年齢:18歳(猫猫と同い年)
位:四夫人「淑妃」
住まい:柘榴宮(ざくろきゅう)
氏族:子の一族
いつも濃い化粧をし、豪奢な服を着飾っている楼蘭妃。ところが、派手な衣装に反してその表情はとても淡々としており、人前で彼女が顔色を変えることはありません。猫猫が上級妃向けに女の園の秘術の講座を行った際にも、顔を赤らめる他の妃たちに対して、楼蘭妃は終始興味のなさそうな表情のまま。
さらに、彼女は口数も非常に少なく、作中で彼女が話しているシーンは片手で数えられるほどであり、時には相手が正面にいながら従者を通じて会話をすることも。つかみどころのない人柄で、同じ上級妃である梨花妃は彼女のことを「よく分からない方」と壬氏に話しています。
また、昨日は胡服(中国北方民族伝統の服)、今日は南方の羽織と毎日全く雰囲気の違う衣服をまとい、それに合わせて化粧や装飾品、髪型を変えるため、後宮内でも「変わり者」として入内直後から噂に。しかし、逆に奇抜な見た目以外のことが不自然なほど噂になっておらず、とてもミステリアスな上級妃です。
楼蘭妃は、先帝時代からの重臣・子昌(シショウ)の一人娘で、後宮から去った阿多妃の後釜として新しく輿入れされました。父の子昌は古くから王家に仕える子一族の傍流の生まれでしたが、その才覚を見込まれ、本家の娘・神美(シェンメイ)の婿として迎え入れられることになります。
現在の後宮がひとつの都市ほどの規模となったのも、子昌が先帝時代に実権を握っていた先帝の母に取り入って進言したためです。確かな政治的手腕を活かし、真面目かつ親身に仕える子昌は先帝やその母・太皇太后に信頼された結果、寵臣となり、傍流の生まれながら一族の長まで上り詰め、現在は領地である子北州を治めています。太皇太后と先帝が亡くなった今もなお宮中での影響力は絶大で、皇帝も頭が上がらないほどなのだとか。
そんな子昌のごり押しで後宮に入った楼蘭妃。皇帝は子昌の手前、彼女の元に通わないわけにもいかないという理由から定期的に柘榴宮を訪れているようですが、玉葉妃や梨花妃ほど寵愛しているわけではない様子。加えて行くたびに変わる衣装と化粧によって「毎回違う女を見ているようで混乱する」と壬氏に零しています。
作中では壬氏の従者・高順(ガオシュン)の息子・馬閃(バセン)が2人を見て「……腹黒親子め」と零しており、壬氏も思惑の読めない子昌に対し、警戒する様子が描かれています。彼らの思惑とは一体なんなのでしょうか……。
積極的に人と関わることのない楼蘭妃は、猫猫との接触する機会も非常に少なく、最も至近距離で2人が接したのは先述の妃教育の講座です。この時が初対面ですが、楼蘭妃は常に目線を外しており、2人が目を合わせる描写はありませんでした。
その後も2人が直接会うような機会はなく、面識のある他の上級妃の人柄を知る猫猫も楼蘭妃に関しては「どういう人かよく分からない」と感じているようです。
楼蘭妃は50人以上の侍女を連れて入内しました。出身地が近いのか、みんな顔立ちや体型が似ており、侍女たちも妃に合わせて毎日化粧や衣服を変えているようです。
楼蘭妃の声優は明らかにされていません。元々アニメで話しているシーン自体がごくわずかなのですが、彼女が言葉を発した回でもエンディングクレジットにキャスト名はありませんでした。
腹の内が読めない楼蘭妃。彼女の正体は、2期から登場した下女・子翠です。猫猫と馬が合い仲良くつるむことも増えた彼女は、侍女と入れ替わって下女の格好で後宮内を動き回っていたのです。
楼蘭妃が毎日風貌を変えていたのも、面立ちや背格好が似た侍女ばかりを選んで連れてきていたのも、入れ替わったことがバレないようにするためだったようです。
彼女が後宮に送り込まれたのは母・神美の指示によるものです。神美はかつて妃として後宮に召し上げられたこともあったのですが、重度の幼女趣味のあった先帝は、神美ではなく彼女の侍女に手を付けたのです。国母になるという野望が叶うどころか侍女が寵愛を受けたことで自尊心が激しく傷つけられた彼女は、下賜という形で子昌と結婚する頃には性格が酷く歪み、現政権もろとも先帝を恨むようになりました。
長である子昌よりも子一族で幅を利かせていた神美は娘を後宮に送り込み、楼蘭は侍女を影武者にして、下女・子翠に扮して後宮内の情報を収集していたようです。神美は自分が叶えられなかった国母になる野望を娘に遂げさせることも考えていたようですが、結局一族を巻き込んだクーデターを起こし国を乗っ取ることを目論みます。
楼蘭は、どんなに美しく着飾っても醜悪で父を食い物にする母のようにはなりたくないと思っていたため、堕胎剤を服用して皇帝との子どもを身籠る事を拒み、さらには母のクーデター計画を内部から壊します。
父・子昌は神美への情からその行いを止めず、あえて反逆者を演じることで一族の膿もろとも破滅するつもりでした。父の意向を汲んだ楼蘭自身も悪役を演じ、最後は砦の屋上で武官の銃に撃たれ、そのまま落下。雪深かったせいか死体は見つかっていないものの、死んだとされています。

