!注意!本記事には『みつめてナイト』の一部ネタバレになる画像が含まれています
コナミデジタルエンタテインメントから、2025年5月8日にニンテンドースイッチ向けソフト『ときめきメモリアル~forever with you~ エモーショナル』がリリースされます。本作は、いわゆる「恋愛シミュレーション」というジャンルの大きな礎のひとつと言っても過言でない、歴史的な作品です。
そんな『ときメモ』を製作したKCET(コナミコンピュータエンタテインメント東京)が、1997年にプレイステーション向けに発売した、もう1つの恋愛シミュレーションがあります。レッド・エンタテインメント(当時レッドカンパニー)と共同開発された『みつめてナイト』です。
筆者はこの作品が大好きなのですが、残念ながら今のところ他機種への移植などは行われず、また、プレイステーションアーカイブスでも遊ぶことができません。現時点でゲームソフトを所有している以外に遊ぶ方法がないのですが、是非とも1度は遊んでほしい作品として紹介させていただきたく思います!





最初の出会いからフラグを消せます
本作の舞台となるのは、どこかしら中世や近世ヨーロッパのような雰囲気を持つファンタジー世界。主人公は東洋から傭兵として「ドルファン王国」へとやってきた人物です。ドルファン王国は隣国・プロキアからの侵略を受け、戦力補充の狙いのもとに海外から外国人傭兵を受け入れたことが背景にあります。
ゲームとしてはまず管理局に姓名と血液型、誕生日を記入する形で自身のキャラクターを制作します。この際に主人公の相棒・ピコが登場しますが、彼女は主人公以外には一切見えない存在です。その後、ドルファン王国に降り立った直後に女の子がチンピラに絡まれているシーンへと出くわします。




『みつめてナイト』の大きな特徴として「ヒロインを選択できる」ことがあります。例えば襲われてるソフィアはゲームの顔の1人とも言えるヒロインですが、彼女から名前を聞かれるシーンで「貴様に教える名などあるものか!」を選べば、以降はヒロインとして登場する事がなくなります。何なんだ主人公。




もちろんソフィアに限らず、多くのヒロインを恋愛候補から消すこともできます。最初の出会いで名前を名乗らないことは基本として、ゲーム内でのイベントで事故に巻き込まれたり、もっと大きな事件の被害に遭ったり、その方法はさまざまです。主人公の選択や行動が思い切り反映されることも珍しくありませんね!





※もちろん普通に恋愛を楽しむことのほうがメインなので、そこは安心してください。




己を磨けばイベントにも戦争にも勝てる
本作の基本的なゲームシステムは『ときメモ』に良く似ています。3年間の滞在中に週単位で剣術や学問などのコマンドを選んでステータスを上げ、知り合ったヒロインと週末や祝日に会ってデートに誘ったりしながら仲を深めたり、さまざまなイベントを体験していくという形式です。
ドルファン王国では季節イベントも多く、色男コンテストやスポーツ大会、剣術大会など多くの催しに参加できます。これらのコンクールや大会を勝ち抜くためには基本ステータスを上げることも大切です。もしヒロインと一緒にイベントに参加して良い結果を出せたら喜ばれるかも知れませんね。





ゲーム内での重要イベントが「戦争」です。傭兵としてドルファン王国に来た主人公は、滞在中に定期的に発生する戦争へと参加する必要があります。戦争は3すくみの部隊戦と、その後の一騎打ちの2つのフェイズが用意されています。戦争では主人公のステータスが結果に大きく寄与します。
ちなみにですが、戦争イベントも基本的に負けてもまったく問題ありませんし、なんなら一騎打ちパートで主人公が戦わないという選択肢もあります。それでもメインストーリーは進み、一騎打ちで倒さなかった敵将もどこかで倒されてしまいます。ゲーム内で、傭兵部隊の戦いが戦争の結末を変えることはないのです。





もちろん戦争イベントに勝つことは大きな意味を持ちます。本作の目的のひとつに「勲章集め」があります。ドルファン王国は傭兵であっても騎士と同様に扱われ、功績によっては国で最高位である「聖騎士」になることも可能です。騎士の位や戦争イベント、突発の戦闘イベントでエンディングに関わるヒロインもいますよ。
基本的に強くなることは難しくなく、戦争も余程遊んでいなければ勝つことはできます。ただし聖騎士を目指すのは少し大変なので、日々の研鑽を忘れないようにしましょう。





