
2025-05-06 16:00
薬屋を生業としていた少女・猫猫(マオマオ)が、後宮で起こる不可解な事件や謎をその知識や経験で推理し、解決してゆく爽快なストーリーが大きな話題となっているアニメ『薬屋のひとりごと』。
本作は日向 夏先生によるライトノベルを原作とし、2誌でのコミカライズもされるなどのメディアミックス作品としても注目を集めています。
原作やコミカライズ作品でも本作に触れたことのある方には意味がなんとなく察せられる用語も、アニメ勢にはわかりにくい言葉も多くあるかと思います。
本稿では、『薬屋のひとりごと』に登場する、ちょっとわかりづらいかもしれない用語を集めて簡単に解説していきます。用語や背景を理解することで、より本作がおもしろくなること請け合いです!
『薬屋のひとりごと』は、「茘(リー)」の国を舞台にした物語です。
「茘」で最も身分の高い帝(皇帝)とその血縁者・家族の住まいや、政治を行う場所が「宮廷」となります。
後宮は、そんな宮廷の一角にあり、帝の子をなすための「妃」やその身の回りの世話をする女性たちが集められ生活している場所で、「内廷」とも呼ばれています。周りは堀と高い塀に囲まれていて、抜け出すことは不可能です。
帝とその血縁者以外は男子禁制であり、去勢をされた元男性のみが足を踏み入れることが出来ます。
ここでは、そんな宮中や後宮でよく使われる言葉を解説していきます。
国で最も高貴な身分で、国を治め頂点に立つ人物です。
なお、現在の帝にも名はあり、「僥陽(ギョウヨウ)」と言います。
どちらも帝を指します。「主上」は、身分の低い者が帝を敬って使う敬称であり、「今上」は現在の帝を表わす言葉になっています。
現在の皇帝・帝の先代であり、現帝にとっては父親にあたります。
帝の直系の「子ども」を指す言葉です。
帝との間に生まれた男児を「東宮」、女児を「公主」と呼びます。玉葉妃の娘「鈴麗(リンリー)」が「公主」の立場にあります。
「東宮」は皇位継承権を持つ次の「帝」候補、ということになります。
在位中の帝に男児が生まれればその子が「東宮」となりますが、男児がいない・または生まれる前までは、帝の弟が「東宮」となります。
帝(皇帝)の弟。本作では壬氏がこの身分にあたります。
壬氏が祭祀を執り行うシーンもあるほど、帝と同じく貴い身分として宮廷で政治に携わることも多いようです。
帝を産んだ「母」であり、一般的には「先代の后」=「皇太后」を指します。産んだ男児が帝として即位をすることで「国母」「王母」と呼ばれるようになります。
「妃」は帝のお嫁さん候補、と考えるとわかりやすいでしょう。
「后」は実際に帝と正式に婚姻を結んだ「正室」であり、「皇后」と呼ばれる立場になります。つまり帝の「奥さん」です。
「茘」では帝との間に最初に男児をもうけた女性が「皇后」になります。
後宮で位の高い妃たちを指します。玉葉妃、梨花妃、里樹妃、楼蘭妃(以前は阿多妃)がこの「上級妃」であり、「四夫人」と呼ばれています。
実家の家柄も大変よい女性が「上級妃」になるようで、実家の権力の大きさなどによって「中級妃」「下級妃」となるようです。
「上級妃」とほぼ同じ意味を持ちますが、こちらは階級の呼び方になります。
「妃」として後宮に入ること。政治的な意味合いで、他国の実力者が自身の娘を帝や国に「差し出す」こともあるようです。
後宮に務める官職であり、それは去勢をされた「元男性」であることを意味します。
先帝・女帝時代にこうした風習がありましたが、現在の皇帝が即位してからは去勢することがなくなりました。
外廷(宮廷の外)の「軍部」に勤務する官職。有事の際に出動するため、日々鍛錬しています。
李白や馬閃が武官になります。
外廷に勤務する官職で、いわゆる「事務職」に近い存在。
後宮内外の医局に勤める官職、医者。現状、医官になれるのは男性のみで、女性はなれないことになっています。
生活をする内廷とは逆に、宮廷内で政治を行う場所です。さまざまな部署があり、多くの武官・文官はここで勤務しています。
宮廷または後宮に勤めている女性。先帝の時代では10歳で女官になることも多かったようですが、現在の皇帝の時代ではせいぜい14歳くらいからのようです。
女官の中でも位の低い女性。実家が貧しい場合が多く、文字が読める者は多くありません。洗濯や掃除などの雑用をしています。
大部屋で数人で寝泊りしたり、大きな食堂でみんなで食事をするなど、まさに共同生活をしているようです。
誰でもなれる下女とは逆に、登用試験を突破した優秀な女性。宮廷の官職について仕事をしています。
貴い身分の人の身の回りの世話をする女性を指し、女官の中でも家柄のよい女性がなる場合が多いようです。
雇われる際に決められた「雇用期限」を指します。
しかし実際、親や実家に借金があったり、生活苦のために身売りされての雇用である場合も多く、その借金返済のために働いているという意味合いも含まれています。
次項で解説する花街でも同様の言葉として使われています。
夜の営み、つまり夜の寝所のお相手をすること、を指します。
帝と体の関係を持つことを指します。帝と関係を持った女性は、基本的に一生 後宮から出られない人生を送るようです。
一般的に、身分の高い者から、低い者へのプレゼントを指します。
妃が使っている品を自分の侍女にプレゼントする、などが当てはまりますが、功績をあげた武官などに「褒美」として、入内していた妃を贈る、という場合にも使われます。
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