火曜日, 5月 20, 2025
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『続・続・最後から二番目の恋』子を想う母の気持ち 変わりゆく価値観の中変わらないもの


 もしも『最後から二番目の恋』シリーズが好きな理由を聞かれたなら、私は「伝えたいメッセージは確かに描かれているのに、押し付けられている気分にならないところ」と答える気がする。

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 早くも第6話を迎えた『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)は、冒頭、浮かない顔をした千明(小泉今日子)が登場した。千明の心を沈めた原因は、実家・信州上田の母・有里子(三田佳子)から電話があったこと。どうやら千明の母は、娘を心配に思うあまり、父が体調不良と嘘をついて、彼女に「たまには顔を見せろ」と言うらしいのだ。

 これに千明は嘘ゆえに帰らないという態度を取る。一方の和平(中井貴一)は千明の話を聞き「何度だって騙されてあげればいいじゃないですか」「会いたいって言ってくれている親がいるうちに」「我々は早くに親を亡くした子どもたちですから」と返す。千明の背中を押したのであった。

 この「親が生きているうちに会いに行け」とのメッセージ、説明する必要もないくらいに明確かつ直接的だ。しかし、和平が自分の人生を重ねて話すからなのか、決して「説教じみている」「押し付けられている」というふうには感じない。脚本の妙であり、和平演じる中井貴一の柔らかな存在感ゆえだろうか。思わず感心してしまった。

 しかし、ここで問題が発生する。それは千明が親を安心させるために「隣に住んでいる人と、将来の約束をしたよ」と嘘をついてしまったことだ。ここで、この嘘をあえて入れるのも、このドラマのおもしろさのひとつ。真剣なシーンと、クスッと笑ってしまうやりとりのバランス感覚が“お説教”っぽさを感じさせない理由のひとつなのかもしれないと感じた。


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 さらにもうひとつ、気になったシーンがある。それは千明の母が「宝物のような子」と娘・千明への愛をストレートに表現したことだ。

 近年、世の中的に家族の形、愛の形は多様化している。それは現実世界だけでなく、ドラマや映画を観ていても感じること。「家族であっても愛があるとは限らない」「家族以外とだって親密な関係は築くことができる」といった当たり前を疑うようなメッセージを強く感じる機会が増えた。そして、これは長倉家と千明の関係性にも言えることである。千明と和平は家族でも恋人同士でもない。でも、お互いに困ったときには助け合い、毎朝、朝食を共にする関係性だ。

 しかしその中で、今回、このドラマはあえて子を想う母の気持ちを色濃く描いていた。いろいろなものごとや価値観が多様化する中で、昔から変わらないこと、普遍的なものもあるということを伝えるかのように。

 千明はもう間もなく60歳だ。この60年の中で、たくさんの価値観が変化し、アップデートされてきたことだろう。そしてそれは千明の母にとっても言えること。「事実婚なんて、イマドキね」と一昔前だったら認められないような価値観を尊重する姿からは、時代についていこうとする、そして先進的な考えを持つ娘の考えをどうにか尊重しようとする母の姿が描かれていたように感じた。

 しかし、そんな60年の中でも変わらないことがある。それは母にとって、千明はいつまでも“宝物”であるということだ。変わりゆく価値観の中にも、ずっと変わらないものはたしかにある。ある意味時代とは逆行しているかもしれないメッセージを、『続・続・最後から二番目の恋』の第6話は伝えてくれた。

■放送情報
『続・続・最後から二番目の恋』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:小泉今日子、中井貴一、坂口憲二、内田有紀、飯島直子、久保田磨希、松尾諭、佐津川愛美、白本彩奈、広山詞葉、美保純、柴田理恵、浅野和之、渡辺真起子、森口博子、石田ひかり、三浦友和ほか
脚本:岡田惠和
プロデュース:若松央樹(フジテレビ)、浅野澄美、郷田悠(FCC)
演出:楢木野礼、高橋由妃、西岡和宏(フジテレビ)
主題歌:浜崎あゆみ「mimosa」(avex trax)
制作協力:FCC
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/nibanmeno_koi/
公式X(旧Twitter):@zokuzokukoi2025
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編集部の感想:
このドラマは、変わりゆく価値観の中でも変わらない家族の愛や思いが描かれていて、心に響きます。親が子どもを思う気持ちは普遍的で、時代が変わっても大切にされるべきものだと感じました。登場人物たちの人間関係の微妙さも、笑いと感動を兼ね備えた絶妙なバランスです。

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