土曜日, 5月 24, 2025
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『MAXXXINE マキシーン』レビュー・感想【ネタバレなし】高野駒子

🧠 あらすじと概要:

映画『MAXXXINE マキシーン』のあらすじ

『MAXXXINE マキシーン』は、Xシリーズ三部作の完結編で、主に1985年のハリウッドを舞台にしています。物語は、ポルノスターからハリウッドのスターを目指す主人公マキシーンの野心と困難を描いています。彼女の周囲には連続殺人事件が発生し、同僚の殺害を通じて警察が彼女に疑いの目を向ける。そして、マキシーンは自らの過去と向き合いながら事件の真相を探り、サスペンスとスリルに満ちた展開が繰り広げられます。

記事の要約

この記事では、『MAXXXINE マキシーン』の試写会の感想が述べられています。筆者はこの作品が前二作『X エックス』と『Pearl パール』を観た後に鑑賞するべきだと強調し、作品のスリラー要素や80年代の文化的背景にも触れています。映像美や音楽、キャストの演技などが高く評価されており、ホラーの枠を超えた映画としての魅力が際立っています。

特に、主人公マキシーンの強さや成長が描かれ、その生き様が物語に深みを与えています。ストーリーにはサスペンスや緊張感が保たれつつも、グロテスクなシーンは控えめで、血なまぐさいホラー映画を求めるファンには物足りないと思われる部分もあるものの、映像全体のクオリティやエモーショナルな要素が作品を際立たせています。

全体として、本作はシリーズの集大成としてしっかりとした締めくくりとなり、映画ファンにとって満足のいく体験を提供しているとの感想が述べられています。

『MAXXXINE マキシーン』レビュー・感想【ネタバレなし】高野駒子

一足お先に試写会で観て参りました、Xシリーズ三部作の完結編『MAXXXINE マキシーン』。

女優ミア・ゴスを一気にスターダムの座へ押し上げたと言ってもいい本シリーズ。

その記念すべき一作目が『X エックス』

舞台は1979年、テキサス。

二作目が『Pearl パール』

こちらも舞台はテキサス、時代はぐっと遡って1918年。
第一次世界大戦終結間際。

そして本作、『MAXXXINE マキシーン』

舞台は1985年、ハリウッドへ。

重要なことがひとつだけ。
くれぐれも本作は『X エックス』,『Pearl パール』を観てからのご鑑賞を!!

少なくとも『X エックス』を観ていないと、面白さが半減どころかそもそもストーリーについていけない可能性が。

前二作に比べると、ホラーというよりスリラー要素が強め。

一作目の『X』はスラッシャー系。
二作目の『Pearl』はサイコホラー系。
もちろんミステリー要素は皆無。
刑事も捜査も推理も存在しない。
一転、本作『MAXXXINE マキシーン』はというと。

公式サイトによるあらすじ紹介。

このあらすじを見て、大抵の人はサスペンスものを想像するのではないだろうか。
そう、前二作とは打って変わって、TVは殺人鬼のニュースで持ちきり。
そんな中主人公の仕事仲間が殺され、彼女の元には警察が。
非協力的な彼女に、刑事たちは疑いの目を向けつつしつこく聞き込み。
更には私立探偵まで現れて……。
いやはや、完全にサスペンス。取り調べ室とか出てきそうな。カツ丼が出されそうな。
「吐けば楽になるぞ」なんて言われそうな。

主人公、マキシーンの野心たっぷりな生き方を描くドラマ性。

オーディション会場にて。
レンタルビデオ店を営む友人。

ポルノスターからハリウッドスターへと上り詰めようとするマキシーン。
様々な障害を乗り越え、困難を握り潰し、気合と根性と努力で突き進む。
そんな彼女の強さと才能に惚れ込み、手を貸すエージェントや友人。
エンタメの最高峰ハリウッドの洗礼を浴びせ、期待をかける映画監督。
これは女優・マキシーン・ミンクスの物語でもある。

80年代ロサンゼルスのファッション・文化も楽しめる映像作り。

ファッションや街並みにも注目。

色とりどりのネオン。
無秩序に人でごった返す街中。
パキッとした派手な色使い、身体にぴったりフィットするボディコンシャスな服装。
己の肉体美を見せつけるような激しい露出度。
アクセサリーも大振りで存在感たっぷり。
現代の基準から見るとド派手でやりすぎ感があるほどのファッションが、スクリーンに映える。

