火曜日, 5月 20, 2025
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『あなたを奪ったその日から』秘密と嘘をめぐる考察 “紘海”北川景子が敵の懐に飛び込む


 『あなたを奪ったその日から』(カンテレ・フジテレビ系)第5話では、秘密と嘘をめぐって、一人の人間が持ついくつもの顔が描かれた(※本記事ではドラマ本編の内容に触れています)。

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  スーパー「スイッチバック」に転職した紘海(北川景子)の配属先はお客様相談室。勤務初日から紘海は苦情電話を受ける。最初はS言葉、次にK言葉、最後はお礼で締める対応のイロハを教わった。相談室は常務である結城(大森南朋)の肝いりの部署で、現場経験のない紘海が配属されたのは、結城の意向が働いているものと思われた。

 紘海がスイッチバックに就職したのは、結城が隠ぺいした事実を突き止めるためだったが、毎月のように結城宛に誹謗中傷の投稿が寄せられていた。投稿があったのは碑文谷店で、偶然にもYUKIデリでアレルギー食材の混入があったのが碑文谷だった。結城から投稿者を調べる許可を得た紘海だったが、犯人は意外な人物だった。

 物語中盤で舞台となるのは、コンプライアンス担当部署で、よりによってと言うか、運命に誘われるかのように来るべくして来た感がある。外部のクレーマーに対処する相談室は社内の不祥事を知るのも早く、結城と日常的に接点がある。敵の懐に飛び込んだ紘海にとって願ってもない環境だ。

 『あなたを奪ったその日から』は秘密と嘘から成り立っていて、サスペンスの源泉を供給している。端的に人間は他人の考えていることがわからないし、嘘はいつかバレる。第5話は、そのほころびが物語に新たな裂け目を生じさせていた。

 紘海は「この世界には2種類の嘘がある」と述懐する。それは「誰かを陥れるための許されない嘘」と「そして誰かを守るための優しい嘘」だという。嘘は相手から見ると、真実を隠す秘密になる。秘密にしていたのは人を陥れる嘘なのか、それとも守ろうとする誰かなのか? その答えを知るのはただ一人、嘘をついた本人だけだ。


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 紘海がついた最大の嘘は、美海(一色香澄)に母親であると偽っていたこと。不在時に来宅した雪子先生(原日出子)に美海の存在を知られたことで、嘘が露呈した。亡くなった父親について知りたがる美海が、早晩、真実を知ることは避けられないだろう。

 結城が隠しているのは、YUKIデリで起きた事故の真相だ。結城に帯同しなかった調理責任者の鷲尾(水澤紳吾)をめぐって、記者の東(仁村紗和)は結城の部下である望月(筒井道隆)を直撃し、不審に思った望月と結城の間に溝が生じた。そこに狙いすましたように、鷲尾の告発動画が届く。

 「人の心は万華鏡みたいなもの」と結城が言うとき、それは血のつながった親子でありながら、わかりあうことができない梨々子(平祐奈)との関係を指しているし、同時に世間から誤解されている自身のことを語ってもいる。見る角度を変えるとまったく違う顔が見えてくるのだが、難しいのは、どちらも真実という場合だってありえることだ。

 矛盾した顔を持つ一人の人間、という事象をよく表しているのが梨々子で、玖村(阿部亮平)は信じようとして振り回される人間のさがを体現しているといえる。紘海にとって憎しみの標的だった結城に人間らしい顔が見えてきたら、それはそれでやっかいだ。「結城旭がわからない」とつぶやく紘海が「わかりたくない」と続けるとき、相手を理解しようとする心の動きに必死に抵抗しているのではないか。

 この世で一番残酷なのは真実である。すべてが明らかになったとき、嘘はあとかたもなく消える。けれども後悔は消えない。誰もそこから逃げられないのだ。

■放送情報
『あなたを奪ったその日から』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00~22:54放送
出演:北川景子、仁村紗和、平祐奈、阿部亮平(Snow Man)、水澤紳吾、小川李奈、一色香澄、田山由起、内藤秀一郎、原日出子、鶴田真由、大浦龍宇一、中原丈雄、筒井道隆、大森南朋
脚本:池田奈津子
演出:松木創
企画:水野綾子
音楽:村松崇継
主題歌:back number「ブルーアンバー」(ユニバーサル シグマ)
プロデューサー:三方祐人
制作:カンテレ、共同テレビ
©︎カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/anauba/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/anauba_ktv
公式Instagram:https://www.instagram.com/anauba_ktv

tiktok:https://www.tiktok.com/@anauba_ktv





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編集部の感想:
このドラマは、秘密と嘘の交錯を巧みに描写しており、観る者を引き込む要素が満載です。特に、紘海の人間関係の複雑さがストーリーに厚みを加えており、彼女の真意や動機が見え隠れする様子が緊張感を生み出しています。登場人物たちの内面に迫ることで、視聴者もそれぞれの選択を考えさせられる深い作品だと感じました。

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