

かつてIBMのThinkPad 701は9.7インチ幅のボディに11.5インチのフルサイズキーボードを搭載していた
ニュース記事公開日:2025年07月22日
1995年に登場したIBMのThinkPad 701は、その革新的な「バタフライ構造」を用いたキーボードデザインで話題を呼びました。このノートパソコンは、9.7インチのコンパクトな筐体に、11.5インチのフルサイズキーボードを収めていました。
このユニークな機構は、キーボードを必要なときに左右にスライドさせることで実現され、実際のCMでは開くと同時に鍵盤が展開する様子が印象的に映し出されています。35個のキーが左側、49個のキーが右側に展開される光景は、当時の技術革新を象徴するものでした。
ThinkPad 701は、「1995年に最も売れたラップトップ」ともいわれるほどの人気を誇った一方で、わずか1年で製造が中止されました。その背景には、当時のノートPCデザインによるディスプレイサイズに対する不満があり、IBM内部でも新しいアイデアが模索されるようになりました。
この革新のアイデアを生み出したのは、IBMの研究員ジョン・カリディス氏です。彼が木製の積み木で遊んでいるときに、スライドさせることで新しい形を作り出す発想を得たのです。これを基に、IBMの当時の幹部ティム・クック氏が彼のアイデアを推進しました。
ThinkPad 701はデザイン的にも評価が高く、27のデザイン賞を受賞し、ニューヨーク近代美術館にも展示されました。しかし、開発の遅れや搭載するチップの古さが影響し、短期間で生産が終了する結果となりました。
デザイン責任者のデヴィッド・ヒル氏は、今でもThinkPad 701を手元に置いており、誰かに見せるといつも驚かれると話しています。復活の試みも何度か行われましたが、その可能性はついに実現されていないようです。
このように、ThinkPad 701はただのノートパソコンではなく、そのデザイン哲学や技術的な挑戦を通じて、コンピュータ技術の歴史に名を刻む存在となりました。
🧠 編集部より:
補足説明
IBM ThinkPad 701のバタフライキーボードについて
1995年にリリースされたIBMのThinkPad 701は、バタフライキーボード設計により、限られたスペースでフルサイズのキーボードを実現しました。このデザインは、キーボードの仕組みが特に革新で、開くとともにキーがスライドして現れるという機構が特徴でした。この特異な構造は、当時のノートパソコンでのキーボードの限界を打破し、ハンドリングしやすさとタイピングの快適さを向上させました。
背景と豆知識
- デザインのインスピレーション: IBMのエンジニアであるジョン・カリディス氏は、娘と遊んでいる際に積み木から着想を得て、キーボードをスライドさせるというアイデアを思いついたとされています。
- 販売と評価: ThinkPad 701は27のデザイン賞を受賞し、ニューヨーク近代美術館にも展示されましたが、販売数はわずか約4万台にとどまり、わずか9カ月で製造が終了しました。原因としては、鎖工程の遅れから新しいプロセッサを搭載できなかった点が指摘されています。
関連リンク
- ThinkPad 701についての詳細
- IBM ThinkPad 701 Commercial – YouTube
- IBM ThinkPad 701 Promotional Video – YouTube
バタフライキーボードは今でも多くの人に愛されるデザインであり、ThinkPad 701の特異さと革新性は、技術とデザインの融合の成功を示す一例です。
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キーワード: バタフライキーボード
このキーワードは、記事の中心となる「ThinkPad 701」に搭載された独特のキーボード技術を象徴しています。
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