『ELDEN RING』はロア満載のゲームだ。カットシーンから環境のディテールやNPCとの会話まで、ストーリーのヒントが随所に隠されている。もちろん、フロム・ソフトウェアらしく、アイテムの説明文に至るまで、なにかしらストーリーや世界について理解を深めることができる。
だが、『ELDEN RING NIGHTREIGN』は通常のフロム・ソフトウェアのゲームと性質が大幅に異なる。本作はオンライン協力型のPVEゲームで、ローグライトの要素も含まれている。通常のフロム・ソフトウェアのゲームと同じストーリーテリングを届けることは困難だ。では、『NIGHTREIGN』の物語はどのように届けられているのか、紹介しよう。
そもそも、「NIGHTREIGN」ではどういう物語が描かれているのか。ディレクターを務める石崎淳也氏は以下のように説明している。
「『NIGHTREIGN』は基本的に『ELDEN RING』と同じ設定や世界で展開されていますが、いわば違う舞台で行われています。本作には『夜の王』というコンセプトがあり、これは本編と別の時間軸で『狭間の地』に降りかかった抽象的な現象、あるいは災害です。現実世界における災害のように、意図的なものではなく、自然に発生したものなんです。それに立ち向かっていくのが『夜渡り』です。『夜渡り』はこの災害を止めるべく、『夜の王』を倒さなくてはならない戦士ですね」
この設定のもと、本作には8種類のクラスがあり、どのクラスも『ELDEN RING』の世界各所から集まっている。「NIGHTREIGN」のストーリーは、この8体の「夜渡り」がどういう存在なのかを描いている。彼らはなぜ戦うのか。「夜の王」を倒すという責務を課せられる前はどういう存在だったのか。それを知るために「記憶の断片」を収集していく必要がある。
プレイヤーの拠点となる円卓では「図録」を確認でき、入手した「記憶の断片」を閲覧できるようになっている。その一部は単にキャラクターのバックグラウンドについて解説するジャーナルだが、なかにはキャラクターの過去の出来事をプレイアブルにした体験「断片の追憶」もある。「断片の追憶」を始めると、夢の中にいることを物語るかのようなぼんやりとした縁が画面端に出現し、記憶のロケーションへと転送する。一部のキャラクターにとって「断片の追憶」の舞台は円卓だが、彼らの出身地が舞台になっているようなこともある。
「断片の追憶」内でNPCと会話することで、目標ができる。どのような目標なのかはキャラクターや「断片の追憶」によって様々だ。例えば「鉄の目」の場合、新しいマッチに挑み、特定のロケーションへ移動し、「断片の追憶」の目標を入手しているときにのみ出現するミニボスと戦わなければならない。ミニボスを倒すとアイテムが手に入り、そのアイテムを持って再び過去に戻り、NPCに渡すことで「断片の追憶」が次に進む。
一方で、「追跡者」はボスと戦うのではなく、ある洞窟に隠されたアイテムを探すことになる。マップが縮小しているときに複雑に入り組んだ洞窟の中にいると外に出られなくなる可能性もあるので、この目標がなければあまり中に入ることはないかもしれない。
「無頼漢」の「断片の追憶」はほかの「夜渡り」と大幅に異なる内容で、剣闘士のように1体1で様々なボスと戦うことになるものだ。
私はまだキャラクターたちのストーリーを少ししか体験できていないが、本編でじっくりと楽しみたいポイントだ。少なくとも、これまでのフロム・ソフトウェアのストーリーテリングを思えば、興味深くて斬新なアプローチであることは間違いない。
『ELDEN RING NIGHTREIGN』についてもっと詳しく知りたい人は、「鉄の目」及び「無頼漢」のインプレッション記事、それから大ボス「「夜の魔、リブラ」のプレイ映像も確認してほしい。
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