クラブ?ディスコ?での一場面。

クラブでのシーンも。
うるさいほどにチカチカ光るライト、マトモに会話もできないくらいの音楽。
臨場感たっぷりでスタイリッシュ。

また、80年代当時の時代背景に触れることによって、作品内の登場人物の言動に説得力を持たせ感情移入もしやすくなっている。

当時のアメリカでは映画や音楽等の創作物の暴力的表現を規制する動きが強まっていた。
同時にアダルト作品の廃止を訴える、アンチ・ポルノ運動も盛んに行われる。
作中、アンチ・ポルノ運動真っ只中の道路を通り過ぎるマキシーンの姿。
プラカードを掲げて叫ぶ人々の群れ。
ポルノスターである彼女は、何を思っただろうか。
現代日本を生きる私たちは、何を感じ取るだろうか。

ザラザラとした画質の悪いブラウン管TVに当時のリアルなニュース映像が度々挟まれる。
私たちを80年代に連れて行ってくれるかのようなニクい演出。

彼女を付け狙うのは誰?何故彼女の過去を知っている?
連続殺人鬼ナイトストーカーとの関係は?
ハラハラさせるスリラー展開。

忌まわしい6年前の事件を知る誰かからのメモやビデオ。
周囲の人間が殺されていく。
フラッシュバックする記憶に苛まれるマキシーン。
正体を暴こうとする彼女、なかなか尻尾を見せない相手。
スリリングな空気は続く。

たっぷりの血と殺戮シーンも健在。やっぱりホラー映画はこうでなくっちゃ!

そもそも前二作が好きだからこの最終作を観ているわけで。
血が!足りない!!と飢えた吸血鬼のような心持ちの皆さん、お待たせしました。
血、あります。
前二作と比べれば頻度は少なめではあれど、粒揃いのシーンたち。
どんな風に楽しませてくれるのかは、劇場でご覧あれ。
私のお気に入りは、、危ない危ない。ネタバレ禁止。

ついに突き止めた犯人。
何故マキシーンを狙ったのかが明かされる。
窮地に陥った彼女はどうする!?

危険をかい潜り、持ち前のタフネスでついに辿り着いた犯人の居場所。
それが何者かを知った彼女の表情は、言動は……。

これぞシリーズ最終作!
マキシーンの、彼女を演じるミア・ゴスのファンには堪らない作品!

いちホラー映画好き、グロがゴアがスプラッターが大好物!な私としては
そういったシーンの多い前二作の方がホラー映画としての満足度は高かった、というのが正直な感想。
ただ三部作の最終作としては、上手くまとめてきたなと。
ラストのマキシーンの台詞の印象的なことといったら。
彼女の性格と行動原理を的確に表す一言に、痺れる。

ホラー映画ファンなら思わずニヤついてしまうような、古典ホラーのオマージュがたっぷり。

え、ホラー要素薄いの?血液少なめなの??とご不満のホラー映画ファンの皆さんに朗報。
撮影所のあのセットは!
隠れながら外を窺うあのシーンは!
ここも!そこも!
数え上げたらキリがないくらいに散りばめられた他作品のオマージュ。
前二作を思い起こさせるシーンも!?
鑑賞中、慌てて口を抑えながらニヤニヤしていた私であった。
ああ、今話したい、話したい……!(ネタバレダメ絶対。)

「ホラー映画」というくくりを超え、純粋な「映画」としての魅力。

映像、音楽、俳優たちの演技と存在感。
どれをとっても申し分ない。
映像に関しては80年代のレトロさが一周回ってスタイリッシュに昇華されている。
ややビビッドな色使いの画に、時折挟まれる当時のブラウン管TVのザラザラした画が何ともエモーショナルに視覚へ訴えかける。
どこか野暮ったいような当時のヒット曲が抜群に映像を引き立て、ピッタリと混ざり合う。
ミア・ゴスの演技と代わりの効かない唯一無二の存在感は言うまでもなく、脇を固める豪華俳優陣が更にそれを高める。
観て損はない、堂々たる映像作品。

80年代を活かしたオシャレな雰囲気。
強く逞しく、魅力的に過ぎる主人公。
エンドロールが終わり劇場が明るくなった瞬間、良質な映画を観た後特有の恍惚と満足感に包まれた。



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