがななんだけど、あまりそちらに寄りすぎないように配慮しているのも伺えるし、「PS2時代のゲームのテイストをUE5という最新のエンジンで強化したらこうできるんじゃない?」っていうショーケース的に見ても面白いタイトルだと思う。というか、40過ぎのゲーマーには何かノスタルジックに感じるんじゃないかな?
 個人的に普段英語を話してるローマンがなにかの拍子に普通に日本語を喋るのが面白くてゲラゲラ笑っちゃったので、そこも是非見て欲しいところ。つーわけで、ゴールデンウィークのおともに本作を遊んでみてはどうだろうか?

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『Post Trauma』レビュー。PS2のホラゲーのテイストとUE5のライティングが融合した、謎解き重視のインディーホラー【BRZRKのうるせー洋ゲーこれをやれ】

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