アナタは誰と結ばれる?
『みつめてナイト』の目的は聖騎士を目指すこと、そして好きなヒロインと結ばれることです。多くのヒロインに出会うためには、特定のステータスが一定以上の状態で必要なコマンドを実行する必要があります。中には「主人公が入院する」といった特殊な出会いのキャラクターもいますが……。
出会ったヒロインは教会で情報を調べることでデートに誘えるようになります。デートは好きな場所や会話の選択肢などがあり、その結果で恋愛度は変化していきます。恋愛度が上がればデートしやすくなったり、さまざまなイベントで一緒に行動したりできるようになります。





恋愛度の上昇によって同じ場所のデートでも会話のリアクションが変化したり、話すときに赤面していたりするのもお約束。逆に親しくない状態でちょっと攻めた選択肢を選べば、だいたい想像通りのつらいリアクションもボイス付きで楽しめますよ。
そして『ときメモ』と同様に本作にもいわゆる「爆弾」要素があります。ヒロインには好感度だけでなく不安度というパラメーターがあり、あまり大きくなると怒り始めてしまいます。幸い怒っている状態も謝ればすぐ解消できるのですが、なるべく気をつけたいところです。





ゲーム内では3年経った頃に主人公が国を出ることになり、ヒロインと波止場で感動のエンディングが見られます。ただし、ヒロインからの告白を振る事もできてしまうのも本作らしさ。振った時用のグラフィックも用意されているのが細かいですね!ちなみにヒロインに別れの手紙で呼び出したあとの出来事です。鬼か。






愛しくも厳しい世界観を楽しんで
己のステータスを上げつつ出会ったヒロインと仲良くなりながらさまざまなエンディングを迎えるのが目的の本作。『ときメモ』スタイルの恋愛シミュレーションでありつつも、ここまでいくつか説明しているとおり「女の子とのフラグをへし折れる」ような独特な世界観もあります。
それを代表するのが毎週更新される「ウィークリートピックス」です。これはドルファンを始めとする世界情勢のニュースを見られるものなのですが、基本的に扱われるニュースはテロや戦争などの物騒な情報が多めです。主人公たち傭兵がどのようにしてドルファン王国へやってきたのかも初週のトピックスでわかりますよ。





筆者がこのゲームで好きな部分に、説明書の世界観説明があります。ドルファン王国やプロキアなどは、元々大トルキア帝国という大国家だったのですが、内乱の後に7つの国に分裂した歴史があります。説明書では7カ国の特徴や直面している問題などが書かれているのですが、ゲーム内ではほぼ意味を持ちません。
傭兵であっても騎士同様に扱われるドルファン王国で、突如として3年目に国を追われたことも「外国人傭兵による不法行為や狼藉の頻発」によって排斥の機運が高まったことが背景のひとつにあります。外国人排斥法に関しては、もっと面倒な政争のお話もあるのですが……。






ゲーム内では簡単にわからないような世界やキャラクターの秘密も多く、ドラマCDや書籍で明かされた設定なども多く存在しています。そもそも相棒・ピコが「主人公以外に見えない」ことは何故なのでしょうか。それは、とあるヒロインをクリアすればわかるかも知れませんね!









『みつめてナイト』は、しっかりと作られた『ときメモ』スタイルの恋愛シミュレーションも楽しめますし、今も一部のゲーマーにその濃い世界観や印象的なイベントで話題になることがあるゲームです。恋愛を楽しむ、ひたすら己を鍛える、できる限りヒロインとのフラグを断ち切る、ゲーム内では色々な楽しみ方も用意されています。
メインヒロインのひとり・ソフィアの人生の重さも過去にインサイドで記事になっていますが、他のヒロインにも大小さまざまな衝撃的なイベントも多く用意されています。惜しむらくは本作を遊ぶ機会が難しいという部分。ソフトの入手自体はそこまで難しくないと思いますが、プレイステーションのゲームを動かすためのハードを持っている必要もあります。せめてダウンロード販売さえされていれば嬉しいのですが……!



『みつめてナイト』の世界観は知れば知るほど面白く、筆者は今後も愛し続けるゲームです。それでは次回、本作のスピンオフ作品『みつめてナイトR 大冒険編』の紹介記事でもお会いしましょう!書くチャンスがもらえれば!


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