『The Elder Scrolls V: Skyrim』向けの非公式Mod「Skyblivion」の開発チームTESRenewal modding groupは4月19日、『The Elder Scrolls IV: Oblivion』(以下、Oblivion)の“リマスター版の噂”に関して声明を投じた。同チームとしては、もし『Oblivion』の公式リマスター版が出るとしても特に懸念は想定しておらず、むしろファン目線で楽しみにしているようだ。

『Oblivion』は、2006年から2007年にかけてPC/Xbox 360/PS3向けに発売されたオープンワールドRPGだ。『The Elder Scrolls』(以下、TES)シリーズのナンバリング第4作となっており、舞台となるのはタムリエル大陸の中央に位置するシロディール地方。帝国が首都(Imperial City)を構えるこの地では、皇帝の死をきっかけとして魔界へと通じる扉「オブリビオンゲート」が解放されてしまった。主人公は王位継承者を探し、世界を破滅へと導く陰謀を阻止すべく、広大なシロディールを冒険することとなる。

そんな『Oblivion』を続編『Skyrim』上で再現する非公式Mod「Skyblivion」がTESRenewal modding groupにより開発中。プロジェクトは2012年に発足し、制作作業は2016年から開始された。本プロジェクトでは、『Oblivion』本編やDLCを含むあらゆるコンテンツを、続編となる『Skyrim』向けの超大型Modとしてリマスターしているという。法的な問題を避けるため3Dオブジェクトなどをすべていちから作り直しているそうで、これまで進捗も都度公開されてきた。2025年内に無料で配信が予定されている(関連記事1関連記事2)。なお本Modはインストール条件として、『The Elder Scrolls V: Skyrim Special Edition』と、『Oblivion』の両方を所有している必要があるという。

今回TESRenewal modding groupはXアカウントにて声明を投稿。「Skyblivion」が2025年内に配信予定であることが改めて伝えられた。そして声明においては、昨今広まっている『Oblivion』の“公式リマスター版の噂”について言及されている。というのも最近になって『Oblivion』のリマスター版が開発されているのではないかという噂が一部ユーザー間で広がりを見せており、Web上ではリークとされる画像なども投じられている。

とはいえ現時点でBethesda Softworks(以下、Bethesda)公式からは『Oblivion』のリマスターについては発表されておらず、あくまで噂の段階。TESRenewal modding groupも噂であることは明言しつつ、“リマスター版”についての見解を述べている。

まずTESRenewal modding groupとしては、『The Elder Scrolls』シリーズの熱心なファンとしてそうした噂にきわめて心躍っており、噂が真実であることに期待しているという。また同チームは、これまでBethesdaがとってきたユーザーコミュニティのプロジェクトをサポートする方針がすぐさま変わることはないだろうとの見方を説明。もし“『Oblivion』の公式リマスター版”が本当に発売されるとしても、「Skyblivion」のプロジェクトが公式によって取り下げられる懸念はないと考えているわけだろう。

またTESRenewal modding groupは、Skyblivionと“『Oblivion』の公式リマスター版”との間に比較や競争意識は必要ないとの考えを説いている。同チームは、「Skyblivion」は『Skyrim』のゲームエンジン上での『Oblivion』の再現を目指しているのに対し、“公式リマスター版”が出るとすれば開発スタジオの資金をフル活用して独自の進化がもたらされているだろうと言及。どちらのプロジェクトもプレイヤーにユニークな体験をもたらすだろうとしている。また「Skyblivion」がPC版『Skyrim』向けのModであるのに対して、もし“公式リマスター版”が出るのであればコンソール向け展開も予想されるとも言及。コンソールユーザーも蘇った『Oblivion』を楽しめる機会になるとも伝えている。

「Skyblivion」

“『Oblivion』の公式リマスター版”の噂が広まる中では、競合となりうる非公式Mod「Skyblivion」の存続について一部から懸念が生じている状況もあった。とはいえ今回の声明を見るに、同Modの制作チームはむしろ“公式リマスター版”をファンとして大歓迎であり、先行きについても冷静に見据えているようだ。

ちなみに『Skyrim』向けには、別の非公式大型Mod「Skywind」も開発中。こちらも『TES』シリーズの過去作である、『The Elder Scrolls III: Morrowind』を『Skyrim』向けに再現するプロジェクトだ。「Skywind」も、オリジナル版の素材をできるかぎり流用せず、3Dモデルなどをいちから再構築して開発されているといい、長年にわたって開発されてきたModとなっている。ちなみに「Skywind」でも、『Skyrim Special Edition』と『The Elder Scrolls III: Morrowind』の両方を所有していることがインストールの条件として告知されている。

ゲーム作品のファンメイドプロジェクトに対しては、公式から中止が要請される例もしばしば見られる。たとえファンメイドでいちから作り直す非営利目的のプロジェクトであっても、許可なくIPのリメイクを進めているのであればその存続の可否は権利元次第といえるだろう。特に公式リマスター・リメイクの発表に際して中止要請がおこなわれるような事例も、過去には見られた。

一方、Bethesda作品ではModコミュニティの賑わいも特徴のひとつ。公式もMod文化やそのクリエイターを尊重する方針をとってきた。とはいえ同社は「Skyblivion」や「Skywind」を公認するとは表明しておらず、もし今後『Oblivion』が本当に公式によってリマスターされるとして、「Skyblivion」などがどのように扱われるのかは注目されるところかもしれない。いずれにせよ、『Oblivion』のリマスター版については公式発表はなく、あくまで噂の段階という点には留意したい。

『The Elder Scrolls V: Skyrim』向けの非公式Mod「Skyblivion」は2025年内の無料リリースを目指して開発中だ。



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