作品名 | 薬屋のひとりごと |
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スケジュール | 2023年10月21日(土)〜2024年3月23日(土) 日本テレビ系にて |
あらすじ | 大陸の中央に位置するとある大国。その国の帝の妃たちが住む後宮に一人の娘がいた。 名前は、猫猫(マオマオ)。 花街で薬師をやっていたが、現在は後宮で下働き中である。 ある日、帝の御子たちが皆短命であることを知る。 今現在いる二人の御子もともに病で次第に弱っている話を聞いた猫猫は、興味本位でその原因を調べ始める。呪いなどあるわけないと言わんばかりに。 美形の宦官・壬氏(ジンシ)は、猫猫を帝の寵妃の毒見役にする。 人間には興味がないが、毒と薬の執着は異常、そんな花街育ちの薬師が巻き込まれる噂や事件。 きれいな薔薇にはとげがある、女の園は毒だらけ、噂と陰謀事欠かず。 壬氏からどんどん面倒事を押し付けられながらも、仕事をこなしていく猫猫。 稀代の毒好き娘が今日も後宮内を駆け回る。 |
話数 | 全24話 |
キャスト | 猫猫(マオマオ):悠木碧 壬氏:大塚剛央 高順:小西克幸 玉葉妃:種﨑敦美 梨花妃:石川由依 里樹妃:木野日菜 阿多妃:甲斐田裕子 梅梅:潘めぐみ 白鈴:小清水亜美 女華:七海ひろき やり手婆:斉藤貴美子 羅門:家中宏 李白:赤羽根健治 小蘭:久野美咲 やぶ医者:かぬか光明 馬閃:橘龍丸 風明:日髙のり子 羅漢:桐本拓哉 翠苓:名塚佳織 陸孫:内山昂輝 鳳仙:桑島法子 皇太后:能登麻美子 子昌:チョー ナレーション:島本須美 |
スタッフ | 原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス刊) キャラクター原案:しのとうこ 監督・シリーズ構成:長沼範裕 副監督:筆坂明規 キャラクターデザイン:中谷友紀子 色彩設計:相田美里 美術監督:髙尾克己 CGIディレクター:永井有 撮影監督:石黒瑠美 編集:今井大介 音響監督:はたしょう二 音楽:神前暁 Kevin Penkin 桶狭間ありさ アニメーション制作:TOHO animation STUDIO×OLM |
主題歌 | OP1:「花になって」緑黄色社会 OP2:「アンビバレント」Uru ED1:「アイコトバ」アイナ・ジ・エンド ED2:「愛は薬」wacci |
電子書籍 |
『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』電子書籍(コミック) 『薬屋のひとりごと』電子書籍(コミック) |
(C)日向夏・主婦の友インフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会

作品名 | 薬屋のひとりごと 第2期 |
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スケジュール | 2025年1月10日(金)〜 日本テレビ系にて |
あらすじ | 帝の寵妃・玉葉妃の妊娠判明により、猫猫は翡翠宮の毒見役に復帰。 妃、そして帝の御子を狙った事件が再び起きないよう警戒をしながら、日々を送っていた。 先帝時代からの重臣を父にもつ新たな淑妃・楼蘭妃の入内、壬氏の命が狙われた、前代未聞の未解決事件、そして消えた容疑者・翠苓。 不穏な空気が晴れない中、外国からの隊商、さらには無理難題な要求をする特使も来訪。宮中にはさらなる暗雲が立ち込め始めていた。 猫猫と壬氏を待ち受ける新たな難事件。それらは、やがて国をも巻き込む一大事件へと発展していくー |
キャスト | 猫猫:悠木碧 壬氏:大塚剛央 高順:小西克幸 玉葉妃:種﨑敦美 梨花妃:石川由依 里樹妃:木野日菜 小蘭:久野美咲 子翠:瀬戸麻沙美 姶良:Lynn 愛凛:原由実 ナレーション:島本須美 |
スタッフ | 原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス刊) キャラクター原案:しのとうこ 総監督・シリーズ構成:長沼範裕 監督:筆坂明規 副監督:中川航 脚本:柿原優子 千葉美鈴 小川ひとみ キャラクターデザイン:中谷友紀子 美術監督:髙尾克己(ARED) 色彩設計:相田美里 CGI ディレクター:永井有 撮影監督:鈴木麻予(T2 studio) 編集:今井大介 音響監督:はた しょう二(サウンドチームドンファン) 音楽:神前暁 Kevin Penkin 桶狭間ありさ アニメーション制作:TOHO animation STUDIO×OLM |
主題歌 | OP1:「百花繚乱」幾田りら OP2:「クスシキ」Mrs. GREEN APPLE ED1:「幸せのレシピ」平井大 ED2:「ひとりごと」Omoinotake |
電子書籍 |
『薬屋のひとりごと(スクウェア・エニックス)』電子書籍(コミック) 『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~(小学館)』電子書籍(コミック) 『薬屋のひとりごと』電子書籍(ラノベ) |
(C)日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会

1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。

- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。
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