実写映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』が、2025年5月23日(金)より全国公開されます。
舞台はヴェネツィア。取材旅行に訪れた漫画家・岸辺露伴が、教会内の懺悔室で耳にする“告白”をめぐって、物語は静かに、しかし確実に動き出していきます。
荒木飛呂彦先生による『岸辺露伴は動かない』の原点であり、最も高い人気を誇る「懺悔室」を世界遺産の街・ヴェネツィアでのオールロケによって完全実写化。映画オリジナルのエピソードを加え、時空を超えて続く「呪い」に迫る極上サスペンス作品となっています。
今作で監督を務めるのは、渡辺一貴氏。1991年にNHKに入局後、大河ドラマ『おんな城主 直虎』、映画『ショウタイムセブン』など、数多くの作品を手掛け、2020年からスタートした『岸辺露伴は動かない』では、ドラマシリーズに加え、映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の監督も務めています。
アニメイトタイムズでは、今作の公開を記念して、渡辺一貴監督にインタビュー。原作やキャストに関するお話はもちろん、作品の魅力や監督が影響を受けた人物など、深く語っていただきました。
──なぜこのタイミングで「懺悔室」の映画化が決まったのでしょうか?
渡辺一貴監督(以下、渡辺):「懺悔室」は原作のファーストエピソードで人気もありますし、僕自身も大好きなんです。
TVシリーズ当初から、スタッフ間で「懺悔室は面白い!」という話はしていたんですけど、イタリアが舞台ですし、露伴は文字通り「動かない」ので。映像的に物語として成り立つのかということも含めてハードルが高いエピソードでした。エピソード内のポップコーン対決も、実写で表現するにはクリアしなければいけない課題がたくさんあるので、映像化に踏み切れてはいなかったんです。
映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』をやらせていただいて、そんなに長い期間ではなかったんですけど、フランス・パリでのロケ撮影を実施しました。「フランスの地に露伴先生が立って、お芝居をする」ということが非常にしっくりきたし、我々も手ごたえを感じたところがあって。その時に「もしかしたら、「懺悔室」をイタリアでできるかも」という機運が出てきて、それで「実際にチャレンジしてみよう」という流れになりました。
──シリーズ全体を通して、テーマや決め事のようなものはありますか?
渡辺:脚本の小林靖子さんとも話し合いつつ、「初めて作品を観る方にも分かりやすいように」という部分は意識しています。岸辺露伴がどういう人物で、どういう能力を持っているのか。冒頭で分かりやすく説明すれば、初めて観る方もその後のお話に入りやすいですよね。
その他に「こうしなければいけない」というのはなくて、毎回ひとつひとつのお話が独立したエピソードになっています。構成もゲストキャラクターもメッセージも違うので、「ひとつひとつのエピソードをどう面白く撮るか」ということに集中するだけという感覚です。
──レギュラーキャラクターを生かしつつ、監督ご自身も別の作品を撮影しているというイメージなんでしょうか?
渡辺:そうですね。毎回違う作品に挑むつもりで取り組んでいます。
──エピソードの順番も違いますし、原作とは異なる描き方をしていることもあり、事件に対する岸辺露伴の反応や行動も少しずつ変化しているように感じます。
渡辺:たしかに、第1期の時の露伴先生と今回の露伴先生は違いますね。5年間で露伴を演じる(高橋)一生さんのお芝居のアプローチが変わっていますし、一生さんの中で熟成している感じもします。
──熟成ですか。
渡辺:感覚的な言い方になってしまうんですけど、第1期の頃は、当たり前ですが「一生さんが露伴を演じている」という意識で、僕たちも見ていました。今は一緒になっている感じというか、“露伴先生がそこにいる”んです。だんだんお芝居と現実の境目がなくなってきているような、そういう錯覚すら感じます。今作で言えば、ヴェネツィアという特別な場所で撮っているというのも作用しているかもしれません。
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🧠 編集部の感想:
映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』の実写化は、原作の魅力を新たな形で映し出す挑戦だと思います。ヴェネツィアという舞台設定が独特の雰囲気を醸し出し、観客を引き込む要素になるでしょう。渡辺一貴監督の情熱が感じられる作品に仕上がることを期待しています。
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