金曜日, 5月 16, 2025
ホームニュースエンタメニュース『あんぱん』中沢元紀や『カムカム』村上虹郎を輩出 朝ドラの“弟役”は若手俳優の登竜門に

『あんぱん』中沢元紀や『カムカム』村上虹郎を輩出 朝ドラの“弟役”は若手俳優の登竜門に


 連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合)では、判断が付きづらい絶妙な強度で恋愛の矢印が表現されている。例えば、豪(細田佳央太)から蘭子(河合優実)への愛情。第28話の「毎日会ってます」という一言で蘭子への恋が明確になったものの、それまではどちらともつかない感情表現のみにとどめられていた。

 第7週で豪と同じような役割を担っているのが、嵩(北村匠海)の弟・千尋(中沢元紀)だ。千尋からのぶ(今田美桜)への感情がどういった種類のものかは、はっきりとは明言されていない。しかし、パン食い競争でのぶを助けたり、優勝商品のラジオを譲ったりと、千尋からのぶへの普通ではない優しさがあるのは事実。第32話で、仲直りをするのぶと嵩を見ている千尋の表情や、メイコ(原菜乃華)の歌を聞いている時ののぶへの目配せからは、安堵以上の含みが感じられた。中沢の繊細な演技力が光るシーンだった。

 朝ドラにおいて、ヒロインの兄弟、姉妹というのは物語に厚みを出す存在だ。千尋と同じヒロインの相手役の弟としてまず思い浮かぶのが、『カムカムエヴリバディ』(2021年度後期/NHK総合)の雉真勇(村上虹郎)。勇は、ヒロイン・安子(上白石萌音)に分かりやすすぎるほどのいじらしい好意を寄せていたが、その恋は叶わなかった。安子とは義理の弟として関わるようになり、姪のるい(深津絵里)とも良好な関係を築いていく。物語の前半では、安子への恋心に翻弄され葛藤する姿が切なく、老年期は安子とるいへの行動を後悔する姿を見せるなど、100年にわたる物語の1本の軸として存在した人物であった。村上は、嫉妬に追い詰められていく青年期の勇の苦しさがひしひしと伝わってくる演技力を見せた。

村上虹郎、『カムカム』で放つ絶大なる安心感 “勇ちゃん”が報われる未来は?

連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)で、ヒロイン・安子(上白石萌音)の幸せを想って奔走する存在として、幼なじみで…

 ヒロインの弟として印象深いのは、『虎に翼』(2024年度前期/NHK総合)の猪爪直明(三山凌輝)や『ブギウギ』(2023年後期/NHK総合)の花田六郎(黒崎煌代)だろうか。

BE:FIRST 三山凌輝、“爪痕を残す”演技力で登り続ける俳優の頂き 『虎に翼』経て主演映画も

NHK連続テレビ小説『虎に翼』第20週は、主人公の寅子(伊藤沙莉)が新潟から東京に戻ってきた場面から始まる。そこで新たに問題とし…

 直明は、猪爪家の末っ子。初登場時は言葉もままならない幼児であったが、戦後猪爪家に戻ってきた際には立派な青年として成長を遂げていた。男性が少なくなった猪爪家で進学を諦めて大黒柱として働きに出ようとしたり、結婚後に妻と共に猪爪家で暮らそうとしたりと、直明の中には戦時中家にいられなかった悲しみや寂しさが常にあった。三山はそんな直明の一言では言い表せない苦しさを繊細に表現。また、寅子が仕事に熱中して家庭に目を向けられなくなった際には、家庭を守る花江(森田望智)との間に入るなど、寅子のサポート役としても活躍。三山は青年期の直明が持つ末っ子らしい可愛らしさ、物事を俯瞰する冷静さなど、直明の多面的な魅力を見事に演じてみせた。





続きをみる


編集部の感想:
朝ドラの弟役が若手俳優の登竜門として機能しているのは興味深いです。中沢元紀や村上虹郎の演技からは、複雑な感情を豊かに表現する力が感じられます。恋愛やサポート役としての立ち位置が、ストーリーに厚みを与えているのが魅力的です。

Views: 4

RELATED ARTICLES

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください

- Advertisment -

インモビ転職