『なんで私が神説教』(日本テレビ系)第6話にて、静(広瀬アリス)VS森口(伊藤淳史)の戦いに終止符が打たれた。
私立名新学園は、校長の京子(木村佳乃)を先頭にした静と浦見(渡辺翔太)を含めた校長派と次期理事長と言われている森口(伊藤淳史)の森口派に分かれている。森口の推し進める生徒への強制退学計画は、明らかな差別的処置が行われようとしており、喫煙騒動の該当者にある生徒の麻衣(松本麗世)の母で保護者会会長・皐月(小沢真珠)が大きな権力を握っていた。そんな皐月は森口派。「強制退学者リスト」にいる彩華(豊嶋花)だけが、退学を余儀なくされていたのだ。

結果的に、静は森口をぎゃふんと言わせることに成功する。その大きな動機となっているのが教師として生徒を守りたいという気持ちも少なからずあるとは思うが、大半は森口による気持ち悪いデリカシーのない絡みに、静の堪忍袋の緒が切れたのが理由だ。夢中でスマホに“神説教”のカンニングペーパーを打ち込む静。演じる伊藤淳史はキャスト発表の際に、「彼女のキャラクターや魅力をより際立たせる存在になれたらと思っています」とコメントしていたが、言わば前半戦の中ボス的ポジションとして、存分に静の怒りの感情を引き出すのに成功している。伊藤といえば、大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合)で大文字屋市兵衛を好演しており、ほかの忘八たちと比べても、声を荒げて、蔦屋重三郎(横浜流星)の感情を逆撫でする姿も印象的だ。

彩華の退学は謹慎処分となり、晴れて生徒たちは公平な処置に収まった。そこには“神説教”だけでなく、静が事前に生徒たちと口裏を合わせ、全員が退学をすると言い出すように仕向けていた。そうすれば、会長の皐月は慌てて、森口に退学はなしにするよう頼んでくる。数手、先を読んでいた静の作戦勝ちだ。
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生徒たちからの感謝の言葉に、頬が緩む静であったが、同じ頃、京子が浦見を問いただしていた。校内に貼られていた「麗美先生は人殺し」のビラは、浦見の恋人で元教師・鈴木愛花(志田未来)の仕業だった。

第6話で明らかになるのは、愛花は自殺した花恋(菅原咲月)の姉であり、フォロワー12万人のインフルエンサー「SEE」としてメッセージのやり取りをしていた静の一言によって、花恋は自ら命を落としてしまったということ。正直、第5話時点での情報からほとんどが分かっていたことではあるが、ビラを貼ったのが愛花だと浦見が把握していたということは、彼は静の過去も知っているということなのだろう。そして、静は愛花が花恋の姉であるということを覚えてはいない。第7話ではどうやら閑話とも言えるストーリーになるようなところからも、静がラストに向き合うのは愛花ということになるのかもしれない。
『となりのナースエイド』『イップス』などのオークラが脚本を手掛ける、進学校を舞台とした完全オリジナル作品。他人と本音でぶつかり合えない大人たちに送る新たな学園ドラマ。初の教師役となる広瀬アリスが主演を務める。
■放送情報
『なんで私が神説教』
日本テレビ系にて、毎週土曜21:00〜放送
出演:広瀬アリス、渡辺翔太(Snow Man)、岡崎紗絵、野呂佳代、小手伸也、伊藤淳史、木村佳乃、堀内敬子
脚本:オークラ
演出:内田 秀実、南雲聖一ほか
チーフプロデューサー:荻野哲弘
プロデューサー:藤森真実、白石香織(AX-ON)
音楽:横山克
制作協力:日テレアックスオン
©日本テレビ
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編集部の感想:
このドラマが描く教師と生徒の複雑な関係性には深い示唆が感じられます。静の戦いが生徒のために結果を出したことで、彼女の成長が際立ちますが、同時に辛い過去が迫るラストにはドキリとさせられました。今後の展開が気になる、切実なテーマを扱った作品です。
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